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喫煙を禁じるべきですか目ざめよ! 1981 | 6月8日
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気付いている人はごくわずかです。例えば,毎年たばこの火が原因で起こる火災のために幾千人もの人が命を失います。米国だけでもその数は年間2,000人に上ります。カナダでは,火災件数全体の40%以上が喫煙と直接関係しています。
その上,たばこの煙は空気を大変悪くします。ミシガン州のポンティアック・シルバードームの屋内で行なわれたフットボールの試合の際,その空気を検査したところ,微粒子の濃度は,屋外であれば大気汚染警報を出さねばならないほど高かったことが明らかになりました。その原因は8万の観衆の多くが吸っていたたばこにありました。
たばこの煙が充満した所の空気を吸うと,自分がたばこを吸った時と同じほどの影響を被ります。アメリカ医学ニューズ誌は,チャールズ・F・テート博士の言葉を引用してこう述べています。「たばこを吸っている人と同じ部屋にいると,部屋の中でたばこを吸っている人の数や部屋の大きさにもよるが,たばこを吸わない人は1日当たりたばこ一箱分に相当する煙を吸うことになるとの研究が今や公にされている」。また,火は付いていても吸われていないたばこから立ち上る煙を吸い込む方が実際には有害です。その中には人がたばこをふかしている時に吸い込む煙のほぼ2倍の量のタールやニコチンが含まれているからです。
心臓や肺の疾患を持つ,たばこを吸わない大人および子供たちがたばこの煙から害を被ることが認められるようになって,すでにかなりの時間が経過しました。最近,ニューイングランド医学ジャーナル誌に掲載された一調査は,たばこを吸わない健康な大人でも悪影響を被ることを明らかにしています。「今や初めてのこととして,体の変化を量的に測定する手段が存在するようになった」と,前述の雑誌の記事に付随する論説欄の中でクロード・ランファン博士とバーバラ・リューは書いています。
妊産婦がたばこを吸うと,胎児にとって特に危険です。たばこを吸うと子宮内の血管や動脈が収斂し,胎児の必要とする酸素や栄養分が奪われてしまいます。また,有毒な一酸化炭素が胎盤を通って,胎児にまで達します。ジョンズ・ホプキンズ保健・公衆衛生大学院のメリー・B・メーヤー博士は,「喫煙が流産や死産や早産の危険を増やすことはかなりはっきりしている」と述べています。
たばこを吸う人およびその煙をいやおうなく吸わされる人に及ぶ害を考えてみると,喫煙を禁じるもっともな理由のあることがお分かりになるのではありませんか。エホバの証人は喫煙が聖書の原則と相入れないことをずっと以前から示してきました。神の言葉は,「肉と霊のあらゆる汚れから自分を清め……ようではありませんか」と述べています。(コリント第二 7:1)明らかに,喫煙はたばこを吸っている人だけでなくその近くにいる人をも汚し,場合によっては吐き気を催させます。では,たばこを吸いながら,そのたばこの煙に汚されたくないと思う他の人にどうして愛を示すことなどできるでしょうか。―マタイ 22:39。
神の王国が愛の欠如した古い事物の体制を滅ぼす時,たばこを吸う人はもはや一人もいなくなるでしょう。確かに,喫煙がいつまでもなくならないということはありません。ですから,神の新秩序の祝福を享受するために生き残りたいと思いながら,たまたまたばこを今吸っておられるなら,この不潔な習慣を捨て去らなければなりません。そして,本当に捨て去りたいと思うなら,それは可能なのです。
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たばこはやめられる!目ざめよ! 1981 | 6月8日
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第4部
たばこはやめられる!
「こんなに簡単なことはない」。有名な作家マーク・トウェーンは,たばこをやめることを評してこう語りました。それから,「そんなことは先刻ご承知のはずだった。これまでに一千回もしているんだから」と付け加えました。
確かに,本当に挑戦となるのはやめることではなく,再び吸わないことです。幾百万もの喫煙家は禁煙します。それは1日,1週間,あるいは数か月続くかもしれません。しかし,再びたばこを吸ってしまうのです。一番つらい闘いは,ニコチンに対する身体的な依存を克服することより,もう一服したいという強い渇望に抵抗することです。
しかし,その気になれば,喫煙の習慣から抜け出せます。その証拠がありますか。エホバの証人の社会全体はたばこに毒されていません。しかし,彼らは一般社会に属していた時からいつもたばこを吸わなかったわけではないのです。
大人の3分の1以上がたばこを吸う国は少なくありません。これは,200万人を超えるエホバの証人の約3分の1はかつてたばこを吸っていたことを示しています。これら幾十万もの人々は,エホバの証人になった時,どのようにして喫煙の習慣から抜け出したのでしょうか。
知識と決定
チャールズ・F・テート博士は,アメリカ医学ニューズ誌の中で,「心の奥底で決定を下さねばならない。この決定さえできれば,闘いの最大の山を越えたことになる」と説明しています。言い換えれば,本気でやめたいと思わなければならないのです。こうした決意を促すのは何ですか。
知識です。でも,どんな知識でしょうか。多くの人にとってそれは喫煙が命取りになるという知識です。テート博士はこう語っています。「レントゲン写真の結果を見に患者が次々にやって来る。私は腫瘍のあることを示すレントゲン写真を患者に見せる。患者はそれがガンかどうか尋ねる。私はその心配が当たっていたことを伝えなければならない。すると,患者は二度とたばこを見たいと思わなくなる」。
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