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テレビ ― それが現代の世界に及ぼす影響目ざめよ! 1983 | 1月22日
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テレビ ― それが現代の世界に及ぼす影響
フランス人はそれを“ラ・テレ”と呼び,イギリス人は“テリー”と呼び,オーストラリア人は“箱<ボックス>”と呼び,快楽に飽きたアメリカ人の多くは“管<チューブ>”あるいは“白痴管”,とさえ呼びます。“それ”とはテレビのことです。
どんな名前が付けられていようと,テレビは,「戦後の社会の価値基準,世論,および信条を形造る上で最も影響力のあった道具の一つ」として世界的に認められています。サイエンティフィック・オーストラリアン誌に載せられた一報告によると,「テレビを見ることのために,我々の社会が携わる他のいかなる活動よりも多くの時間が奪われており」,例外となるのは睡眠の時間と,賃金労働者の労働時間くらいのものであろう,ということです。
過去二,三十年の間にテレビが及ぼしてきた社会的な影響は非常に大きいため,この問題は社会学者や他の専門家たちによりいまだに盛んに研究されています。テレビは印刷機の発明以来,他のいかなる発明よりも人々の生活と思考に大きな影響を及ぼしてきた,と言われています。しかも,テレビはそれをほんの二,三十年の間に成し遂げたのです。さらに,世界人口の5分の1は依然として文字が読めないというのに,その多くは個人用のあるいは共同の受像機でテレビを見ています。
このことからどんな好ましい影響と好ましくない影響が生じているでしょうか。言い換えれば,テレビは視聴者にとってどれほど有益で,どれほど有害なのでしょうか。
プラスの面とマイナスの面
多くの国々でテレビは,田舎に住む小作農や他の人々の生活を変革しました。今日では,大邸宅に住むフランスの伯爵も,その近くの田舎屋に住む貧しい農場労働者と同じテレビ番組を見て晩の時間を過ごすことでしょう。娯楽を楽しむ機会という点では貧富の差がなくなりました。かつてはコンサートやオペラ,バレエ,演劇など,娯楽や教育の芸術的な分野から締め出されていた社会階級の人々にも,そうしたものを楽しむ機会が与えられています。
ドキュメンタリー番組は,旅行に出たいとの願望をはぐくみ,職業を決めさせることさえしました。地理を扱った番組は国際的な理解を深めるのに大いに役立ってきました。そうした番組は多くの人に新たな展望を与え,人種や民族間の偏見を取り除くよう促してきました。テレビはお年寄りや病人の孤独な時間を埋めてくれます。また,善きにつけ悪しきにつけ,テレビ番組が学齢期の子供たちの感じやすい心に及ぼしている並々ならぬ影響について考えてみるとよいでしょう。
とはいえ,現代世界に対するテレビの影響にはプラスの面しかなかったでしょうか。テレビ局は人々の文化,教育,および周囲の世界に対する理解を深める番組だけを放送していますか。テレビは巧妙な政治宣伝や強引な商法によって人々の考えに方向づけを与えるためにも用いられているのではありませんか。テレビは人々の神経や食習慣,身体的および霊的健康にどんな影響を与えてきたでしょうか。家族生活,特に子供たちにどんな影響を与えてきましたか。
これらは,テレビのもたらす益と及ぼす影響に関する続く一連の記事の中で検討されている質問の幾つかです。
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テレビ ― ニュースと巧妙な政治宣伝目ざめよ! 1983 | 1月22日
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テレビ ― ニュースと巧妙な政治宣伝
軍隊は行進の真っ最中で,自動車化部隊が大統領のいるスタンドの前を大きな音を立てて通過し,戦闘機が上空で轟音を発していました。突然1台の軍用トラックが公式スタンドの前に止まり,数人の武装した兵士が飛び降り,ひな壇に向かって手榴弾を投げつけ,自動小銃で射撃を始めました。数秒後にエジプトは自国の大統領,アンワル・エル-サダトを失いました。そして,数時間後には全世界の人々があたかも自分がその場に居たかのように,その情景を目撃することができました。テレビのニュース技術者はまたまた驚くべき業をやってのけました。
現場でのニュース報道
レーガン大統領や法王ヨハネ・パウロ2世などの暗殺未遂,さらにはスペインのコルテス,つまり議会内でのクーデター未遂も,予見できないこうした劇的な出来事が起きた直後にすべてテレビの画面に写し出されました。さらに優れた点として,テレビのニュース放送は,現場から地球を半周した所にいる視聴者にもそれらの出来事を同時に報道することがしばしばあります。
スペース・シャトルが人間業とは思えない正確さをもってカリフォルニアの砂漠の乾湖の底に実際に着陸するのを見るのは,ラジオのニュースキャスターが,スペース・シャトルは無事帰還しました,と言うのを単に聞くよりもはるかに印象的であるに違いありません。同様に,インドの洪水やイタリアの地震による被害を目にし,人間の苦しみを実際に目撃すると,人々は連帯感を実際に表わし,救援に貢献しようという気になるでしょう。このすべてはテレビのニュースの長所として挙げられるものと言えます。
油断のならない危険
しかし,短所もあります。パリのインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に載せられた日本のテレビに関する報道は,主な民間テレビ局がニュースを「糖衣でくるみ」,「真実を伝えていない」と述べる社会心理学者の石川教授の言葉を引き合いに出しました。その報道はまた,テレビは「この国で最も影響力の強いマスメディアである」という,日本のテレビの番組案内誌の一発行者の言葉をも引用しています。
日本について言えることは,程度の差こそあれ,他の多くの国々にも当てはまります。テレビは事実上世界のすべての国で「影響力の強いマスメディア」になりましたが,その影響力は必ずしも良いものとは限りません。テレビ局が政府のいかなる統制からも完全に独立していたとしても,有力な圧力団体や資力のある広告主は,宗教や産業や政治の分野でのニュース報道に影響を及ぼすことができます。わい曲されたニュースは巧妙な形の検閲と言えます。
国家がラジオやテレビの放送を独占しているような国では,この危険が明らかに大きくなります。諸政府にとって,この「最も影響力の強いマスメディア」を政治宣伝の目的のために使いたいという誘惑は大きなものです。これは全体主義的な諸国の場合のようにあからさまに行なわれることもあれば,より巧妙な仕方で行なわれる場合もあります。私利私欲というものは,物事の一面しか見せないことにより,事実をわい曲し,ゆがめることがあります。
ですから,テレビのニュース放送を見ているときでも,テレビのもたらし得る益とそれが及ぼし得る影響を念頭に置いておくのは良いことです。テレビは人の考え方を形造ることに加え,健康にも影響を与えることがあります。どのようにしてでしょうか。
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テレビ ― そしてあなたの健康目ざめよ! 1983 | 1月22日
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テレビ ― そしてあなたの健康
「テレビの続き物に出て来る筋肉隆々とした主人公が四六時中強い酒を飲み,のべつ幕なしにスナックを食べていながら,体重は少しも増えないのを見て,テレビ中毒者たちは自分の健康に有害な習慣を身に付けることになりかねない」。
これは一昨年の秋にニューイングランド医学ジャーナル誌に載せられた報道の要旨で,スイスの日刊紙ラ・トリビューン・デ・ローザンヌが要約したものです。その報道はまた,テレビのために人々が医師を過度に信頼するようになっているとしてテレビを非難しています。テレビに出てくる医師は,自分の助言に従う者たちの心身両面の健康を保たせる奇跡的な力を授かってでもいるかのようにして,その小さな画面に現われます。
体の健康
公平に言えば,テレビが大部分の視聴者の病気の直接的な原因になっているわけではありません。しかし,テレビは健康上の様々な問題の間接的な原因になることがあります。一つの点として,テレビが自分たちの食習慣をどの程度変えてきたかに気付いている人は少なくありません。
食卓に着いて,おいしい出来立ての食事を取る代わりに,安楽椅子にだらしなくすわり“箱<ボックス>”を見ながらテレビ・スナックを少しずつかじって食事を済ませてしまう家族は少なくありません。たとえ食べる物に十分の栄養があったとしても(大抵の場合そうではないが),番組によって感情が高ぶっていると消化に悪いことがあります。
“栄養価の低いスナック食品”を食べるように宣伝するコマーシャルがありますが,そうすると,子供たちは母親の準備した栄養のある食事はいやいやつつくだけになります。これもテレビが食習慣に及ぼす影響の一つです。テレビの宣伝は栄養価の低いスナック食品を普及させただけでなく,健康を保つために食べたり飲んだりする必要のあるものについて,ゆがんだ見方を子供と大人の双方にしばしば与えてきました。
テレビの視聴が神経の疲労やストレスの面で果たしている役割も忘れてはなりません。さらに,睡眠の問題があります。例えば,フランスでは最も興味深い番組の幾つかは夜遅くに組まれています。夜遅くまでテレビを見ていると,深夜前の貴重な睡眠時間が奪われるだけでなく,その後に残されたわずかばかりの睡眠時間にも断続的な睡眠しか取れなくなりがちです。最後に,身体面での健康に関する限り,テレビばかり見るのは,職業柄座っていることの多い人々にとって最善の気晴らしとは言えません。
霊的健康
テレビ番組はその製作の対象になっている人々の社会を反映します。その社会はいよいよ,同性愛やフリーセックスを大目に見,暴力に訴え,物質主義的な目標を追い求める社会になってきています。そうしたものは現在の多くのテレビ番組の中に含まれています。手当たり次第にテレビを見ると,人の道徳心は弱められ,霊的に築き上げる資料を読むために必要な時間が失われることになります。
テレビはまた,家族生活と子供の教育とに影響を及ぼすことがあります。その点は続く記事の中に示されています。
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テレビ ― 家族生活と教育目ざめよ! 1983 | 1月22日
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テレビ ― 家族生活と教育
テレビに与えられたニックネームの中に“子守機”というのがあります。多くの親は,子供をおとなしくさせておくための最も容易で安上がりな方法は,“一つ目の催眠術師”とも呼ばれているものの前に子供を座らせることである,という点に気付いているのでしょう。
オーストラリア・サン紙に載せられた一記事は次のように述べています。「英国の主要な一調査は,ほとんどの親が[テレビは]子守として欠くことができないと考えていることを最近明らかにした。事実,テレビの“悪い言葉遣いや暴力行為”について漠然とした憂慮の念を抱いているにもかかわらず,10人中7人という驚くべき数の親が,子供に手が掛からないようにするためテレビを用いている。さらにひどいことに,10人中9人の親は子供がどんな番組でも見ることを許している」。
非常に要求の多い,家族の成員
テレビはまさに世界中の幾百幾千万もの家庭に押し入り,家族の非常に差し出がましい成員になり,しばしば会話を独占しています。テレビが夫や妻,父親や母親以上に敬意を集めているという家族は少なくありません。妻が話し掛けても平気で新聞や雑誌に顔をうずめている夫が,“子守機”が話している時には目を皿のようにし,耳をそばだてています。親には口答えをする子供も,テレビ氏が自分たちに話し掛けるときには黙って,目を見開いて座っています。
時間の面でも,テレビは非常に多くを要求するようになっています。ほとんどの国で,テレビの平均視聴時間は増えています。米国では,テレビの使用時間が1969年の1日当たり5時間50分から1980年の1日当たり7時間25分へと増加しました。日本ではテレビの台数よりも世帯数の合計の方が少なく,1978年には1日に5時間以上テレビがつけられていました。それに比べ,カナダではそれが3時間,フランスでは2時間でした。
テレビは家族の団らんに役立つか
1日に7時間であろうと2時間であろうと,これだけテレビを見ていれば,それが一般の家族の生活に由々しい影響を及ぼさないはずがありません。英国の児童心理学者ペネロペ・リーチは,「テレビを家族生活に対する最大の脅威の一つ,親子の意思の疎通を阻む機械と見ており,『人々は互いに全く話さなくなってしまう』と述べている」。―1980年3月18日付,サン紙(オーストラリア)。
確かに,子供たちが外へ出て行かなくなったためにテレビは家族の団らんに貢献してきたと主張する人々もいます。しかし,黙ってテレビ番組を見ていながら,家族の成員が本当に“団らん”を楽しんでいると言えるでしょうか。団らんとは,「社交的な活動や余暇の活動などに携わって多くの時間を共に過ごすこと,……特に,より一体化された安定した関係をもたらすものとみなされる場合に言う」と定義されていますが,テレビを見ることはそのような団らんを促進するでしょうか。むしろ,テレビを見過ぎると,夫婦,親子,そして子供同士の正常な意思の疎通でさえ妨げられるのではないでしょうか。
テレビは,ゲームや趣味,ハイキングなど家族で楽しむ娯楽を著しく制限したか,さもなくばそれに完全に取って代わってしまいました。それに加え,テレビのためにしばしば子供たちが家事の手伝いをしなくなっています。“団らん”とは本来そうしたものから成っているのです。そして,テレビがこうしたものに取って代わったゆえに,それは家族生活の崩壊の責任の一端を担わなければなりません。家族が崩壊すると,間もなく社会そのもの,そして政府全体がもろくも崩れ去り,消え失せることを歴史は示しています。
子供たちに及ぼす影響
テレビが子供たちに及ぼす影響には計り知れないものがあります。大抵の子供たちはあひるが水に飛び付くように,テレビに飛び付きます。子供たちはほとんどどんな番組でも見,テレビの画面は子供たちを催眠術に掛けてしまうようです。ある調査によると,米国の子供たちは1日に平均して4ないし5時間テレビを見て過ごします。ほかの国々ではその平均時間は米国よりは少ないとはいえ,ほとんどの先進国で,1日に2時間というのが最低のようです。ミシガン大学で児童の発達に関する研究を行なっている際に,ジョン・マレー教授は次のように語りました。「子供たちがテレビを見て1日に5ないし6時間を過ごす場合,まず考えさせられるのは,その子たちがどんな活動を得そこなっているかということである」。
そうです,健全な読書,学校の宿題をきちんと行なうこと,趣味を伸ばすこと,健康的な運動,気持ちをくつろがせるゲーム,楽しみを共にし,遊び道具をほかの子と分かち合うことを学ぶといった面で,子供たちはどんなことを得そこなっているでしょうか。そして問題になるのは,何を得そこなっているかだけではなく,もっと重要なこととして,何を学んでいるかということなのです。
良い事を何も学んでいないというのは正しくないでしょう。テレビは非常に教育的なものになり得ます。周りの世界に対する子供たちの知識を広め,地理や自然科学や歴史に対する子供たちの関心を引き起こすことがあります。しかし,テレビが子供たちに暴力行為を教えたり,性に対するゆがんだ見方やねじけた行動の規準を与えたりすることはない,と言うのもやはり正しいことではないでしょう。それで,テレビは害毒か恩恵かという疑問が残ります。
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ビデオ ― その使用と誤用目ざめよ! 1983 | 1月22日
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ビデオ ― その使用と誤用
テレビの世界に新たに登場したものにビデオがあります。エレクトロニクス業界はそのようなビデオ装置を幾百万台も生産するため,最高の生産体制に入っています。競合する企業は様々な録画システムをもって,熾烈な販売合戦を繰り広げ,この新しいヒット商品で一もうけしようとしています。この新しい装置は,テレビの良い面と悪い面にどんな影響を及ぼすでしょうか。
良い面として,ビデオのおかげで人々は自分の時間がほかのことでふさがっている時にも(タイマーを使って)テレビ番組を録画することができます。こうして,自分の見たいものを,見たい時に見ることができるのです。また,気に入った映画のビデオテープを買って,自分の好きなだけ何回でも繰り返しそれを見ることができます。また,ビデオテープ・ライブラリーからフイルムを借りることもできるでしょう。
マイナスの面として,コントロールされないと,そうした装置は,見ないほうがよいようなフイルムを何度も何度も見ることを可能にするため,人々の中にある最悪のものを引き出しかねません。
フランスの日刊紙フィガロに載せられた最近の見出しに,「米国 ― テレビとポルノビジョン」というのがありました。その記事は,米国で一番需要の多いビデオテープは性を題材にした映画であることを示していました。フランスでは,スーパーマーケットで売られているビデオ・カセット10巻のうち7巻はポルノ映画でした。言うまでもなく,そうした装置は健全な仕方で用いることもできます。しかし,それはテレビがもたらし得る益と及ぼす影響とを明らかに増幅するものになります。
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テレビ ― 害毒か,それとも恩恵か目ざめよ! 1983 | 1月22日
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テレビ ― 害毒か,それとも恩恵か
“恩恵”は,「身に受けた益,感謝すべきもの,祝福」と定義されています。“害毒”とは「破滅させたり害したりするもの,死をもたらす毒」のことです。この問題に関するほんの幾つかの面を簡単に考慮してみましたが,テレビは害毒と恩恵,呪いと祝福のどちらとみなせるでしょうか。
テレビは恩恵となり得る
テレビが恩恵であるとみなしている人が少なくないことには疑問の余地がありません。お年寄りや病人や身体障害者の多くはテレビを手離せないでしょう。テレビはそうした人々にとって“交わり”と交際の主な源となってきました。
テレビがニュースに対する関心,国内や世界で起きている事柄に対する関心を高める面で多くを成し遂げてきたということを否定する人はほとんどいないでしょう。それは人々の考えを広げ,新たな視野を与えるものとなりました。テレビの視聴者は“偏狭な見方”をする傾向が余りありません。これはすべて良い側面で,感謝すべき事柄です。
テレビはまた非常に教育的なものになり,勉強したり旅行したりする機会に一度も恵まれなかった人々に広範にわたる知識を与えています。最後に,テレビはショーやオペラ,演劇,バレエ,シンフォニー・オーケストラなどを貧しい人々の家にもたらしました。
テレビはまた害毒ともなり得る
残念なことに,恩恵となり得るものが害毒,つまり有害で,場合によっては腐敗させるものにもなることがあるのです。テレビは孤独な人にとって“友”となるかもしれませんが,どんな種類の友となるのでしょうか。それは多くの人々の空虚な生活のすきまを埋めたかもしれませんが,どんなもので生活を埋めたでしょうか。テレビは現場からのニュースの速報を与えてはくれますが,それはまた巧妙な政治宣伝を伝達し,利己的な人々が一般の人々に思想を吹き込むのに用いられることもあります。テレビに写し出されるかわいらしい広告は人を楽しませますが,それは物質主義的な社会を作り出すのに大きな役割を果たしてきました。テレビのおかげで安上がりに娯楽が楽しめると思われるかもしれませんが,そのために性や暴力行為や正直さに対する自分の見方がゆがめられていないと断言できますか。子供たちが悪いことをしないようにするためあなたはテレビに大いに頼っているかもしれませんが,テレビは子供たちの思いに,そしてもっと重要なこととして子供たちの心にどんな悪いことを行なっているでしょうか。
しばしば“現代テレビの父”と呼ばれるウラジミール・K・ズウォーリキンは最近,『テレビが世界的にこれほど普及するとは夢にも思わなかった』と述べました。しかし,ズウォーリキンはさらに,テレビが用いられているその仕方について自分は不快に思っており,自分の子供たちにはテレビのそばにも決して近寄らせない,と述べました。売れっ子のテレビ脚本家パディー・チャエフスキーはこう述べています。「テレビは人間関係の複雑さすべてを粗雑にし,人間性を失わせ,無感覚にさせてしまう。我々はショックを感じる感覚や人間性という感覚を失ってしまった。それがテレビの根本にある問題である」。
事情に通じているはずの人々のこうした言葉は,自分の家族や自分自身の益を心に留めている人々に思考の糧を与えるものとなります。確かに,“箱<ボックス>”は害毒にも,恩恵にもなるのです。結局のところ,テレビがどんな益をもたらし,どんな影響を及ぼすかという問題は……あなたに懸かっているのです!
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