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サタンの攻撃に直面したら,あなたはどうしますかものみの塔 1976 | 11月1日
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は神の律法に対する疑問の余地のない忠誠を実証しなければなりません。
用意が肝要
11 わたしたちは,サタンの攻撃に備えるために何をすることができますか。
11 サタンの攻撃に対して自らを備える際の基礎となるのは,わたしたちの防御が肉によるものではなくて主に霊によるものであるという認識です。そのことはエフェソス 6章11-13節で明らかにされています。「悪魔の策略にしっかり立ち向かえるように,完全にそろった,神からのよろいを着けなさい。わたしたちのする格闘は,血肉に対するものではなく,もろもろの政府と権威,またこのやみの世の支配者たちと,天の場所にある邪悪な霊の勢力に対するものだからです。このゆえに,完全にそろった,神からのよろいを取りなさい。あなたがたが,邪悪な日にあって抵抗できるように,また,すべての事を徹底的に行なったのち,しっかりと立てるようにです」。したがって,自らを守ることにおいては,若者であろうと老人であろうと,筋骨たくましい人であろうと虚弱な人であろうと,健康な人であろうと病気の人であろうと,変わるところがありません。ダビデがゴリアテに対抗したように,わたしたちは敵に立ち向かうことができます。敵の外観がどこから見てもたち勝っているように思えても,わたしたちは勝利者になることができます。そうなるのは,わたしたち自身が老練であるからではなく,むしろ霊的に用意の調った状態を保っているからです。確かにこれはわたしたちの唯一の防衛手段です。
12 確固とした立場を保つには,どんな問題を理解していなければなりませんか。
12 他の人たちが,神への忠誠を激しく試みられる中で忠実を保っていることを読んだり聞いたりするのはともかく,問題が直接自分に降りかかり,自分自身の命と忠誠がどうなるか分からないような状態になるとき,わたしたちは各自どうするでしょうか。そのような反対に個人的に対抗してしっかり立つには,エホバが攻撃を許す理由を自分でよく知っていることが非常に大切です。わたしたちは,自分が忠誠をテストされていること,そして神への愛ゆえに奉仕しているのでない者は除かれるということを,覚えていなければなりません。さらに,わたしたちが忠誠を保つなら,悪魔がうそつきであることの証明となり,エホバの主権の正当性を支持することになります。もしこの苦しみの理由を見失うなら,わたしたちは自分をあわれむ気持ちにたやすく負けてしまうでしょう。それは妥協につながり,わたしたちの防御線に破れ口ができたことになります。神の主権が関係している宇宙的論争の中で神の民が個人的に演ずる役割を,時折思い返してみることは,彼らすべてに大きな益となります。―ルカ 22:31。
13 どんな歴史の研究は,わたしたちの助けになりますか。
13 成功する防御法の一つは,起こるかもしれない試練の一つ一つにどう対処するかを,前もって決めておくことです。コリント第二 2章11節がサタンの努力について述べているように,「わたしたちはその謀りごとを知らないわけではないのです」。聖書には彼の戦術の歴史が余すところなく記されています。ですから,この点についてだれも無知でいる必要はありません。優秀な軍人は,過去の歴史的戦争を研究し,学んだ事柄を応用して益を得ます。敵のさまざまな戦略に対してどう反撃するかを前もって心のうちに決めておきます。種々の作戦行動を完璧なものにするために,模擬遭遇戦を行なうことさえするでしょう。ところで,わたしたちは各自「キリスト・イエスのりっぱな兵士」として,聖書や,最近では「エホバの証人の年鑑」に記されている,神の民に対するサタンの攻撃の記録から益を得ることはできないでしょうか。サタンの用いる種々の術策を個人研究の主題とし,それぞれの場合にどのようにして自分の立場を固く守るか考えてみるのはどうでしょうか。そうすれば,油断している弱いときに捕えられることはないでしょう。すでに決定はしてあるので,突然,どたん場になってそれをしなければならないようなことは起こらないでしょう。自分に正しいと分かっている行動をとることに心掛け,あくまでもその努力を続けるでしょう。―テモテ第二 2:3。
14 サタンの攻撃に抵抗することが可能であることを何が証明していますか。
14 ペテロ第一 5章9節の言葉を記憶していることも,忠誠を保つ上で助けになります。「堅い信仰をもって[サタン]に立ち向かいなさい。苦しみを忍ぶ点での同じことが,世にいるあなたがたの仲間の兄弟全体の中で成し遂げられているのを,あなたがたは知っているからです」。ある人々は未信者の配偶者や,家族に関係した深刻な問題を抱えています。巧みな誘惑,失業,残虐な迫害などに耐えながらなお忠実を保った人たちもいます。わたしたちすべてに共通の弱点を持つ『普通の』人々が『立ち向かって』勝利者となったのです。彼らがそうしたのであれば,あなたもサタンの攻撃を受け止めることができます。「悪魔に立ち向かいなさい。そうすれば,彼はあなたから逃げ去ります」という言葉を忘れないようにしましょう。―ヤコブ 4:7。
15 援助はどこで得られますか。わたしたちは自分をどのように強めるべきですか。
15 人々が防御を強化するよう助けるための援助は,世界中に存在するエホバの証人の会衆を通して得られます。エホバは,ご自分の民を霊的に築き上げるための種々の備えを,彼ら全員が可能な限り利用することを期待しておられます。攻撃を受ける日に備えて自らを強くするためには,ちょうど食料品を買いに行ったり,医者に行ったり,また生活の中の他の重要な問題を処理するのと同じように,会衆の取り決めに従って必要な霊的食物を得,交わりや活動を行なわねばなりません。
16 サタンとの戦いで,祈りはどのように助けになりますか。
16 サタンは,わたしたちが一番予期していない時に攻撃するのを好みますから,わたしたちの慈愛深い父は,どんな時にでも即座に用い得る防御手段を与えてくださっています。それは祈りと呼ばれています。長年サタンの攻撃の下で耐えてきた人たちは必ず,祈りこそ力の第一の源である,と言います。サタンとのこの戦いにおいて自らを守るためにわたしたちが所有している種々の手段については,エフェソス 6章に概説されている通りですが,それを説明するに当たって,次の点,つまり「すべての機会に霊によって祈りなさい」ということが強調されているのにお気付きでしょう。自分の内部では弱さを感じるかもしれませんが,祈りはあなたを塔のように強くなし得るのです。―エフェソス 6:18。フィリピ 4:13。
17 たゆみなく祈ることの主な益は心理的なものですか。それとも何ですか。
17 しかし,祈りはどのように助けになるのでしょうか。祈りの主な益は,それがわたしたちに及ぼすかもしれないある程度の心理的影響に過ぎないのでしょうか。そうではありません。ヤコブ 5章16節によると,「義にかなった人の祈願は,それが働くとき,大きな力があります」。ですから祈りは実際にある事柄を成し遂げます。なるほど世界の出来事の一般的なパターンを変えることはないかもしれませんが,細かい事柄がどう解決するかには相違をきたします。例えば,パウロは獄中で問題をどう見たでしょうか。『さて,兄弟たち,わたしは牢獄につながれています。これはわたしに対する神のご意志に違いないので,このことについては,わたしたちにできることは何もありません』と言ったと思いますか。決してそうは言いませんでした。むしろパウロは,自分のために祈るように兄弟たちを励ましました。なぜでしょうか。次の言葉に注目してください。「しかしわたしは,あなたがたがそうしてくれるようにとなおいっそう勧めます。わたしがそれだけ早くあなたがたのところに戻るためです」。彼らのたゆまぬ祈りは,パウロの釈放される時について,確かに相違をもたらしました。―ヘブライ 13:19。フィレモン 22と比較してください。
18 神はどんな様々な方法で祈りに答えられますか。
18 しかし,たゆまず祈るにもかかわらずサタンの攻撃が続いたらどうでしょうか。それは神があなたに背を向けたということですか。そうではありません。たとえ法廷で勝利を得させなくても,また政府が発した禁令を解かせるとか,障害や誘惑を取り除くことなどをされなくても,神はあなたの祈りに答えておられますから安心してください。神には解放をもたらす別の方法があるのかもしれません。あるいは反対が続くのを許しておくことは,神がその正しい目的を達成するのに役立つのかもしれません。この点に関し,わたしたちは次のことを思い出します。それはパウロがローマでの自分の投獄について言ったことです。彼は自由にされることを望んだに違いありません。それでも,自分が獄にとどめられることをエホバが許されるかもしれない理由を理解していました。彼は次のように述べました。「さて,兄弟たち,あなたがたに知って欲しいのですが,わたしに関することがかえって良いたよりの前進に役だつ結果となり,わたしのなわめがキリストのことに関連して親衛隊の全員とほかのすべての人たちの間で公に知られるようになりました。そして,主にある兄弟たちの多くは,わたしが獄につながれたことのために確信を持ち,神のことばを恐れなく語る勇気をいよいよ示しているのです」― フィリピ 1:12-14。コリント第二 12:7-10と比較してください。
19 あなたがしっかりした立場を保つなら,それによって他の人々はどのように助けられますか。
19 神は,ナチス・ドイツ,韓国,マラウィなどで,エホバの証人の一部に対する長期にわたる残虐な迫害を許してこられました。しかし,彼らの忠実さはわたしたちを鼓舞しなかったでしょうか。彼らはだれもが読める公の記録を提供し,エホバの証人が組織として神への忠誠を曲げないことを示さなかったでしょうか。それで,あなたが家族の中で試練に直面するとき,健康を害したり,世の反対に遭ったりしたとき,あなたの忠実の模範が,あなたのクリスチャンの兄弟たちを築き上げるのにすばらしい影響を及ぼすことを忘れないでください。こういう方法で神に用いられるとは,なんと大きな特権でしょう。祈りは,迫害に耐え,以前の「友」を失うことに耐える力をあなたに与えます。祈りは,物質主義の圧力や不道徳な誘惑に抵抗する助けになります。サタンの攻撃に直面して強力な霊的防御を持つわたしたちは,本当にしあわせです。
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神のみことばは人を変化させるものみの塔 1976 | 11月1日
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神のみことばは人を変化させる
神からの音信が書かれている一冊の文書がどんな働きをし,どこへ行くかということも予知できません。協会のポケット版の書籍はすばらしい結果をもたらしました。ボリビアのある大学生は,数年来,聖書の内容について多くの疑問を持っていました。ある日,彼は「聖書はほんとうに神のことばですか」と題する本を偶然手に入れました。それは彼の家族が求めたものでした。青年はその内容にすっかり心を奪われ,それを一気に読んでしまいました。王国伝道者が再び訪問した時,その大学生と家庭聖書研究が始まりました。青年は集会に出席し始め,新たに見いだした神の知識を女友だちと分かち合いました。彼は良いたよりの伝道者の資格を得る前に,その女友だちとの道徳上の関係を改めねばなりませんでした。しかし,彼はその若い女性と結婚し,最近の巡回大会でふたりとも,エホバへの献身を表象してバプテスマを受けました。神のみことばには確かに変化させる力があります。―「エホバの証人の1976年の年鑑」より
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