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空から流れ落ちる川目ざめよ! 1985 | 4月22日
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ありません。雨期の嵐の時,車軸を流すような雨が降り,深い裂け目や山峡や峡谷に集まってチュルン川に流れ込みますが,この川の大半は地下を流れています。
エンゼル滝は今も隠れて見えないか
この隠れた創造の驚異を見物できるでしょうか。それは可能です。二つの方法で見物できますが,どちらも楽ではありません。プエルト・オルダスから,カヌーで2週間の旅に出る方法があります。
あるいは,カラカスかプエルト・オルダスから飛行機に乗ってエンゼル滝のそばを通る方法もあります。小さな飛行機が,曲がりくねったチュルン川の峡谷の両側にそそり立つ山々の間を抜け,山々の尾根よりも低い所を飛びます。滝が幾つもあるのでまごつきますが,エンゼル滝が急ながけを落ちているのをついに目にすれば,疑問は全くなくなります。エンゼル滝はほんの一瞬見えるだけなので,条件が良ければ,パイロットは旅行者のために2回通過してくれます。
しかし,天候は全く予測できないので,エンゼル滝を見られるという,あるいはその写真を撮れるという保証はありません。雨や霧や厚い雲にすっかり覆われて滝が見えないこともよくあるのです。壮大な景色を眺めようと思って時間とお金を掛けた人は,がっかりさせられます。しかし,どんどん狭くなっていく,行き止まりの峡谷を飛行機で下って行くというスリルそれ自体にお金と労力を掛ける価値があると感じる人は少なくありません。
もっとも,最後に残された方法が一つあります。そのまま飛行機に乗って行くと,間もなく,ピンクの砂で覆われたカナイマに着きます。そこで,案内者を立てた小旅行の手配をして,エンゼル滝の滝つぼの近くまで行くことができるのです。この旅行は,カルラオ川とチュルン川をカヌーで進み,次いでジャングルの中を徒歩で登って見晴らしの良い所まで行くもので,片道だけで二,三日かかります。着いたら,雲が協力して雲間を見せ,晴れてゆくのを待たねばならないかもしれません。雲が晴れると,アウヤン・テプイの尾根の下方からきらめきながら落ちるエンゼル滝が壮観な姿を現わします。
『その断崖の頂の台地には何があるのだろう』と思う人もいるでしょう。台地の上を探険したことのある人たちはごく少数ですが,その人たちはそこでじめじめした寒さに耐えるという経験をしました。夜になると気温が摂氏零度にまで下がることがあるのです。表面は割れて,超高層ビルの大きさの奇妙な岩や亀裂で峡谷ができています。
霧の立ちこめる銀色の滝を最後にもう一度眺めながら,エンゼル滝が,悪魔の領地を連想させるどころか,ご自分の楽しみと人間の喜びのために壮大な滝を造られた創造者のみ手の業のすばらしい表われだということをしみじみと感じます。
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フィルターが教える恐るべきこと目ざめよ! 1985 | 4月22日
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フィルターが教える恐るべきこと
米国ニューヨーク市のレストランの経営者は,たばこを吸う人から離れた席に座りたいとお客から頼まれることが多くなっています。たばこを吸う人が吐く汚れた空気を吸い込むことを考えていやがる人や,葉巻や紙巻きたばこやパイプの放つ悪臭で,おいしく調えられた料理を大いに引き立てて食欲をそそる香りが台無しになってしまうと言う人もいます。レストランの支配人をしているリチャード・ラビンという人は,自分の店で作動している空気浄化装置のろ過器<フィルター>を見れば,喫煙家はその不健康な習慣を直ちにやめるに違いないと考えています。同氏は,「ろ過器<フィルター>が真っ黒になるので,週に2回酸性の液に浸さなければなりません」と断言しています。
たばこを吸う人の肺と気管は言うに及ばず,吸わない人のそれらも間違いなく,たばこのために汚されていることは想像に難くありません。
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