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海の王者目ざめよ! 1980 | 1月22日
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します。万一,この捕鯨団が手順を間違えた場合には,別のシャチの一群が陸上の捕鯨基地近くから勢いよく水しぶきを上げて飛び込むことになっています。
クジラは生き残るか
クジラの将来はどうなるのでしょうか。死に絶えてしまうのでしょうか。
クジラが絶滅することがないように,幾つかの手が打たれてきました。国際捕鯨委員会(IWC)は,17の捕鯨国の代表者から成る有志団体です。1946年以来同委員会は,さまざまな種類のクジラの捕獲に関する禁止令や割り当て制限を定めていますが,その有効性や真実の誠意に対して,各種保護団体から非難が浴びせられるようになりました。IWCは,捕鯨の10年間無差別禁止という,国連,米国,保護論者の勧告を採択しませんでした。そのため,同委員会の忠節心は,クジラの保護にではなく,捕鯨業に向けられている,と批判する声も聞かれます。
クジラの数を減少させまいとする努力が効を奏するかどうかはまだわかりません。しかし,クジラなどの動物を捕獲し食料にする権利が神から与えられているとはいえ,人間には絶滅の域に達するほどに生き物の命を奪う権利はないということも忘れてはなりません。―創世 9:1-3。
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古代のエネルギー危機は解決された目ざめよ! 1980 | 1月22日
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古代のエネルギー危機は解決された
研究者たちの調査により,約2,500年前の古代ギリシャ人やローマ人たちが,自国のエネルギー危機を経験していたことが明らかになりました。彼らの最も貴重な燃料であった木材が,調理や加熱のためだけでなく,家や船の建築資材としても用いられたため,はなはだしく不足するようになったのです。しかし古代人はそのエネルギー問題を,太陽熱という現代的な方法で解決しました。太陽エネルギーの専門家二人と,カリフォルニア大学の古典文学の一教授から成るチームが発見したのは,太陽熱を最大限に吸収するように設計された建物が,個人の家,都市の建造物を問わず,広く見られるということでした。例えば小プリニウスは,ローマ北部にある自分の別荘が,冬期になると,巧みに配置した窓によって,いかに『太陽熱を集めかつ強力なものにしている』かを誇らしげに説明しています。ニューヨーク・タイムズ紙上の報告によると,この研究者たちは,「ギリシャ北部の古代オリンサスの町のすべての家が,現代の“受動”的ソーラー・ハウスで用いられている原理,つまり太陽光線の収束器こそないが,冬期には太陽からできる限り多量の熱を集め,夏期にはそれを最小限に押さえるように設計し,断熱材を取り付け,そうした目的にかなう位置に配するという原理に従って建てられていた」ことを突き止めました。調査に当たった一人の人は次のように述べています。「オリンサスは,古代において,都市という大きな規模で太陽熱を利用する計画が可能であったことを証拠立てるものであり,同時に太陽熱の利用計画を現代の都市の状況に適用すれば,同じように成功を見ることを示唆するものである」。
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