ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 偽りの宗教のない世界にかんする「福音」
    ものみの塔 1969 | 2月1日
    • により見捨てられると同時に,霊的なイスラエルが,宗教上の真理および汚れのない純粋で最新の宗教を啓示する,神の経路として用いられました。生来のイスラエルは,新しく啓示された真理と汚れのない純粋な宗教を拒絶して,異教を奉ずる異邦諸国家と同じ立場に立ったのです。そしてその後の何世紀もの間,霊的なイスラエルではなくキリスト教国の手で恐るべき迫害を受けてきました。

      21 (イ)今日の人々にとって何を信ずるのは困難なことですか。(ロ)第1世紀当時,真の啓示宗教が存在していたことを,どうして確信できますか。

      21 幾千年にもわたるあらゆる宗教上の混乱を見聞きしてきた人々,特に現代の人々にとって,真の宗教もしくは崇拝の様式がかって存在したとか,真の宗教を実践する何らかの組織が存在していたと信ずるのは,容易なことではありません。しかし,真の啓示宗教は西暦1世紀に確かに存在しました。事実,それを実践した組織がありました。さもなければ,弟子ヤコブはその組織にあてて手紙を書くことができなかったはずです。

      22 使徒パウロは,啓示された真理を持つ一つの組織が存在していたことを,どのように示しましたか。

      22 その仲間の弟子,使徒パウロは,この組織が,真理と真の敬虔の宿る,したがって真の宗教を実践する組織であると書きました。その組織のひとりの若い監督テモテにあてたその最初の手紙の中で,使徒パウロは,啓示された真理および敬虔の宿るその組織が何であるかを明らかにしています。パウロは述べました。「これらの事を書きおくるは……如何に神の家に行ふべきかを汝に知らしめんためなり。神の家は活ける神の〔会衆〕なり,真理の柱,真理の基なり。げに大なるかな,敬虔の奥義『キリストは肉にてあらはされ,御使たちに見られ,もろもろの国人に宣伝へられ,世に信ぜられ,栄光のうちに上げられ給へり』。されど御霊あきらかに,或人の後の日に及びて,惑す霊と悪鬼の教とに心を寄せて,信仰より離れんことを言ひ給ふ」― テモテ前 3:14–4:1,〔新〕。

      23 啓示宗教が使徒時代に存在していたことには一点の疑いもないと言えるのはなぜですか。今日,何を確信できますか。

      23 19世紀前の当時,「活ける神の〔会衆〕」が真理,宗教上の真理を持っていたこと,また,形だけでなくその実をも伴う真の敬虔の「奥義」あるいは聖なる秘義を正確に悟っていたことには一点の疑いもありません。それで,会衆は,偽りの宗教や誤りの多い世界にあって,「真理の柱,真理の基」であり得たのです。後日,「活ける神の〔会衆〕」の成員と自称する人々が真の信仰から離れ,背教者となりました。しかしこの事実も,真の宗教を持つ唯一のその組織がイエス・キリストの十二使徒の時代に確かに存在していたことを否定もしくは論破するものではありません。また,偽りの宗教の多い当時の世界に存在したのであれば,今日でも存在し得,そして確かに存在しています。その「真理の柱,真理の基」は,偽りの宗教の大敵であられる「活ける神」の立証に今なおあずかっています。

      拡張的な宗教

      24 霊的なイスラエルの会衆に与えられた命令は,生来のイスラエルに与えられたものと,どのように異なっていましたか。

      24 人々の益を図り,その救いの約束を差し伸べて,偽りの宗教に対する攻撃を首尾よく遂行できるのは,宗教上の真理および汚れのない純粋な宗教を持つ唯一のその組織のみです。しかしこの「活ける神の〔会衆〕」,つまりこの霊的なイスラエルは,割礼を受けた生来の古代イスラエル国民のように,いわば天与の約束の地にとどまって他から孤立した存在となるのではありません。それどころか,偽りの宗教のしみ込んだ諸国民の中へ出かけてゆくようにとの明確な命令を与えられていたのです。きわめて偉大な敬虔の奥義に相当する人物がだれであるかを説明したときに,使徒パウロが,その人物は単に古代の生来イスラエルのみならず「もろもろの国人に宣伝へられ(た)」と語ったことを思い起こしてください。神の聖なる秘義に属するひとりの人物はイエス・キリストであり,その敬虔については,霊感の下にしるされたヘブル語聖書中に予告され,説明されています。では,どのように,また,なぜ,彼は「もろもろの国人に宣伝へられ(る)」ようになりましたか。

      25-27 イエスはご自分の追随者が人々から離れることを欲しておられないと,どうして言えますか。

      25 世の人々から離れ,荒野の洞窟で隠遁生活をせよとか,僧院や修道院を建てて,みずから修道士あるいは修道女となってそれらの場所に閉じこもり,こうして,啓示された真理の光を暗黒の世界に照り輝かさないようにせよと,ご自分の使徒や初期の弟子たちに彼は命ぜられませんでした。それとは逆に,死からよみがえらされて何日かののち,そして,昇天して天使たちに現われ,かつ栄光の中にあげられる前に,イエス・キリストはご自分の弟子たちにこう告げられました。

      26 「我は天にても地にてもすべての権を与へられたり。されば汝ら往きて,もろもろの国人を弟子となし,父と子と聖霊との名によりてバプテスマを施し,わが汝らに命ぜしすべての事を守るべきを教へよ。視よ,我は世の終まで常に汝らとともにあるなり」― マタイ 28:18-20。

      27 イエス・キリストは,ご自分の追随者が,人々をキリストの弟子とするためにあらゆる異教の国々に行くべきことを再び強調する次のような最後のことばを述べ,その直後,弟子たちの見ているところで天にのぼりました。「聖霊なんぢらの上に臨むとき,汝ら能力をうけん,しかしてエルサレム,ユダヤ全国,サマリヤ,及び地のはてにまで我が証人とならん」― 使行 1:8。

      28 (イ)使徒行伝 1章8節のイエスの命令は何を意味しましたか。(ロ)霊に満たされたクリスチャンが,真の宗教を持っていたかどうかについては,疑問の余地がありましたか。なぜそうですか。

      28 このことは,真の宗教がその当時まで行なわれてきた唯一の領域であるユダヤ人社会および偽りの宗教のしみ込んだ非ユダヤ人の諸国家すべてにおいて,あかしを行ない,人々を神の約束のメシヤとしてのイエスの弟子とすることにほかなりません。霊に満たされた真の宗教を実践するクリスチャンの行なう,偽りの宗教に対する攻撃以外の,何を意味し得るでしょうか。『彼らは真理と真の宗教を持っていたかもしれないが,持っていなかったかもしれない』と言って,疑問視する余地は一つもありません。彼らに対するイエスの約束のことばは,疑問の余地を一掃しているからです。当時,弟子たちは聖霊によって力を受けることになっており,その時までエルサレムで待つようにと告げられていましたが,その聖霊にかんしてイエスは,犠牲の死を遂げられる前夜,彼らにこう言われました。「彼すなはち真理の御霊きたらん時,なんぢらを導きて真理をことごとく悟らしめん。かれ己より語るにあらず,凡そ聞くところの事を語り,かつ来らんとする事どもを汝らに示さん」。(ヨハネ 16:13)西暦33年,シワンの6日,五旬節の日,イエスの昇天後10日目に,彼らは「真理の御霊」を確かに受けました。―使行 2:1-36。

      29 異教の偽りの宗教に対する攻撃は,いつ,また,どのように始まりましたか。

      29 その約3年4か月後,西暦36年の初秋,チスリの1日ごろ,「活ける神の〔会衆〕……真理の柱,真理の基」の,霊に満たされた成員は,異教徒の偽りの宗教に対する攻撃を開始しました。これは,使徒ペテロが天からの直接の指図によって,ヨッパからユダヤのカイザリヤにのぼり,非ユダヤ人つまり割礼を受けていない一異邦人,コルネリオというイタリア人百卒長の家に初めて足を踏み入れた時のことです。異邦人コルネリオと,彼がペテロの話を聞かせようと自分の家に招いた人々に,ペテロがなおも真理の音信を伝えていたところ,聖霊は,信仰を持つこれらの異邦人にも下りました。その証拠として彼らは,それまでに学んだことのない外国語で話しはじめたのです。(使行 10:1–11:18)この時以来,キリスト教の真理の前にはあらゆる異邦人国家における偽りの宗教に対する攻撃のとびらが大きく開かれました。

  • あらゆる偽りの宗教に対する輝かしい攻撃
    ものみの塔 1969 | 2月1日
    • あらゆる偽りの宗教に対する輝かしい攻撃

      1 昔のヘルブ語聖書は何を預言しましたか。国々の多くの人はパウロの伝道にどう答え応じましたか。

      神のご予定の時に及んで,真理の光が偽りの宗教の暗黒の世界を照らし出すことは,霊感のもとにしるされた昔のヘブル語聖書の預言にさえ示されていました。使徒パウロは,コルネリオが真の宗教に改宗した約11年後,ピシデヤのアンテオケにあるユダヤ教の会堂に集まった人々に話をした際,そのような預言を引用しました。彼はこう語っています。「視よ,我ら転じて異邦人に向はん。それ〔エホバ〕はかく我らに命じたまへり。曰く『われ汝を立てて異邦人の光とせり。地のはてにまで救とならしめんためなり』」。集まったさまざまの国籍の人々を前にして,使徒パウロがその預言を引用して話したのちに,どんなことが起こりましたか。こう書かれています。「異邦人はこれを聴きて喜び,〔エホバ〕の言をあがめ,また〔永遠の命〕に定められたる者はみな信じ,〔エホバ〕の言この地にあまねくひろまりたり」― 使行 13:14-49〔新〕。イザヤ 42:6。

      2 そうした「異邦人」の行動は,パウロがその伝道において首尾よく攻撃したことをどのように証明していますか。

      2 偽りの宗教に対するこの攻撃は功を奏したと言えるでしょうか。確かにそう言えます。なぜなら,その結果として,偽りの宗教の犠牲者は真の意味で解放され,そして,エホバ神の建てられる,偽りの宗教のない新しい秩序における「永遠の命」への道を歩めるようにされたからです。こうして人々は,あらゆる偽りの宗教の神の力から解放され,すべての偽りの宗教の大敵であられる真の宗教の神への崇拝と奉仕を行なえるよう自由にされたのです。復活した主イエス・キリストが,使徒パウロに現われ,次のように語って,彼に与えられた使命の眼目は,このような解放をもたらすことにありました。「わが汝に現れしは,汝をたてて……役者また証人たらしめんためなり。我なんぢをこの民および異邦人より救はん,またなんぢを彼らに遣し,その目をひらきて,〔暗黒〕より光に,サタンの権威より神に立ち帰らせ,我に対する信仰によりて罪の赦と潔められたる者のうちの嗣業とを得しめん」― 使行 26:14-18,〔新〕。

      3 サタンは自分の権威をどのように行使しますか。サタンはこのことを最初にいつ行ないましたか。

      3 パウロに与えられたこの使命にかんして,「〔暗黒〕より光に,サタンの権威より神に立ち帰らせ(る)」ということばに注目してください。悪魔サタンは,偽りの宗教を通して,つまり宗教的な「暗黒」を通して自分の「権威」を行使しています。サタンは,「抵抗者,敵」を意味するその名にたがわず,エホバという御名を持たれる生きる唯一の真の神に抵抗しています。(詩 83:18)サタンがエホバ神に抵抗しはじめたのは,完全な人間,アダムとエバがいた時分のエデンの園においてでした。そして,人を欺いて偽りの宗教をエデンの園に導入させました。(創世 3:1-15)反逆したアダムとエバがエデンの園から追放されたのち,サタンは,偽りの宗教をエデンの外で,預言者ノアの日の洪水の時まで繁栄させました。偽りの宗教のために地にはびこるに至った暴力行為はその洪水によってとどめをさされました。―創世 6:1–8:22。ペテロ後 2:5; 3:5,6。

      4 (イ)ノアの日の洪水後,偽りの宗教はどのように再組織されましたか。(ロ)偽りの宗教のバビロン的な世界帝国で神として崇拝されているのはだれですか。

      4 この世界的な大洪水後,悪魔サタンは,特に,バビロンの都(バベル)の建設者であり「エホバに敵対する力ある狩人」であった,ノアの曾孫の時代に,偽りの宗教をついに再び確立させ,組織化することに成功しました。(創世 10:8-10,新。歴代上 1:10)今やバビロンは地上のあらゆる偽りの宗教の主要な砦となり,ここを本拠として偽りの宗教の世界帝国が建てられることになったのです。この宗教帝国は,聖書の中で「大なるバビロン,地の淫婦らと憎むべき者との母」と呼ばれている神秘な存在です。(黙示 17:1-5)このバビロン的な宗教帝国は,キリスト教国をさえ包含するようになりました。悪魔サタンはこの宗教帝国のあらゆるところで神として崇拝されています。これは大げさなことばではありません。そのことは,使徒パウロの次のことばからもわかります。「もし我らの福音おほはれ居らば,亡ぶる者に覆はれをるなり。この〔事物の体制〕の神は此らの不信者の心を暗まして神の像なるキリストの栄光の福音の光を照さざらしめたり」― コリント後 4:3,4〔新〕。

      5 政治支配者はなぜ偽りの宗教の保護に尽力してきましたか

      5 ここに述べられている,この「事物の体制」の神は,また,政治支配者をその配下においています。イエス・キリストは,悪魔サタンにかんするこの事実を知っておられ,サタンのことを「この世界の支配者」と呼ばれました。(ヨハネ 12:31,新; 14:30; 16:11)このことから,現在の世界の政治支配者がなぜ偽りの宗教を保護し,助長することに努めてきたかを理解できます。真の宗教を実践する人々が,偽りの宗教のバビロン的な世界帝国を攻撃し,他の人々を「サタンの権威より神に」立ち帰えらせるわざは,そのためにいっそう困難になってきました。しかしこの攻撃はあらゆる国々において成功裏に推し進められています。

      功を奏する攻撃の型

      6,7 古代のイスラエル人は偽りの宗教を攻撃するのに,どんな方法に従いましたか。それはクリスチャンの取るべき方法ですか。

      6 イエス・キリストの使徒たちは,崇拝の偽りの様式に対するこの攻撃をいかに遂行すべきかにかんする型を残しました。使徒たちは,紀元前1473年,ヌンの子,ヨシュアの指揮の下に中東の約束の地の平定をはじめた古代イスラエル人のような偶像破壊者ではありませんでした。イスラエル人がその地に侵入した当時,そこは,異教の住民の偽りの神々の偶像の満ちる土地であり,それら異教の崇拝者のあいだに見られる道徳状態はきわめて低く,堕落しきった,汚れに満ちたものでした。

      7 ゆえにエホバ神は言われました。「その地もまた汚る こゝをもて我その悪のためにこれを罰す その地もまた自らそこに住る民を吐いだすなり」。(レビ 18:21-30)イスラエル人はその地の偽りの宗教の帰依者を根絶することになっただけでなく,エホバはこう告げられました。「汝かれらの彫像を火にて焚べし これに著せたる銀あるひは金を貪るべからずこれを己に取べからず おそらくは汝これによりて罠にかゝらん これは汝の神エホバの憎みたまふ者なればなり 憎むべき物を汝の家に携へいるべからず おそらくは汝もそのごとくにのろはるゝ者とならん 汝これを大に忌み痛く嫌ふべし これは詛ふべき者なればなり」― 申命 7:23-26。

      8 なぜそれほど徹底的な処置が必要でしたか。それは十分に功を奏しましたか。

      8 それはたしかに徹底的な処置でしたが,徹底的すぎるものではありません。その目的は,偽りの崇拝者と彼らの宗教を約束の地から滅し去るとともに,偽りの宗教の影響からイスラエル人を守って,その犠牲者とならないようにし,またその地の異教の住民のように堕落しないよう助けることにありました。あらゆる偽りの宗教の大敵であられるエホバ神は,このようにしてのみ,約束の地を偽りの宗教のない土地になし得たのです。しかしイスラエル人はこの徹底的な処置を完全には遂行しませんでした。聖書にしるされているイスラエル人の歴史は,その悲しむべき結果を物語っています。

      9,10 (イ)クリスチャンにはどんな権限がありませんでしたか。なぜですか。(ロ)テサロニケ前書 1:9,10節のパウロのことばによれば,クリスチャンは偽りの宗教を攻撃するのに,どんな方法を用いますか。

      9 イエス・キリストの使徒たちおよび他の霊的なイスラエル人は,そのような偶像破壊者になるのではありません。異教の土地に行って,異教徒の偶像や偽りの崇拝のための彼らの宮を破壊せよとの命令あるいはその権限が与えられたわけでもありません。また,偽りの宗教を全地から撲滅するようにと告げられてもおらず,それを期待もしませんでした。使徒パウロは,偶像崇拝の栄えた不道徳なアカヤの町,コリントにあるクリスチャン会衆にあててこう書きました。「なんぢら異邦人なりしとき,誘はるるままに物を言はぬ偶像のもとに導き往かれしは,汝らの知るところなり」。(コリント前 12:2)同じ使徒は,マケドニヤ地方の町,テサロニケの会衆にあてて次のように書きました。

      10 「我ら(は初めて)汝らの中に入り……汝ら(は)偶像を棄てて神に帰し,活ける真の神に事へ,神の死人の中より甦へらせ給ひし御子,すなはち我らを来らんとする怒より救ひ出すイエスの,天より降りたまふを待ち望む」― テサロニケ前 1:9,10。使行 14:14-16と17:1-10とを比較しなさい)

      11,12 (イ)パウロはクリスチャンの霊の武器をどのように説明していますか。(ロ)パウロはクリスチャンの戦いについて何と述べましたか。

      11 使徒パウロおよびその同僚のシラスとテモテはテサロニケの異教徒の中にどのようにしてはいってゆきましたか。偶像を破壊する実際の武器ではなく,「エホバのことば」,「神の福音」,「神の言」を携えて行きました。(テサロニケ前 1:8,新; 2:8-13)こうして彼らは偽りの宗教に対する戦いに際して霊の武器を用いました。それで使徒パウロはコリント会衆に次のように書きました。「我らは肉にありて歩めども,肉に従ひて戦はず,それ我らの戦争の武器は肉に属するにあらず,神の前には,城砦を破るほどの能力あり,我らはもろもろの論説を破り,神の示教に逆ひて建てたるすべての櫓を毀ち,すべての念を虜にしてキリストに服はしむ」。(コリント後 10:3-5)それで使徒パウロが,神のことばあるいは神の言われたことを剣にたとえたのは,きわめて適切なことと言えます。もちろん,偽りの宗教のそれらの砦にはいることによって,使徒たちやその同労者はみずからを悪霊崇拝からの攻撃にさらしたのです。彼らを守ったのは霊的な武具と剣でした。使徒パウロは,異教の町エペソの会衆に向かってこの点を説明し,こう述べました。

      12 「悪魔の策略に対抗して立ちうるために,神の武具で身を固めなさい。わたしたちの戦いは,血肉に対するものではなく,もろもろの支配と,権威と,やみの世の主権者,また天上にいる悪の霊に対する戦いである…それだから…立って真理の帯を腰にしめ,正義の胸当を胸につけ,平和の福音の備えを足にはき,その上に,信仰のたてを手に取りなさい。それをもって,悪しき者の放つ火の矢を消すことができるであろう。また,救のかぶとをかぶり,御霊の剣,すなわち,神の言を取りなさい」― エペソ 6:11-17,口語。

      13 使徒や仲間の弟子たちは御国の福音を伝道する以上のことをどのように行ないましたか。一例をあげなさい。

      13 こうして使徒や仲間の弟子たちは,「神の武具」によって,偽りの宗教の神々である悪霊から守られつつ,「御霊の剣,すなわち,神の言」を用いて,偽りの宗教に対する攻撃を行ないました。彼らは神の国の福音を伝道し,宣明し,宣べ伝えて,このことを行なっただけでなく,教えるわざによってそれを支持しました。そのために,一つの場所から他の場所へ,町から町へと早く移動するわけにはゆきませんでした。聖書を学ぶ人々に,文字にしるされた神のみことばを説明できる近代的な形式の印刷物は当時一つもなかった以上,それはむしろ当然でしょう。彼らは一連の教えるわざをどこでも遂行するため,『すべての国の人々を弟子とする』目的で,十分の期間,一つの場所にとどまったのです。使徒パウロとその仲間がマケドニヤのテサロニケで行なったのはこのことで,連続3週間,徹底的に教えました。しかし,これをねたんだ宗教上の反対者たちが騒動を引き起こしたため,神のみことばを教えたこれらの人々はその夜,町を去り,次の町へと宣教旅行を再開せねばなりませんでしたが,もし騒ぎが起こらなかったなら,もっと長くとどまったでしょう。―使行 17:1-10。

      14 使徒パウロが,自ら家々に押し入って,偽りの宗教の本や偶像を焼き捨てる必要がなかったのはなぜですか。

      14 小アジヤのエペソの町では,使徒パウロの行なった教えるわざのプログラムは3年間も続きました。(使行 20:31)パウロの教えるわざは,偽りの宗教に対してきわめて破壊的な影響を与えたため,アルテミス(ダイアナ)の神殿のあるこの町で一騒動が生じました。さもなければ,そのわざはもっと続けられたでしょう。悪霊崇拝者の家々に踏み込んで,彼らの偽りの宗教の本を押収し,焼き捨てることをパウロが行なわねばならなかったのではありません。パウロの教えを聞いて信者となった人々がみずからそうしたのです。聖書にはこうしるされています。「魔術を行なっていたかなり多くの者は自分たちの本を集め,すべての人の前でそれを焼いた…こうしてエホバのことばは力強く増しひろまって行った」。(新)戦いで使うおのや,こん棒を携えて,見事な彫刻の偶像や神殿の銀製の模型を打ち砕き,エペソ人の偽りの崇拝を撲滅することをパウロがしなければならなかったのではありません。パウロの教えを受け入れて信者となった人々が,それらの事物を捨て,自分たちの生活の中から拭い去ることによって,比喩的な意味でそのことをみずから行なったのです。この事態が大いに広まったので,偶像を作る業者は重大ないたでをこうむったことでしょう!

      15 かなり多くの人々がパウロのことばを聞いて,行動を起こしたことが,どうしてわかりますか。

      15 それで,エペソの銀細工人デメテリオが激しい騒動を引き起こし,集まった同業の細工人たちに次のように語ったのも不思議なことではありません。「かのパウロは手にて造れる物は神にあらずと云ひて,たゞにエペソのみならず,ほとんど全アジヤにわたり,多くの人々を説き勧めて惑したり」。パウロは収穫の多いこの区域にとどまり,事情の許すまで,来る週も来る週も人々に教え,相当数の信者を得ました。銀細工人デメテリオによって引き起こされた全市に及ぶ騒動に直面して,初めてパウロは,町を去ることをよしとし,偽りの宗教に対する攻撃を続けるため,新しい区域へ移ることにしました。―使行 19:8–20:1。

      偽りの宗教のない世界の迫った今日

      16 エホバは,真の宗教がこの「終わりの時」に実践されることを,どのように示されましたか。

      16 こうして西暦1世紀の偽りの宗教に対する攻撃に際して,霊の武器を使用することは功を奏しました。それで,たとえ近代社会である20世紀の現代でも功を奏するに違いありません。事実,昔と同様,成功を収めており,また,より多くの成果すらもたらされています。そのような結果を得ているのは,共産主義者でもキリスト教国でもなく,今日の真の宗教を行なっている人々にほかなりません。ここで,「今日の真の宗教」と言い得るのは,今日の世界のあらゆる宗教上の混乱にもかかわらず,神は西暦1世紀当時,真の宗教を存続させ,かつその働きを保たせたと同様,今日,地上に真の宗教をお持ちになることができるからです。神は,この「事物の体制の終局」,つまり「終わりの時」の現在,真の宗教をお用いになられることを約束され,そして,その約束あるいは預言を成就してこられました。このことと一致してイエス・キリストは,ご自分が再び来られる時,そして目に見えないご自分の臨在の期間中,「忠実なさとい奴隷」を用いるであろうと預言されました。そして,彼はご自分のすべての所有物をその奴隷にゆだねられるのです。現代のあらゆる証拠によれば,彼はこの「忠実なさとい奴隷」,つまり一個人ではなく,多くの人で構成される「奴隷」を見いだされたことがわかります。それは,彼の忠実な追随者の今日の残れる者です。―マタイ 24:3,45-47,新。

      17 世界が諸問題をかゝえているにもかゝわらず,何が行なわれるとイエスは言われましたか。また,だれによって行なわれますか。

      17 イエスは,「事物の体制の終局」に関する預言の中で,世界大戦,飢饉,疫病,地震,宗教的迫害にもかかわらず,「御国のこの福音は,もろもろの国人に証をなさんため全世界に宣伝へられん,しかしてのち,終は至るべし」と言われました。(マタイ 24:14)ですから,その「忠実なさとい奴隷」級は,この預言的な命令の遂行を図る,「奴隷」の絶対的な責務を負う人々に違いありません。

      18 全地にわたるこの国際的な証言を行なってきたのはだれですか。その公式な機関誌は,確かに彼らがそうしていることを,どのように裏づけていますか。

      18 今日までのおよそ半世紀間,あるいは1919年以来,その預言は実際に成就を見,全世界にわたる国際的な証言が行なわれてきました。では,ここで決定的な質問を提起せねばなりません。それはだれによって行なわれてきましたか。現代の歴史の事実は唯一の答えを提出します。それはエホバのクリスチャン証人によってです。公式な「エホバの証人の1968年度年鑑」によれば,彼らは197の土地や区域で活発に働き,エホバ神の御国を人類の唯一の希望としてそれらすべての場所で宣明しています。この事実と一致して,その公式の雑誌の表紙には,「ものみの塔,エホバの御国を知らせる」と書かれており,この雑誌は現在,72か国語で,毎号550万部発行されています。

      19 真の会衆の残れる者が,今日,真の宗教を持っていると,どうして言えますか。

      19 1世紀当時の「活ける神の」クリスチャン会衆は,真理および汚れのない純粋な宗教あるいは崇拝の様式を有していたことを知っていました。では,その同じ会衆の残れる者が,今日,真の宗教を有していると唱えるのは奇妙なことでしょうか,あるいは僭越なことでしょうか。献身してバプテスマを受けた,イエス・キリストの追随者のこの残れる者は,黙示録 18章4節にある神のご命令に従って,キリスト教国をも含む偽りの宗教の世界帝国つまり大いなるバビロンから離れ去りました。彼らは大いなるバビロンを離れ去ってのちに,無神論者,自由思想家,進化論者,共産主義者などの反宗教組織に加わりませんでした。そうではなく,バビロン的な偽りの宗教の世界帝国を離れ去って,神が「わたしの民」と呼ばれる,エホバ神の民として,真の宗教に導かれたのです。そして,神を認めない,世の反宗教的団体にならわず,またそのような団体と提携せず,むしろイエス・キリストの使徒たちのとった道に従い,唯一の有効な武器である「御霊の剣すなはち神のことば」を用いて,あらゆる偽りの宗教に対する攻撃を行なっています。

      20 (イ)エホバの証人は自分たちが「真理の柱,真理の基」であることを,どのように示していますか。(ロ)彼らが聖書を伝道し,教えた結果,どんな事が成し遂げられていますか。

      20 彼らは,「真理の柱,真理の基」のように,使徒たちおよび霊感を与えられたその仲間のクリスチャンの教えに堅く従います。その教えは,霊感の下にしるされたヘブル語聖書39巻に加えてクリスチャン・ギリシア語聖書27巻の中に書かれています。そして,第1世紀の使徒時代のクリスチャンが行なったと同様,創世記から黙示録までの聖書全巻を研究し,擁護し,かつそれに従っています。また,使徒たちが行なったとおり,家から家に訪問し,今日では聖書および,167の国語に印刷された,聖書を説明する,ものみの塔協会の文書を家庭に配布します。(使行 5:41,42; 20:20)イエスが天の父にささげた祈りの中で,「汝の御言は真理なり」と述べられたとき,このことばには,霊感を受けて当時までに書かれていた聖書も含まれていました。(ヨハネ 17:17。詩 119:160)聖書全巻は真の宗教の完全な本です。戸別訪問を行なうエホバの証人がこの本を伝え,かつ教えることによって,真の宗教は大いに広められ,同時に偽りの宗教は後退をしいられています。神は確かにこのわざを支持しておられます。

      21,22 (イ)比較的に数の少ない今日の真の崇拝者は,何の前ぶれにすぎませんか。(ロ)偽りの宗教の大敵であられるエホバは,何を行なうことを定めておられますか。

      21 エホバを神として,献身しバプテスマを受けた約100万人の崇拝者が,あらゆる偽りの宗教に対する現代のこの攻撃に,残れる者とともに加わっています。彼らが一致協力して働いていることから,残れる者つまりキリストの「忠実なさとい奴隷」の遂行している絶えまないこの攻撃がいかに功を奏しているかがわかります。しかし,大いなるバビロンの偽りの宗教の帰依者20億人に対して100万人の真の崇拝者とは,いったいどういうことですか。それは確かに真実です。しかし,偽りの宗教に対する攻撃に際して,神は地上で決して多くの人々をお用いになりませんでした。今日でもその数は比較的に少数です。偽りの宗教の膨大な組織は,少数の攻撃隊を嘲笑し,自分たちの安全を求めて再び合同を図ります。しかし,エホバのクリスチャン証人のこの少数者は,偽りの宗教を地上から実際に永遠に滅ぼす,来たるべき攻撃の単なる前ぶれとして働いているにすぎないことを,彼らは忘れてはなりません。これこそ,偽りの宗教の全能の大敵であられる神ご自身が,大いなるバビロンとその政治的情夫に加えられる攻撃です。イザヤ書 28章21,22節の預言の中で神はこう語っておられます。

      22 「エホバむかしペラヂムの山にて起たまひしがごとくにたち ギベオンの谷にていきどほりをはなちたまひしが如くにいきどほり しかしてその所為をおこなひ給はん 奇しき所為なり そのわざを成たまはん異なるみわざなり このゆえになんぢら侮るなかれ…さだまれるほろびあるよしを…聞たればなり」。

      23 偽りの宗教とその政治上の仲間および悪魔サタンに対して,エホバはまもなく何をもたらされますか。このことはどこに預言されていますか。

      23 全能者エホバ神が,天にいるご自分の軍勢と地上の軍勢(十の角と獣)を用いて,バビロン的な偽りの宗教の世界帝国にすみやか

日本語出版物(1954-2026)
ログアウト
ログイン
  • 日本語
  • シェアする
  • 設定
  • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
  • 利用規約
  • プライバシーに関する方針
  • プライバシー設定
  • JW.ORG
  • ログイン
シェアする