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あなたの聴衆を納得させ,聴衆とともに推論しなさい神権宣教学校案内書
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人を教えるために,あなたの論議を用いるよう備えさせるのに必要な技術を行使するという意味です。
17,18. どうすれば,共通の立場を維持できますか。
17 共通の立場を維持する。話のはじめに共通の立場を確立するには,何を述べるかとともに,どのように述べるかということが肝要です。しかし,話が進むにつれて,この共通の立場を失わないようにしなければなりません。さもないと,聴衆はあなたの話についてゆかなくなるでしょう。あなたは引き続き聴衆の思いに訴えるような仕方で論点を述べなければなりません。そのためには,論議されている論題に関する聴衆の見解を念頭におくとともに,そうした知識を活用して,あなたの論議がもっともなことを理解するよう聴衆を助ける必要があります。
18 共通の立場を確立して最後まで維持する,つまり聴衆を助けて推論させる点で古典的な模範の1つは,使徒行伝 17章22-31節に記録されている,使徒パウロの論議です。パウロが最初,どのようにして共通の立場を確立し,話全体を通してそれをいかに巧みに維持したかに注目してください。語り終えた時,彼は,その場にいたひとりの裁判官を含め,聴衆の何人かに真理を納得させていたのです。―使行 17:33,34。
19-23. 論点を十分に発展させる方法を提案しなさい。
19 論点を十分に発展させる。ある論題に関して聴衆が推論するためには,聴衆は自由に用いうる十分の資料を得なければならず,しかも,単に十分理解できないために論議を退けるという事態を招かないような仕方で,そうした資料を聴衆に提供しなければなりません。聴衆を助けるのはあなたの務めです。
20 このことを効果的に行なうため,あまり多くの論点を取り上げないように注意してください。急いで資料を提供するならば,その益は失われてしまうでしょう。各論点を時間をかけて徹底的に説明してください。そうすれば,聴衆は単に話を聞くだけでなく,理解するでしょう。重要な論点を述べるさいには,時間をかけてその点を発展させてください。なぜ,だれ,どのように,なにを,いつ,どこでなどの問いに答え,そのようにして,聴衆があなたの考えをいっそう十分に把握するよう助けてください。時には,あなたの見解が理にかなっていることを強調するため,ある論点に関する賛否両論を提供できるでしょう。同様に,ある原則を述べたのち,その原則が実際に適用できることを聴衆に理解させるため,それを例証するのが有利な場合もあるでしょう。もちろん,思慮分別を働かさなければなりません。ある論点をどの程度発展させるべきかは,持ち時間と,論議中の論題に関してその論点が占めている相対的な重要性によって決まります。
21 聴衆を助けて推論させるのに,質問をするのは,いつでも良いことです。適当な休止を伴う,修辞的な質問,つまり聴衆の答えを期待せずに聴衆に提出する質問は,考えを鼓舞するものとなります。野外宣教の場合のように,ただひとりかふたりの人に話しかけるさいには,話を進めながら質問をして,相手にも話をさせることができます。そうすることによって,自分の述べる考えを相手が確かに把握し,かつ受け入れられるようにしてください。
22 あなたは聴衆の思いを導きたいと願っているのですから,聴衆が自分自身の経験,またはあなたの論議の初めの部分を通してであれ,すでに知っている事がらを基にして話を進めてゆかねばなりません。ですから,ある論点を十分発展させたかどうかを決めるには,聴衆がその論題についてすでに何を知っているかを考慮しなければなりません。
23 聴衆の反応を見守り,聴衆が話の意味を理解しているかどうかを確かめるのは,常に重要です。必要ならば,次の論議に進む前に元に戻って,論点をはっきりさせてください。聴衆が推論できるよう注意して助けないと,聴衆は考えのつながりを容易に見失うおそれがあります。
24. あなたの聴衆に対して論議を適用することは,どんな良い目的にかないますか。
24 聴衆に対して適用する。どんな論議を述べるにしても,考慮中の問題と論議との関係をはっきり指摘することによって,必ず締めくくりをつけてください。同時に,話の中に動因となる事がらを含めて,述べられた諸事実と合致する行動を起こすよう,聴衆を励ましてください。あなたの述べることが聴衆をほんとうに納得させるならば,聴衆はすぐ行動を起こせるでしょう。
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意味の強調と抑揚神権宣教学校案内書
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研究 32
意味の強調と抑揚
1,2. 意味の強調はどんな点で話に寄与するものとなりますか。
1 意味の強調と抑揚が加わってはじめて,話は色彩に富む,意味深いものになります。さもなければ,考えが曲解されたり,関心が低迷したり
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