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新しい歌を歌う時ものみの塔 1958 | 4月15日
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の時代の中に必ず起る証拠を弟子たちに告げました。善意を持つ人々は,この証拠によつて,彼が天的な御国に来て,敵の只中で支配し始めたことを知ります。彼らはこれらの証拠が聖書の啓示とこの古い世の出来事の両方に現われるのを見て,御国が天で誕生し,そして彼が御座について王位についたことを知るのです!
15 疑問を持つ人は誰でもマタイ伝 24章と25章,マルコ伝 13章,ルカ伝 21章,そして黙示録 6章を読んでみるなら,これらの証拠が1914年に現われ始め,この古い世が予告された「ハルマゲドンの戦い」での悲惨な滅びに向い始めたことを知るでしよう。(黙示 16:14,16)聖書に述べられている年代により,またこの世の歴史の絶対的な日時によつて,1877年の昔の時においてさえその時の計算はなされました。そして,「ものみの塔」誌の最初の編集者になつた聖書研究者により出版されたのです。祈りの中に計算されたこの重大な年は,第一次世界大戦の年,すなわち1914年でした。発表された年は,印刷されているものであり,論議の余地のないものです。
16 1914年には音信の変化はどのように必要なものとなりましたか。
16 忘れることのできないその年以前でも,油注がれたクリスチャンたちは来るべき神の御国の良いたよりを伝道しました。その年以来,神は新しい歌の主題を供給しました。1914年,天の御父でもあり,かつ神権的な政府の根源者は,御自分の女の裔を即位せしめて王位に即けることにより,その栄光に輝く御国を誕生せしめたのです。神の女の裔は,永遠の御国に関してダビデと結ばれた契約の相続者です。それは確かに新しいものでした。そのメシヤによる政府の誕生したことは,御使と人間に対して,全宇宙に対して,新しい支配制度を運営せしめることになりました。それによつて,ヱホバの宇宙制度の首都部分が存在するようになり,聖なる御使と善意を持つすべての人は,神のいましめに従つてそれに服しなければなりません。そのようなものは以前の宇宙内に一度たりといえども無かつたのです。全宇宙にとつてこれは良いたよりでした。それで,1914年になると,神の御国についての良い音信は古いものとなり,時勢より後れたものになりました。神の御霊によつて伝道するように油注がれたクリスチャンに対する音信は,今後はすでに来た神の御国の音信でなければなりません。それは誕生した神の御国,天に設立されている神の御国,そして天と地のすべての敵の只中で支配している神の御国の音信でなければなりません。ここにヱホバに捧げる新しい歌の心とろかすような主題があります。ヱホバは歌を歌うすべての快い事柄の全部を予めに告げ,またその通りに為されたからです。
17,18 イエスの油注がれた弟子たちがこの新しい歌を歌うとイエスはどのように予告しましたか。幾億人という人々は,それが誰によつて歌われていると認めねばなりませんか。
17 イエスは御自身の予言の中でも,彼の油注がれた弟子たちはこの新しい歌を歌わねばならず,そして歌うであろうと予言しました。イエスは,飢饉や,疫病や,地震や,宗教的な迫害を伴う第一次世界大戦がこの古い組織制度の終りの始まつたしるしになると述べてから,次のように言いました,『そしてこの御国の福音は,すべての民に対してあかしをするために,全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである。』(マタイ 24:14,新口)1914年以来,私たちは終りの時にいます。現在,新しく誕生した御国の良いたよりは,全地に伝道されて居り,共産主義のロシヤやその衛星国にも伝道されていますか。
18 公けの仕方にもせよ,または家から家の伝道にもせよ,御国のたよりを伝えられた全地の幾億という人はみな「然り!」と答えざるを得ません。それでは,事実に即して見るとき誰によつてですか。今日のヱホバの証者によるのです。彼らの中のなかには,油注がれて全く献身したクリスチャンたちの残れる者がいます。彼らは天的な御国の相続者ですが,今では彼らと共に幾十万人という善意者がいるのです。
19 その歌を最初に歌う者は誰であると予言されましたか。その歌を歌う大いなる数の中に誰が加わつていますか。
19 彼らのすべては神から与えられた『新しき歌をヱホバに向いて歌え』といういましめに従つています。黙示録 14章1-15節に予告されているごとく,天的な御国に属する14万4000人の相続者の残れる者が先ず『新しい歌』を学んで歌い始めました。しかし,因襲を破るこの『新しい歌』は,すでに幾十万人というよろこびに満ちる聴衆の間で人気のあるものになつています。そして,善意を持つこれらの人々は,全国民の中で歌われているこの歌に参加しているのです,『ヱホバは統べ治めたまう。』(詩 96:10)1914年以来,ヱホバは私たちの地を治めておられるのです。ヱホバは,即位して力を受けた王,イエス・キリストにより支配をしておられるのです。
20 御国が誕生して後に,他のどんな新しい事柄は天をかき乱しましたか。そして,新しい歌は何についても語つていますか。
20 それですから,神の女の支配している裔が悪魔なる蛇サタンの頭を砕く時は急速に近づいています。そして,天と地にいる悪魔の裔は,悪魔と共々に滅ぼされてしまうでしよう。天と地から悪を打ち砕くというこの最高潮の前に,そして第一次世界大戦が地上で行われている間,御国が天で誕生してすぐ後に,新しい事柄が天の平和をかき乱しました。この異常な事柄についての予言的な描写は『天では戦いが起つた』と告げています。それは,聖なる天使により支持され,新しく即位した王と,悪魔的な裔なる不敬虔な御使により支持されている大いなる龍,最初の蛇,サタン悪魔との間の戦いでした。終りには,王の王に従つていて勝利を得る御使たちは次のように歌い出ました,『今や,われらの神の救と力と国と神のキリストの権威とは現れた。われらの兄弟を訴える者は,投げ落された。……それゆえに,天とその中に住む者たちよ,大いに喜べ。しかし,地と海よ,おまえたちはわざわいである。悪魔が,自分の時が短いのを知り,激しい怒りをもつて,おまえたちのところに下つてきたからである。』(黙示 12:7-12,新口)大いなる蛇と,悪鬼の裔は極度に怒つています,というのは,勝利を得る神の女の裔がハルマゲドンの宇宙的な戦争で蛇の頭を砕く時が間近いと知つているからです。新しい歌はこの「天における戦争」とキリストの勝利のことを告げています。
21 歌を歌う者はみな新しい歌の主題の一部を形成する何を待ち望んでいますか。
21 サタンとその悪鬼なる霊者たちとで成り立つ古い天は,今や滅びに向つています。人類は,間近かい中に圧迫を加える,悪鬼的な力をもはや感じないでしよう。イエス・キリストの新しい天や,『第一の復活』によつて彼と共になつた忠実な弟子たちは,いまや支配しています。そして,善意を持つすべての人が歌を歌う油注がれた残れる者の側にあつて新しい歌の大合唱に集め入れられる時まで,敵を滅ぼすことを差しひかえています。これらの人々は,間近い中に古い世の廃虚の上に新しい世が全く設立されること熱心に待ち望んでいます。彼らは使徒ペテロの次の言葉を心に留めています,『天は鳴り轟く音と共に過ぎ去り,非常に熱した諸要素は溶けさる……ヱホバの日の臨在を待ち望んで心にしつかりと憶えていなければならない。しかし,神の約束により,私たちは正義の宿る新しい天と新しい地を待つている。』(ペテロ後 3:12,13,新世)正義の新しい天と新しい地によつて成り立つ来るべき世も,ヱホバに捧げる『新しい歌』の主題の一部を形成しています。
22 その新しい歌の中では,4000年以上のあいだ恐らく歌われなかつたどんな節は,1918年の始め頃から歌われましたか。
22 しかし,耳を傾けてごらんなさい! 普通の歌とは全く異なるこの歌の中で,あの特別に際立つ一節を耳に聞きますか。それは何ですか。すくなくとも,それより以前の4200年のあいだ昔の時代の人が歌わなかつたものです。それは,1914年に御国が誕生して以来,はじめて伝道され始め聞え始めたものです。それは,1918年の初め以来,ヱホバの油注がれた残れる者が善意を持つ人々に歌つてきたものです。数知れぬ幾百万という人々は,不信の中にそれを笑いました。しかし,それは心の痛める善意者を勇気づけ,彼らはその実現を楽しむという心を躍らす期待をするようになつたのです。それは次のような啓示された聖書的な事実です,すなわち数知れぬ大いなる群衆,いま生きている善意者は決して死なないという事実です。数えることのできないこの大いなる群衆は,現在生存している幾百万人を含むようになるかもしれません。ハルマゲドンの戦場でそれらの者たちが神の御国の側に最終的に整列して,彼ら自身を全く表明するとき,私たちはそのことをもつと明確に知るでしよう。
23,24 イエスのどんな言葉から見て,この時代の人々が,洪水に際してもノアの生き残つたことを記憶するのは大切ですか。
23 しかし,なぜ新しい歌は,善意を持つ人々の心の中に,決して死ぬことなくこの地上に生きつづけるという希望を起させるのですか。ノアと方舟にいたノアの家族が,以前の不敬虔な世の終りに生き残り,現在の世に人間家族を新しく出発させたという歴史的な事実を憶えていますか。1914年以来生存している現代の人々は,神のこの奇蹟を心に留めることが大切です。なぜですか。なぜなら,マタイ伝 24章33節-42節の中で,イエスはこの世の終りと御自身が御国に来られることについての予言の中で,次の言葉を述べられたからです。
24 『すべてこれらのことを見たならば,人の子が戸口まで近づいていると知りなさい。よく聞いておきなさい。これらの事が,ことごとく起るまでは,この時代は滅びることがない。天地は滅びるであろう。しかしわたしの言葉は滅びることがない。その日,その時は,だれも知らない,ただ父だけが知つておられる。人の子の現れるのも,ちようどノアの時のようであろう。すなわち,洪水の出る前,ノアが箱舟にはいる日まで,人々は食い,飲み,めとり,とつぎなどしていた。そして洪水が襲つてきて,いつさいのものをさらつて行くまで,彼らは気がつかなかつた。人の子の現れるのも,そのようであろう。……だから,目をさましていなさい。いつの日にあなたがたの主がこられるのか,あなたがたには,わからないからである。』
25 なぜ私たちの時代は,その成員が古い世の終りに生き残る時代ですか。油注がれた残れる者の希望は何ですか。
25 私たちが見守るときに,1914年以来この世の終りの時を示すとイエスの予言したすべての証跡を見ました。私たちの知るごとく,私たちの時代こそ予言された多くの事柄の実現を見た時代であります。それですから,私たちの時代にそのすべての事柄が実現して,イエスの言葉の成就が見られるに違いありません。このわけでこの時代はノアの時代の場合と同じく,この古い世の終りを見るでしよう。ノアと方舟に乗つていた家族と動物は,洪水前のその世の終りに生き残りました。その予言的な劇を成就するものとして,ノアとその家族のような或るヱホバの証者は,今日の古い世の滅びにも生き残るに違いありません。そのようなこの時代の生存者たちは,新しい天と新しい地で成り立つ神の世に入るでしよう。油注がれた残れる者は,14万4000人の御国相続者の他の者のなした如く,忠実の中に死んで『第一の復活』に与ることにより,その新しい天の一部になると希望しています。
26 他の生存者たちが死ぬことなしに生き得るのは,どうして可能ですか。
26 善意を持つ他の生存者たちは,新しい世の地的な社会を形成したいと希望しています。彼らは今後ともヱホバ神に祟拝を捧げ,そしてヱホバ神の御国に従順を保つ故に,私たちの主なるキリスト・イエスを通して与えられる永遠の生命という神の賜物を受けるにふさわしいと証明します。その結果,ハルマゲドンの宇宙的戦争の忠実な地的な生存者たちは,地上で死ぬことは決してなく,神の御国の支配下にある新しい地上の楽園で永久に住むでしよう。統治している王が呼び召すときに,記憶の墓にいる者が復活して戻つてくるのを歓迎する彼らのよろこびはなんと大きなものでしよう!―ヨハネ 5:28,29。
27 なぜ私たちは,その新しい歌に信仰を働かせるべきですか。その歌について私たちはどのようにヱホバを最もよろこばせますか。
27 ヱホバに捧げるこの新しい歌の中にあるすばらしいすべての事に不信を抱く理由がありますか。ありません。むしろ,彼の言葉と,その予言の成就にもとずいて,私たちは新しい歌に信仰を働かすべきであります。ヱホバ神については,次のように言われています,『御座にいますかたが言われた,「見よ,わたしはすべてのものを新たにする」。また言われた,「書きしるせ,これらの言葉は,信ずべきであり,まことである」。』(黙示 21:5,新口)彼の作曲した新しい歌を信ずるなら,彼をよろこばすことになり,彼は私たちを是認するでしよう。新しい歌のすばらしい事柄をみな学んで,それから私たちもその歌を歌つて,すべての者が聞くようになる,全くヱホバにも聞えるようにして私たちの信仰を証明するなら,彼をより一層よろこばせるでしよう。
28 歌を歌えという神の命令に従うとき,どんな結果が生じますか。
28 『ヱホバに向つて新しい歌を歌え』は,今日の私たちに対する神の命令です。私たちがその命令に従つて,愛の心から恐れなしに歌うなら私たちは幸福です。それは私たち自身の救いと善意を持つ人々の救いを意味するでしよう。彼らは私たちの歌を聞いて,私たちと共々に歌うようになり,ヱホバ神の誉と,その約束された裔,すなわち新しい世の王に誉を帰すのです。
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読者よりの質問ものみの塔 1958 | 4月15日
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読者よりの質問
● もしヱホバが最高至上者であるならば,なぜ彼は何世紀にもわたつて悪が続くのを許してこられたのですか。
この最高至上権こそこの問題の骨子になるものです。悪は,神の霊の子が神の至上権に対して反逆した時から始まりました。この反逆した霊者について聖書はこう述べています,『汝はその立られし日より終に汝の中に悪の見ゆるにいたるまではその行い全かりき。』(エゼキエル 28:15)神の宇宙的至上権に反逆することによつて,この霊者は自から悪魔になり,サタン悪魔また,『原の蛇』と呼ばれるようになりました。―黙示 12:9,新世。
サタンは,アダムとエバを誘惑して,神の宇宙至上権に反逆させました。ですからサタンは,ちようどアダムとエバを反逆させたように,誰でも堕落させることができ神の宇宙至上権にそむかせることができると自負していたのです。ヨブ記の第1章と2章には,サタンが神に向つて豪語したことが書かれています。サタンは実際に,神に挑戦したのです。つまり神は,どんなに誘惑されても神に忠実を保つ人間を一人も地上におくことはできないのだという挑戦です。ヱホバは悪魔がヨブをためすのを許されましたがヨブは忠実を保つて悪魔のいつわりを暴露しました。同様に神は最も重要な宇宙至上権の論争を試験にかけることができるように何世紀にもわたつて悪をそのままにされて来たのです。そしてこの宇宙
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