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神の裁きが行なわれているこの時代に神の会衆の清さを保つものみの塔 1973 | 9月1日
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とその神殿は滅びました。自分の死が迫っていることを知っていたペテロは,キリスト教に改宗していない世の人びととともに彼らの「放とうの同じ下劣なよどみにまで」走るようなことがないよう戒める責任があることを痛感しました。たとえ迫害をこうむっても,身の破滅を招くそうした道を避けることがいかに緊急なことかを強調するため,ペテロは次のように書いて,終わりが近いことを示しました。「しかし,すべての事物の終わりが近づきました。ですから,健全な思いをもち[麻薬を用いて現実から逃避することなく],祈りのために目ざめていなさい」。(ペテロ前 4:4-7,新)問題はいよいよ深刻なものとなっていました。なぜなら,神の裁きを表明する過程がクリスチャン会衆に関連してすでに始まっていたからです。神によって調べられ,吟味されるとき,いったいだれが是認された者として立てるでしょうか。それはのんきに構えている人でもなければ,世の放蕩の道に従う人たちでもなく,腐敗し,堕落した肉を喜ばせる,キリスト教の精神に反する事がらに故意にふける人たちでもありません。(箴 1:32,33)使徒ペテロは書きました。
29 「クリスチャンとして苦しみに遭うのであれば,その人は恥じることはありません。むしろその名によって神に栄光を帰してゆきなさい。今は,裁きが神の家から始まる定めの時だからです。さて,それがまずわたしたち[神の家]から始まるのであれば,神の良いたよりに従順でない者たちの終わりはどうなるでしょうか。『そして義人がかろうじて救われてゆくのであれば,不敬虔な者や[クリスチャン会衆内の]罪人はどこに出てくるだろうか』。そうであれば,神のご意志にしたがって苦しみに遭っている者たちは,善を行ないつつ,自分の魂を忠実な創造者にゆだねてゆきなさい」― ペテロ前 4:16-19,新。
30 バプテスマを受けたクリスチャンが,それも特に現在,どの程度にせよ,「不敬虔な」者や「罪人」のまねをするのは,なぜ非常に危険なことですか。
30 たとえクリスチャン会衆内で「義」の立場を保っているとはいえ,イエス・キリストの忠実な追随者は「かろうじて救われて」いるのです。バプテスマを受けたクリスチャンがどの程度にせよ,「不敬虔な」者や「罪人」のまねをするなら,その人の救いはいよいよ困難になるでしょう。それとも,その人は救いを受けるには全くふさわしくない者であることを示そうとしているのでしょうか。これはクリスチャンが今日覚えておくべき事がらです。確かにわたしたちの世代に関してはまさしく,「すべての事物の終わりが近づきました」と言うことができます。神は目下,崇拝者たちで成るご自分の家に対して審判を下しておられる最中です。このことはマラキの預言の中でも言及されており,その3章は,エホバが『契約の使い』としてのイエス・キリストを伴って,ご自分の霊的な神殿に来られる時のことを述べています。神聖な審判者エホバはだれに対して,律法破棄者また罪人に対するように不利な証しをなさるでしょうか。エホバはマラキ書 3章5節〔新〕でこう告げておられます。
31-33 (イ)マラキ書 3章5節は,惑溺性のある製品に今とりこになっている人たちの直面している重大な危険をどのように指摘していますか。(ロ)心霊術と麻薬の使用との間に関係があることを,聖書中の他のどんな証拠が示していますか。
31 『われ汝らにちかづきて審判をなし〔魔術師〕[ギリシア語七十人訳によれば ― ファーマコウス]にむかい姦淫を行なう者にむかい偽りの誓いをなせる者にむかい雇い人の価をかすめ寡婦とみなしごをしえたげ異邦人を押しまげ我をおそれざるものどもにむかいて速やかに証をなさんと万軍のエホバいいたもう』。
32 悪行に関してエホバが速やかに証しをする対象として指摘している最初の者が「魔術師」であることに注目してください。キリスト以前のアレキサンドリアのユダヤ人が翻訳したギリシア語七十人訳は,「魔術師」をギリシア語のことばファーマコウスを用いて訳出しました。これは黙示録 21章8節で用いられているのと同じことばです。その箇所である翻訳者たちはこの語を「魔術師」と訳していますが,新世界訳はそれを「心霊術を行なう者」と訳出しています。古代の魔術師たちは実際,心霊術を行なっていました。そのような者たちに適用されたギリシア語のことばは,文字どおりには,「薬剤師」ではなくて,「麻薬売買者」を意味しています。古代の魔術師は当時の麻薬販売人だったのです。
33 キリスト教時代以前の作であるギリシア語七十人訳は,これと関連のあるギリシア語のことばファーマコン(文字どおりには「麻薬」を意味するが,「魔術」と訳されている)を少なくとも5回用いています。偶像崇拝に走った古代イスラエルの女王イゼベルはそうしたファーマコン(複数形の)もしくは「魔術」にふけりました。(列王下 9:22,七十人訳)彼女は,エホバの刑執行者として行動したエヒウ王によって処刑されました。専門の「魔術師」あるいは心霊術を行なう者たちを後援した人びともやはり,心霊術的な行ないに携わり,罪に定められました。
34-36 (イ)こうした習慣が今批判され,注視されているのはもっともなことです。なぜですか。(ロ)このようなわけで,神の羊の群れの中で牧者として仕える人たちには,どんな責任が課されていますか。
34 であれば,麻薬の常用が一般に広まり,たばこの使用が増大している今日,そうした事がらにふける人たちが批判,注視されるのは少しも不思議なことではありません。最高の審判者であるエホバ神は,ご自分の霊的な神殿におり,その聖なる場所で神を崇拝していると唱える人たちを特に吟味しておられます。エホバは,魔術師もしくは心霊術を行なう者たちに対して速やかに証しを行なうと約束されました。それらの者たちは昔から,習慣性を生ずる,人をとりこにする麻薬と関係を持っていたのです。
35 エホバが速やかにわたしたちに対して,わたしたちが麻薬もしくは習慣性を生ずる他の有害な植物類,つまり悪霊の影響に人をさらすものの常用者であることを証しなさるのを,わたしたちは欲していますか。きたるべき「大患難」のさいに,そのようなものの常用者たちに対してエホバが下す裁きは,彼らの滅びを意味します。(黙示 21:8)この「事物の体制の終結」の時の今,エホバ神がご自分のクリスチャン証人たちの会衆の中にそのような常用者のいることを欲しておられないのは,まさに確かなことです。約束の「新しいエルサレム」について黙示録 22章15節(新)はこう述べています。「その外にいるのは,犬,心霊術を行なう者[麻薬売買者,王国行間逐語訳],淫行の者,殺人をする者,偶像を礼拝する者,また,すべて偽りを好みそれを行ないつづける者である」。
36 ですから,これらの指示は,エホバ神に対する責任を痛切に感じて出されているのです。したがって,そうした好ましくない分子がエホバのクリスチャン証人の会衆のバプテスマを受けた成員として認められ,受け入れられるようなことがないように注意するのは,神の羊の群れの霊的な監督である長老たちの義務です。
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遠い北国からの報告ものみの塔 1973 | 9月1日
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遠い北国からの報告
● アラスカは北方の広大な寒い地域に位置しています。そこでは,892人のエホバのクリスチャン証人が喜びのうちに良いたよりを宣明しています。彼らはこの地域に住む32万以上の人びとに音信を伝えようと努力しています。しかし,それは容易なことではありません。アラスカの土地は広大で,人びとは遠くに散らばって住んでいるからです。それらの人びとのところへ行く唯一の手段は飛行機ですが,その方法は時々利用されており,よい見込みがあります。アラスカ支部の監督,ロンコ兄弟からの手紙には次のように書かれています。「陸路では行くことのできない178か村の人びとに証言を試みるという,非常に大きな挑戦が残されています。兄弟たちは,命の音信を携えてそれらの人びとのところへ行く計画を絶えず練っています。それらの村落に住む4万3,424人の人びとに会うことができるよう,エホバの霊と導きを祈り求めています。王国のわざに忙しく携わるなら,成果はあります。それは確かに楽しい仕事です」。―「1973年のエホバの証人の年鑑」から。
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