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秘義の巻き物を開く者『その時,神の秘義は終了する』
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れたことに対し,天では圧倒的な是認が与えられます。それら幾億を数える超人間的なみ使いとケルブすべてが表明する是認の価値は,幾十億の混乱し,誤導された人類による否認,また無関心な,支持の欠如をことごとく相殺し,かつそれを凌駕します。わたしたちは,この問題の真の評価を正しく認めていますか。そうであれば,使徒ヨハネに加わり,神が誉れを与えた子羊に希望の眼を向けるでしょう。また,彼が神の右手から受け取った巻き物を開くため,七つの封印を一度に一つずつ破るとき何が起こるかを見守るでしょう。預言的な巻き物が漸次開かれるにつれ,興味をそそる驚くべき事柄がわたしたちの霊的視界に啓示されるはずです。そして,ついには巻き物全体が開かれ,「神の秘義」は終了するのです。
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秘義の巻き物の封印を破る『その時,神の秘義は終了する』
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第3章
秘義の巻き物の封印を破る
1,2 だれも開くことができないと考えて,ヨハネが泣かなければならないほどその巻き物が重要だったのはなぜですか。
19世紀前,エーゲ海の小島パトモスにいた一人の囚人は,全能のエホバ神の右手にある秘義の巻き物を開くことのできる者が,しばらくの間,天にも地にもだれひとりいそうもないのを見て泣きました。
2 巻き物は内側にも裏側にも何かが書き記されていましたが,それは巻き上げられており,神の公式の承認なしには破ることのできない,七つの封印がしてありました。巻き物の両側に書かれている内容は,将来起こる事柄,つまり,見えない天のみならず,わたしたちの住みかである地球にも関係のある事柄を告げていました。手で記されたその巻き物は,天と地にかかわる,神の不変の予知と目的とを表わしていたのです。その巻き物は,全能の神が将来に関して知っておられたこと,また,起こるよう決定しておられたこと,さらに,起こるのを許す事態についてご自分が何を意図されたかを明らかにしていました。ローマの罪人を収容する島にいた囚人,クリスチャン使徒ヨハネが,その七つの封印を破り,彼自身とわたしたちすべてに関する,巻き物の中に記されている奥義を啓示する被造物がだれもいないと考え,絶望のあまり泣いたのは無理からぬことでした。―啓示 5:4。
3 各の封印が開かれた後にヨハネが書き留めた事柄は,見えるようになった巻き物の各部分に関し,十分の理解を啓示することにはなりませんでした。なぜですか。
3 各封印が開かれ,巻き物のその部分が啓示されても,秘義は難解の度を深めるだけでした。それは象徴的な言語あるいは形象によって啓示されており,説明を要したのです。つまり,啓示された象徴的な事柄が,人類の実際の歴史の上で成就することが必要でした。そうしてのみ,それらは十分に理解され,わたしたちは,全能の神がどのように正確に物事を予知されたか,ご自分の愛ある目的をどのように忠実に遂行されたかを知ることができるのです。したがって,各の封印が破られた後に,ヨハネが自分の見たことを描写しようと書き留めたこと,それだけでは問題の解決にはなりませんでした。わたしたちの理解を可能にするためには,ヨハネの見聞きした象徴的な事柄に関し,正しい解釈が与えられねばならなかったのです。すなわち,神の見えない活動力である霊の助けを通して正しい解釈を得るため,宇宙の歴史の展開を待つことが必要だったのです。つまり,宇宙的な関心を引き,かつ宇宙的な重要性を帯びる出来事に満ちた驚くべき今世紀に,巻き物の封印がもう一度,補足的な意味で破られることが要求されました。
4,5 「ユダ族の者であるしし」は今日,わたしたちのためには補足的な意味で封印を破っています。どのようにですか。
4 わたしたちはこうして,今日,神からふさわしい者とされた子羊,すなわち「ユダ族の者であるしし」が封印を破り,預言的な巻き物の内容が明らかにされるのを見ていた時のクリスチャン使徒ヨハネと同じく,この秘義に強く魅せられます。使徒ヨハネは,個々の象徴および象徴的な出来事が明らかにされるのを期待しました。今日のわたしたちは,巻き物の封印があたかも初めて破られるかのように,それら象徴および象徴的な出来事に関する秘密の解明を期待し,また期待し続けるのです。ヨハネが見たのは幻においてであり,わたしたちは現実に,実際の人類の経験を通して見るのです。わたしたちは深い関心を抱いて,ヨハネの告げることに耳を傾けます。
5 「そして,子羊が七つの封印の一つを開いた時にわたしが見ると,四つの生き物の一つが雷のような声で,『来なさい!』と言うのが聞こえた」― 啓示 6:1。
第一の封印を開く
6 (イ)「来なさい!」との招待は何を意味していますか。なぜそれを無視する口実はありませんか。(ロ)どの生き物が招待を差し伸べましたか。その者がそのとき話すのはなぜ適切でしたか。
6 第一の封印が開かれて後,わたしたちが現代目にする出来事や明らかになる事柄は,重要です。それを無視する口実はありません。それを見るよう,わたしたちは耳が張り裂けるような雷鳴によって招待されているからです。「来なさい!」つまり,見に来るようにとの招待は,「四つの生き物」の一つによって表わされている者から差し伸べられています。その者は「雷のような声で」話し,ヨハネに来るようにと招待しました。それは疑いなく,使徒ヨハネが見た四つの生き物のケルブの最初の者,つまり『ししに似ている』者であり,その者は神の公正を表わしていました。(啓示 4:7)それは神のみ座の前面の前中央に位置しており,エルサレムにあったソロモン王の王座に幾分似ていました。ソロモン王の王座の扶手のわきには二つのししの像があり,『其六の階級には十二の獅子がこなたかなたに立っていました』。(列王上 10:18-20)ししに似たこの生き物は,神の公正の成就における何かに注意を向けるだけでなく,自分に似ただれか,すなわち,ついに義の行動に移る天の王としての,「ユダ族の者であるしし」を指し示そうとしていたのです。
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