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一致は真実を語ることから生まれるものみの塔 1963 | 8月15日
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あることを知っている」。(テモテ後 3:15,新口)エホバは,御言葉の中に真理を豊かに盛られています。真理は,つきない水と同じく,人間が生きて行くためにはぜひとも必要なものです。真理探求者はそれを汲むことができ,また汲みつづけることができます。そうするときにその人は,あらゆる国のあらゆる人種の善意者と仲良く一致して行く生活の仕方を学びます。地上のすべての住民が神の御国の支配下で一致する終りのない平和と一致の時代が来るまで,自分の身を処する方法を学びまます。―イザヤ 12:3,4。
どのように真理を話すか
7 舌が真理を話すのはどんな状態のときですか。
7 健康な舌ははね回る馬のように精力的です。そして疲れることを知らないかのように働きつづけます。イエスはルカ伝 6章45節でこう言われています。「善人は良い心の倉から良い物を取り出し,悪人は悪い倉から悪い物を取り出す。心からあふれ出ることを,口が語るものである」。いつも建設的な会語が流れ出る舌を持つには,心が真理で満たされていなければなりません。賢明な人はこのことを考え,その必要を認めます。それは箴言 15章28節が,「正しい者の心は答えるべきことを考える」と指摘しているとおりです。舌を野馬のように解き放つよりもむしろ正しい心の手綱をかけねばなりません。そうすれば舌は真理を語ります。同じ箴言はさらにこう言葉をつづけています。「悪しき者の口は悪を吐き出す」。ですから真理を語る人々は,まず正しい原則に関する知識を得,一生懸命に真理を調べ,それを学ばねばなりません。
8 他人の益のために真理を話すことは,どのようにあらゆる国の人々を一致させますか。
8 隣人を助けるのは人のつとめです。「だから,あなたがたは,今しているように,互に慰め合い,相互の徳を高めなさい」。(テサロニケ前 5:11,新口)偉大な創造主の下に人間家族を一致させる基礎の役目を果すのは,学んだ真理です。真理が心のうちに増せば増すほど人は神の道を考えつづけます。そして真理はその人にとってもほかの人にとっても益となる行いをさせます。真理を語ることによって,あらゆる国の人々は一致できます。一致のための公式がこのように非常にかんたんなので,世界の指導者たちはそれを厳密に調べてみようともしません。しかし,新世社会として一致しているあらゆる国に住む何十万というエホバの証者は,それが一致への実際的かつ唯一の道であることを示す証拠です。エホバの証者は,神が命令されたとおり,互に助け合うことに純粋の関心を払っています。「愛にあって真理を語り,あらゆる点において成長し,かしらなるキリストに達するのである。また,キリストを基として,全身はすべての節々の助けにより,しっかりと組み合わされ結び合わされ,それぞれの部分に応じて働き,からだを成長させ,愛のうちに育てられていくのである。こういうわけだから,あなたがたは偽りを捨てて,おのおの隣り人に対して,真実を語りなさい。わたしたちは,お互に肢体なのであるから」。―エペソ 4:15,16,25,新口。
9 いま述べ伝えられているどんな偉大な真理が人々を一致させる主要な要素ですか。
9 今日の世界は,神の御言葉から学んだ真理を語る人々,人間の唯一の希望である全能の神の御国を宣べ伝える人々の数が常に増加しているのを見ています。この神の御国こそ地上に正義をもたらし,人間家族はその支配下で永遠の生命を得ます。人間がいまこの真理を知るのは神の御心です。「この御国の福音は,すべての民に対してあかしをするために,全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである」。(マタイ 24:14,新口)すでに設立されている神の御国と神が行なわれる事柄に関する真理は,あらゆる人種,あらゆる国籍の人々を,現在の新世社会のように実際に一致させます。この種の一致こそ人間家族が必要としているものです。したがって,人々を実際に一致させる真理を語ることこそ,今日の人類に対するすぐれた奉仕になります。
10 真理はどのように人を自由にしますか。
10 人が真理を聞いてそれを知るよ になれば真の自由を得ます。そういう人は恐怖や不安を持たず,また隣人や未知の人を憎むようなことをしません。「また真理を知るであろう。そして真理は,あなたがたに自由を得させるであろう」というキリスト・イエスの言葉は真実です。(ヨハネ 8:32,新口)神の真理にかんする知識は,間違った考えや不健全な政治哲学のどれいとなっている人を自由にします。また,刑務所のくさりのように人をしばりつける束縛的な伝統から人を解放します。真理は人々を偽りの宗教から自由へ導く光です。
11 必ずしももてはやされていない真理をなぜ明確に語るのですか。
11 真理は必ずしももてはやされるものではありませんが,真理を語ることは正しいことであり,またためになります。現在多くの人々は,設立された神の御国と永遠の生命についての真理をさがし求めています。ですからそのような音信をあいまいにすれば,人類に対する不親切な行為をしていることになります。真理は明確にしかも親切な態度で話されなければなりません。そうすれば,それが真理を求めている人々の耳にはいる時,彼らはそれを受け入れ,もっと望むようになるでしょう。神の真理はどんな会話においても目立ちます。キリストの時代にもそうでした。人々は「この人の語るように語った者は,これまでにありませんでした」と言っています。(ヨハネ 7:46,新口)キリスト・イエスと同じように真理に即した生活をし,また同じように真理を話す人は,すぐれた話をすることができるようになります。―使行 4:13。
12,13 (イ)神は真理を知っている者たちに,何を語る責任を負わせていますか。(ロ)伝道すること,教えることはなぜ急を要することですか。(ハ)だれがエホバの御霊をそそがれていることを示しますか。
12 エホバの王と御国にかんする真理を語るわざに参加するようにとの招待は,今日全世界の人々に差し延べられています。キリスト・イエスが命令されたように,世界中の人々が,神のみわざについて聞き神の御旨を行なうようになるのが神の御心です。イエスは言われました。「それゆえに,あなたがたは行って,すべての国民を弟子として,父と子と聖霊との名によって,彼らにバプテスマを施し,あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ,わたしは世の終りまで,いつもあなたがたと共にいるのである」。(マタイ 28:19,20,新口)そうしない人があっても,神は感謝の心をもつ献身したクリスチャンを用いてそれを成し遂げられます。エホバの民の歴史を見ればわかるとおり,これは今日実際に行なわれています。何十万の証者が全世界にわたって真理を広め,真理を知らせています。この真理は乾いた地にそそがれる水のように広がっています。今の救いの日に招待が差し延べられているのです。「御国も花嫁も言いつづける『来なさい』。」「また聞く者も『きたりませ』と言いなさい。かわいている者はここに来るがよい。いのちの水がほしい者は,価なしにそれを受けるがよい」。―黙示 22:17,新世,新口。
13 神はご自身の御霊をしもべたちの上にそそがれています。そしてイザヤ書 61章1,2節に述べられている使命にふさわしく,偉大なわざがいま行なわれています。「主エホバの霊われにのぞめり,こはエホバわれにあぶらをそそぎて貧しき者に福音をのべ伝ふることをゆだね,我を遣して心の傷める者をいやし,俘囚にゆるしをつげ縛められたるものに解放をつげ,エホバのめぐみの年とわれらの神の刑罰の日とを告しめ,又すべて哀しむ者をなぐさめ……」。真理は,エホバの刑罰の日が近いことを示し,また真理を熱心に研究してそれを全世界に伝える必要を強調しています。「御言葉を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても,それを励み,あくまでも寛容な心でよく教えて,責め,戒め,勧めなさい」。(テモテ後 4:2,新口)世界が災の多い時代にのぞんでいる現在,真理を伝道すること以上に重要な仕事はありません。これは火急の音信です。なぜなら人の命に関係しているからです。あす死ぬかもしれない人にとって,このニュースは今日緊急に必要です。伝道には教えることも含まれています。というのは真理を聞く人がみな,すぐにそれを受け入れるわけではないからです。ある人は異議を唱えます。しかし,たとえ精神的なつまずきの石を取り除くために何回も訪問しなければならなくても,「御霊の剣」を使う人はその反対を克服します。人が真理を多くたくわえていればいるほど,舌は良い事を話し,良い心の人に教えるよりよい備えをもっていることになります。「正しい者のくちびるは多くの人を養い,愚かな者は知恵がなくて死ぬ」。―箴言 10:21,新口。
言葉によって,生活によって
14 エホバに奉仕する人たちは,分裂の原因になるどんなこの世の行いを避けますか。
14 神の道は正しい道です。神はしもべたちに,ほかの人を助けるさいに徳を高める言葉を使い,真実を語るようにと,教えておられます。毎日真実を語るならそれはやさしくなってきます。生活のあらゆる面で真実を語ることは重要なことです。この世の外交官のすることは,クリスチャンの従うべき模範ではありません。イエスは言われました。「あなたがたが言葉を出すとき,然りはただ然りを意味し,否はただ否を意味するようにせよ。これより過ぎることは悪しき者から出るのである」。(マタイ 5:37,新口)これによると,へつらいや,心にもないもてなしの言葉とかほめ言葉は言うべきではありません。約束をしながらほかのことをするなら,一致は養われません。人の前ではその人のことを良く言い,陰では悪く言うなら,一致は強められません。不一致を生み出して死に導くものは偽りです。神のしもべである正義愛好者は,商取引においてであろうと,契約をする場合であろうと,あるいは家族関係においてであろうと,自分の生活に偽りが入りこむすきを与えません。神は人間にうそを言うよに教えてはおられず,偽りを言うものを憎まれます。「悪者を義しとし義者を悪しとするこの二つの者はエホバに悪まる」。(箴言 17:15,新口; 4:24; 3:29; 6:16-19; 11:1)世界は悪事を行ないつづけ,疑い,不信,虚偽を生み出しました。政府はあらゆる種類の検査官や役人を使って,詐欺や虚偽を最少限に食い止めようとしていますが,神の目から見れば今日の世界はやはり,小から大に至るまで,あまりほめられるような記録をもっていません。
15 (イ)家族は,あらゆる社会の一致の基礎である真理によって,どのように一致しますか。(ロ)真理はどのように会衆の一致を保ちますか。
15 エホバ神の真のしもべは,言葉と生活の仕方によって真実を語ります。そして真理のたくわえをふやすことに絶えず心を用います。神は家族のあいだに真理が広まるように準備されました。賢明な父親は自分の家をよく治め,神の真理を話すことを基礎にして家族の一致を保ちます。(テモテ前 3:4。申命 6:7)両親が子供たちを正しく制御し,子供のわがままを許さないなら,そこには家族の一致が生まれます。子供には勉強しなければならない時間があります。両親は,家庭で真理を学ぶ時間を設け,また子供がほかの人たちと一緒にもっと多くの真理を学ぶようにしむけなければなりません。神権的な会衆は神の備えられたものです。世界中で神のしもべがふえると,会衆の数もふえます。会衆の中では,真理を語り,愛とよきわざに互いに励まし合う機会がたくさんあります。それはすべて,会衆内で真理を公に述べることによって成し遂げられます。「愛と善行とを励むように互い努め,ある人たちがいつもしているように,集会をやめることはしないで互に励まし,かの日が近づいているのを見て,ますます,そうしようではないか」。(ヘブル 10:24,25,新口)真理をとおして一致をもたらすための仕組はここにあります。まず個人が真理を学んで,心を真理で満たします。家族の各メンバーは真理をとおして一致するようになります。一致した家族があつまって会衆を形成します。彼らはみな神の真理を中心にして一致します。社交的な集まりの機会があればいつでも,真理についての建設的な会話が行なわれて,非常によい結果が生じます。心に真理を満たすことを怠っている人たちがあるとすれば,会衆の組織を通してその人たちを援助する機会があります。またたとえ疎遠になりがちな人々がいても,その人たちを訪問するのはよいことです。そうすればその人たちはまた会衆と一致するようになります。
16 (イ)一般社会や国家では,一致を妨げるどんな勢力が働いていますか。(ロ)ではいったい一致した世界はどのようにしてきますか。
16 地上の人間がみな,神の御言葉の真理を受け入れて真理で心を満たし互に真理を語らないのは残念なことです。もし人々がそうするなら,一致は個人から家族へ,家族から会衆へ,会衆から社会全体へ国民全体へと拡大するでしょう。しかし悪の勢力,すなわち偽りの父であるサタン悪魔が働いています。(ヨハネ 8:44)サタンは人類の争いを引き起こすことに多忙です。サタンは人間の心をくらまし,また人類に,利己的になること,しっとすること,暴力を振うことを教えました。人間は権力欲にかられて偽りを語ることを覚えました。この悪影響は取り除かれねばなりませんが,神は近い将来にそれを実行されます。サタン悪魔とその配下にある者どもの滅びと共に,うそをつくこと,かけひき,偽善的な行いはなくなってしまいます。すべての人間が互いに真理を語るとき,そこには大きな喜びと平和があるでしょう。―コリント後 4:4。黙示 20:1-3。
17 いま他の人に真理を語ればどんな益がありますか。
17 しかしいまでも真理を話すことからしあわせが得られます。真理を愛する人々は,真理を話すので,意地悪をしたり,あらさがしをしたり,ねたむことをしなくてすみます。世界中のあらゆる場所の人々は,エホバの証者の新世社会が幸福であることを知っています。彼らが幸福なのには理由があるのです。彼らは自分たちの行くさき,自分たちの将来を知っているからです。神の御言葉の真理が,命への道を照らしているのです。「あなたのみ言葉はわが足のともしび,わが道の光です」。(詩 119:105,新口)真理は人の心を霊の事柄に向けさせ,将来と将来の御国による祝福を想像する力を与えます。永遠の生命の偉大な授与者であられるエホバ神の恵みはいまの時代にエホバ神をおそれて互いに真理を語る者の上にそそがれます。「その時エホバをおそるる者互に相かたりエホバ耳をかたむけてこれをききたまへり。またエホバを畏るる者およびその名を記憶る者のためにエホバの前に記念の書をかきしるせり,万軍のエホバいひたまふ我わが設くる日にかれらをもて我宝となすべしまた人の己につかふる子をあはれむがごとく我彼らをあはれまん。その時汝らは更にまた義者と悪きものと神に服事るものと事へざる者との区別をしらん」。(マラキ 3:16-18)エホバの証者たちと交わって,真理を語ることを楽しんでください。それはあなたの救いに通じ,またあなたから真理を聞く人の救いに通ずるものです―テモテ前 4:16。
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「ものみの塔」が持つ霊的な力ものみの塔 1963 | 8月15日
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「ものみの塔」が持つ霊的な力
◆ ブラジルのリオデジャネイロで,63歳の老婦人は,親せきから譲り受けた古い新聞や雑誌の束の中に「ものみの塔」が1冊まじっているのを見つけ,広げてそれを読みました。内容の大切さに気付いた彼女は,「ものみの塔」の別の号をさらに手に入れたいと思いましたが,どこにいけばエホバの証者に会えるのか分かりませんでした。それで,自分が読んだ「ものみの塔」の内容を良く覚え,会う人ごとに自分が新に見つけた真理について説明しました。御国奉仕者が彼女の家の戸口を叩いたのは,それから6年も後のことでしたが,彼女はわずか1冊の「ものみの塔」に支えられて,6年間も真理に対する熱意を失っていませんでした。
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