-
ヘビにご用心!目ざめよ! 1981 | 5月22日
-
-
てはなりません。大抵のヘビには毒がないことを覚えておくとよいでしょう。たとえ毒ヘビにかまれても,希望が全くないわけではありません。
ヘビ毒には二つの基本的な成分があります。一つは出血毒と呼ばれ,血管の内壁を損ない,血球を破壊します。もう一つは神経毒で,神経中枢,とりわけ呼吸中枢を襲います。コブラなど,主に神経毒を持っているヘビにかまれても,5人のうち3人はこれといって中毒症状を示しません。残る二人も必ず死ぬわけではありません。これより危険な出血毒を主に持つヘビにかまれた場合でも,5人に一人はひどい中毒症状を起こさずにすみます。
ヘビにかまれたらどんな処置を取るべきでしょうか。まず,かまれた人を寝かせます。アルコール類を与えてはならず,できるだけ動かさないようにします。体の先端に近い部位をかまれたときは,かまれた手足の付け根をしっかり縛ります。これは,静脈を流れる血液が胴体の方へ戻るのを遅くするよう固く縛らなければなりませんが,深部の血管の流れを阻害するほど固く締めてはなりません。15分ごとに1分半,縛っている帯を緩めてください。
そしてすぐに,医者のところに連れて行かなければなりません。輪になった小さな傷跡のそばに大きな歯の跡がある場合は特にそうです。一般にこれは毒牙にかまれた跡だからです。できるなら,かんだヘビを殺して,医師のところへ持って行ってください。毒ヘビかどうかを見分ける上で役立ちます。
ヘビには有用な面もある
ごく一部に毒ヘビがいることによって,これらの爬虫類の良い面がしばしば見過ごされています。ヘビは多くの人にとって食糧源の一つです。皮は革製品の材料に,ヘビ毒は抗凝固剤や鎮痛薬の製造に用いられています。恐らく最も役立っているのはネズミ類の駆除でしょう。膨大な量の食糧がネズミの被害に遭っていますが,ヘビはこれらのネズミを主にえさにしています。
こうしている間も城壁を巡らした先の古代都市では発掘が続けられています。古代の建物の部屋やトンネルが幾つも発見されました。しかし,これら過去とのかけ橋を探る人々は,「ヘビだ,用心しろ!」という言葉を忘れないに違いありません。
-
-
人気の高まるひまし油目ざめよ! 1981 | 5月22日
-
-
人気の高まるひまし油
何世紀にもわたって,ひまし油は薬用に用いられてきました。しかし,患者の間であまり人気がありませんでした。
今日,薬用に用いられているのは全体の1%ほどにすぎません。ところで,肌ざわりは滑らかで,静電気の影響で体にまつわり付くことのない服を着たいと思われますか。ひまし油からそうした繊維が作られています。鼻つまみの種だったその油は,高級石けん,化粧水,クリームにも含まれています。凝固点の低いひまし油は寒冷地で用いる潤滑油に打ってつけです。摂氏270度にならないと燃え上がらないため,ジェット機の理想的な潤滑油ともなっています。ひまし油が自動車のさび止めその他の様々な用途に使われているのにお気付きかもしれません。しかし,どんな用途に使うにしても,これを飲むよりはずっと楽です。
-