校内暴力 ― 解決策はあるか
「英文毎日」紙の最近の報道によると,東京都には教師の不足している学校が280校ほどあります。ある種の財政計画のために教師の数が削減されたこともありますが,別の理由も見逃すわけにはゆきません。同紙の記事はこう述べています。「非行と校内暴力の増加のために,自信を失って教職を去る教師は少なくない」。江戸川区では,辞職した86人の教師のうち38%は20代でした。若い教師たちは非行の問題に対処するのに困難を感じています。しかし,そのように感じるのは若い教師だけではありません。千葉県のある高校の校長は最近それと同じ理由で自殺を遂げました。
教師も父兄も警察もこのような傾向を深く憂慮しています。しかし,どこに解決策を求めたらよいのか途方に暮れています。一体解決策はあるのでしょうか。
大抵の場合,親は聖書に目を向ける気持ちになかなかならないものですが,現在のこの問題について聖書が何らかの説明をしているかどうか調べてみるのは賢明なことと言えるでしょう。聖書はこうした問題が存在している理由,および非行に巻き込まれないよう親が子供を守る方法について述べているでしょうか。
まず初めに,わたしたちが人類史上非常に危機的な時期に生きていることを認めるのは重要です。聖書はこの時代を「終わりの日」と呼び,「対処しにくい危機の時代」が到来すると警告しています。聖書はこの時代に現われる様々な人について予告し,中でも,『人びとは自分を愛する者,うぬぼれる者,ごう慢な者,親に[教師や警察にも]不従順な者,容易に合意しない者,自制心のない者,粗暴な者,片意地な者となる』と,はっきり述べています。(テモテ第二 3:1-4)校内暴力の問題に関してこうした状態が見られますか。確かに見られます。
子供たちが良い振舞いを保てるよう助けるにはどうしたらよいかについて聖書は教えを与えているでしょうか。与えています。子供を持つ人々の多くはショックを受けるかもしれませんが,聖書は教師や警察にではなく,親自身に責任があることを示しています。
親はまず自ら神の目的を理解し,次いでそれを子供に教え込まなければなりません。聖書はこう述べています。「あなた[親たち]は,心をつくし,魂をつくし,活力をつくしてあなたの神エホバを愛さねばならない。そして,わたしが今日命じているこれらの言葉をあなたの心に置かねばならない。あなたはそれを自分の子[息子と娘]に教え込み,家で座るときも,道を歩くときも,寝るときも,起きるときもそれについて話さねばならない」― 申命記 6:5-7,新。
エホバの証人はエホバ神について自分の子供に教えることから得られる優れた結果を自ら経験しています。親の話に耳を傾けその振舞いを見ることによりこうした教えを受ける子供たちは,学校で模範的な生徒とみなされています。そうした子供たちは教師と協力しますし,周りの子供たちに加わって無秩序な振舞いをするようなことはありません。言うまでもなく,これは容易なことではありません。それとは反対の,反抗的な行動をさせようとする影響力が非常に強いからです。
教師たちはしばしばこうしたクリスチャンの子供たちの家庭を訪れ,子供たちが行儀よく振る舞うよう,また敬意を示すようしつけていることに対し,その親たちに称賛の言葉を述べています。これらの親たちは子供を教えることの価値を十分に認めています。聖書もそのことについてこう勧めています。「少年[または少女]をその行くべき道にしたがって育て上げよ。彼[または彼女]は年老いても,それから離れないであろう」― 箴言 22:6,新。
この雑誌をお宅にお届けした人は,あなたがお子さんを教えるための助けを聖書から喜んで差し伸べることでしょう。あるいはこの雑誌の発行者に手紙をお寄せくだされば,奉仕者が訪問し,ご援助いたします。発行者の住所はこの雑誌の裏表紙に書かれています。この教えは無償で与えられ,何らかの義務が生ずるということもありません。この非常に難しい時代に,あなたとお子さんのためになる事柄を必ずたくさん学べることでしょう。