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営利事業に手を出す教会目ざめよ! 1970 | 5月22日
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鉛管工事用具・ペンキ・プラスチック・化学薬品・スパゲッティ・ボタン・セルローズ・綿花・羊毛・既製服・観光・デパート・ホテルなどの関係の事業を行なっています。実業界でバチカンが投資をしていない分野はひとつもないといっても良いくらいです。
ラテラノ条約
ロベロ氏によると,1935年,イタリア軍がエチオピアに侵入したとき,バチカンの所有するある弾薬工場は,「イタリア軍に武器を供給し」ました。バチカンはそれより数年前,すなわち1929年に,時の支配者であったファシストの独裁者ムッソリーニと協定を結んでいます。この協定は歴史上ラテラノ条約として知られているものです。
この条約によってバチカンは,イタリア王国が19世紀に取りあげた法王領に対して支払いを受けることになりました。その地域はイタリア領土内の約4万1,400平方キロメートルに及びました。ムッソリーニはその代償としてバチカンに9,000万ドル(324億円)渡しました。また,イタリア全土の教区の司祭たちに給料を支払うことにも同意しました。ロベロ氏の報告によると,イタリア政府は今日に至るまで,バチカン自身に支払い能力が十分あるにもかかわらず,3万を越える司祭に給料を払っています。
またラテラノ条約はバチカンの税金を免除し,ムッソリーニはそれをバチカンの経営する事業会社から上がる収入にまで適用しました。近年になってイタリア政府は,バチカンがそのばく大な投資から得る配当に課税する努力を重ねてきましたが,あまり成功しませんでした。しかし1968年にバチカンはイタリア政府の要求に屈し,株の配当に対しては税金を払うことにしたと言われています。
バチカンを大株主とする多数の会社の一部を列挙してから,ロベロ氏はこう述べています。「以上詳述してきた事柄は,バチカンとその要人たちが,実業界で,彼らの会社を不動なものにしていることをあらわにするもので,当惑させられるほどである」。
ぼう大な額の株を有しているため,バチカンや他の宗教団体は実業界と密接不可分な関係にあります。「彼らは世のものならず」とイエス・キリストが言われた,真のクリスチャンとはなんという相違でしょう。―ヨハネ 17:16。
イエス・キリストの模範に従って真実に神に奉仕している宗教団体は,人を自由にする神のことばの真理を伝道し教えることに集中的な努力を払い,営利事業に手を出すようなことはしません。そういう団体は,聖書の戒めに従い,「生活のために」まとわれることがないのです。―テモテ後 2:4。
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勝利を収めた「真理」目ざめよ! 1970 | 5月22日
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勝利を収めた「真理」
◆ ドミニカ共和国の島の周囲に散在する小さな村々では,教区司祭たちが長い間住民を牛耳ってきました。しかし,バチカン第二公会議以来さまざまな変化が起こり,ある司祭は自分の教会からすべての像を取り除くように命じました。それを取りはずしにきた作業員は平然として偶像に縄をかけて引き倒すと,像は床の上にこなごなに砕けてもうもうとほこりが立ちこめました。このことは教区民のある者にとってショックでしたが,ひとりの村人は,「エホバの証人が勝利を収めたようです」と述べました。子供のときからずっと教会に通い,根っからのカトリック教徒であった76歳になる老婦人は,自分に聖書を教えている特別宣教奉仕者にこう述べました。「あなたが最初わたしの家に来たとき,あなたの話を聞くのが心配でした。わたしをカトリック教会から引き離そうとしていると思ったからです。しかし聖書の教えている事柄を示されたとき,わたしは,教会が長年行なってきたことを真剣に考えざるを得ませんでした」。「とこしえの命に導く真理」と題する本の第16章「一般的な風習で神の不興を招くもの」を学んだとき,この老婦人は「ちょっと待ってください」と言って,別のへやにはいって行き,十字架と装身用鎖を手にしてもどってきました。そして,「これをまた首にかけることなどけっしてできません」と言うなり,それをこなごなに砕いて,ごみ箱に入れてしまいました。5月にこの村で開かれた巡回大会で,この婦人とむすこはバプテスマを受けました。また彼女のおいも今聖書を研究しており,戸別伝道にも参加しています。たしかに神のことばは生きていて,力があります。
― エホバの証人の1970年度年鑑より
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