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悪魔はほんとうに存在するかものみの塔 1968 | 8月15日
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を偽わって伝え,最初の二人の人間を自分に仕えさせることに成功しました。彼はこうして中傷する者すなわち「悪魔」になったのです。彼はまた聖書の中で「サタン」「竜」「年を経たへび」とも呼ばれています。時がたつうちに他の霊者もサタンに加わって神に反逆し,悪霊となりました。―創世 3:1-6。黙示 12:9。マルコ 3:22。
「しかし神はなぜ悪魔と,悪魔に惑わされて神の律法を破った二人の人間を直ちに滅ぼさなかったのですか」と尋ねる人がいるかもしれません。エホバ神はあえてそのことをされませんでした。反逆によって論争が生じたのです。その中には次の問題も含まれています。悪魔はすべての被造物を神からひき離すことに成功しますか。アダムとエバは子孫を生み出すことを許されました。それは彼らの子孫の中の忠実な者たちが忠節な行ないによって創造者の正しいことを立証し,悪魔の偽り者であることを証明するためです。それで神はこの論争を解決するに必要な時間的な猶予を与えました。―ヨブ記 1,2章。
その間にサタン悪魔は人類の上に見えない力を及ぼしてきました。ほとんどすべての人が地に平和を望んでいるのに,人間が互いに戦い,何百万人の殺りくを行なっているのは,悪魔のせいです。世界のほとんどすべての人が互いに善意をいだいているのに,永続する平和を実現しようとする努力がことごとく無に帰しているのは,悪魔の及ぼしている悪い影響のためです。
悪魔は「この世の君」であると聖書に説明されています。また「この世の神」とも呼ばれています。(ヨハネ 12:31。コリント第二 4:4)聖書のこれらのことばの真実は全く明白です。人間の歴史は,人間の支配者の背後に,汚れた悪の力があって言語に絶した恐ろしい行為に彼らをかりたてていることを示しています。
しかし次のような疑問が心に浮かぶかもしれません。唯物論的な考えの人に言わせれば世代を経るごとに向上が見られるはずなのに,今日,人間関係が今までになく悪化しているのはなぜか。不法の増加がこれほどひろがり,多くの都市では夜間の外出が危険にさえなっているのはなぜか。聖書はそのわけも述べています。
悪魔の時は短い
聖書が明らかにしているところによれば,わたしたちは現存する事物の制度の終わりの時に臨んでいます。聖書の預言と,その成就となる出来事とに照らしてみる時,神の御子イエス・キリストは権を執り,敵の只中で治めはじめられたことがわかります。(詩 110:1,2)聖書に示されているように,サタンはキリストによって決定的な敗北をこうむりました。それはこの時代に起こったことです。聖書はそのことを次のように説明しています。
「この巨大な竜,すなわち,悪魔とか,サタンとか呼ばれ,全世界を惑わす年を経たへびは,地に投げ落された……それゆえに,天とその中に住む者たちよ,大いに喜べ。しかし,地と海よ,おまえたちはわざわいである。悪魔が,自分の時が短いのを知り,激しい怒りをもって,おまえたちのところに下ってきたからである」― 黙示 12:9,12。
第一次世界大戦以来,不法が著しく増加したわけもこれでわかります。サタン悪魔が天を追われ,今や人類を破壊の淵に沈めようとやっきになっています。確かにわたしたちは,聖書の述べている短い災いの時期に遭遇しているのです。ゆえに悪魔によって破壊に陥れられるのを防ぐため,全力をつくすことが肝要です。
まず肝要なのは,悪魔の実在を認め,悪魔と悪霊は目に見えない,しかし現実の敵であるという事実を知ることです。(エペソ 6:12)また人々を惑わす悪魔の手だてを知ることも重要です。悪魔は狡猾です。「サタンも光の天使に擬装する」と聖書に述べられています。(コリント第二 11:14)人々を欺くその手だては罪のないものに見えることがあります。すでに見たように,悪魔は宗教指導者をさえ用いて,悪魔が存在しないということを人々に信じ込ませています。
ゆえに宗教指導者から離れてください。彼らはますます聖書を神話と見るようになっています。知識を得て身の守りとしてください。調べて知ってください。聖書を真実のものとしている人々の助けを得て聖書を学んでください。エホバの証人は喜んでご援助します。そして聖書の次の警告に是非とも注意を払ってください。「身を慎み,目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が,ほえたけるししのように,食いつくすべきものを求めて歩き回っている」― ペテロ第一 5:8。
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『すべての国の民へ証言』ものみの塔 1968 | 8月15日
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『すべての国の民へ証言』
エホバの証人の1968年度年鑑より
台湾,中華民国
伝道者最高数: 1,056人
人口: 13,512,143人
比率: 12,796人に1人
汚れが暴露されて台湾における神の組織が清められて以来の過去6年間,さまざまの試練を喜びとした台湾の忠実な兄弟たちは,当時,組織から離れた人々が過去2年間に組織にもどったのを見て喜びました。全く離れていた3つのグループは,基本的な教義を正しく教えられてのち,いま63人がふたたび宣教に携わる資格を得たことを報告しています。(ヤコブ 1:2,3)わざに反対して排斥された人の中にも,復帰を許された人がいます。それに中国人の間で伝道している宣教者たちの熱心な働きによって大ぜいの新しい人が交わっており,この両方の型の産出的な宣教の結果,会衆を清く保つため,過ぐる年の間に排斥されたり,交わりをやめた58人の減少はほぼ相殺されました。
アミ族のひとりの巡回のしもべが語った次の経験は,アミ族の兄弟たちを教え,訓練する支部および巡回のしもべたちの努力の成果を物語っています。「孤立した群れを訪問した時のことです。新しいアミ語の文字を読むことを習った年配の兄弟は,基本的な教義について問われたのに答えられず,また質問に答えることもできないのに伝道して歩くことを嘲笑されたので非常に落胆したと語りました。アミ語の『良いたより』の冊子を読んだかどうかを尋ねると,読んだことは読んだが,内容を説明できないという返事でした。それでその冊子を用いて自分の家族と勉強することをすすめました。そのようにして聖書の教えを説明できるようになります。研究がとりきめられ,彼はこの冊子を用いて定期的に家族を教えました。その後の訪問の際,この兄弟はその日の経験に大喜びで野外奉仕からもどって来ました。彼は自分と同じ部族の神学生に会い,その人は三位一体のことで反対しました。しかし今度は,家族を教えて学んだ事柄を使い,これや他の教義上の問題で相手の述べた反対論を克服できたのです。彼はアミ語で出されたこの最初の聖書研究の手引きがあることに喜び,またそれを使って家族を教えるように励まされ,援助されたことを喜んでいます。それによって彼は「無言」の伝道者ではなく,真理を説明する方法を理解できたからです」。
ある人は14年間,正しい宗教を求めていましたが満足できませんでした。彼は説教を聞いては牧師に一つの質問をしました。「ロマ書 10章には,口で公に言い表わす者だけが救われるとあります。つまりあなただけが救われて,わたしたちは救われないことになります。わたしたちはどうなるのですか」。これに対して納得できる答えが得られたことはありませんでした。遂に彼は「ものみの塔」誌と「目ざめよ!」誌を偶然に手に入れ,それを配布している人々の組織が伝道者の組織であることを知りました。この人はいま定期的に集会に出席し,救われるために公に言い表わすことをみずから始めました。2冊の雑誌にはなんと力があり,またエホバはなんと大きな愛をもって羊のような人を見いだされるのでしょう。
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