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子どもたちが学校で直面する事がら目ざめよ! 1974 | 5月8日
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その他の“穏やかな”麻薬類の提供を受けた経験があります。3年以上にわたってニューヨーク市の諸学校で麻薬類のおとり捜査官をしたことがあるという一女性はこう語りました。「概して,学校は麻薬類の安息地のようになっています。それは学校において一つの大きな商売となっています」。学生の九割までがなんらかの麻薬を使用している学校もある,と彼女は述べています。生徒を相手に麻薬を売って逮捕された教師さえいます。
学生の薬剤乱用問題と戦うために特別の処置を講じている学校もあります。しかし,この問題は若者の間でかなり広まっていますから,あなたのお子さんもなんらかのかたちでそれに直面することがあるかもしれません。お子さんたちは,麻薬類を使ってみるようにとの誘惑にしっかりと抵抗する備えがありますか。
今日の若い人々の間での道徳上の風潮のために,お子さんたちは学校において別の問題に直面することも考えられます。教師や学生たちの中には,いわゆる“新しい道徳”を奉じている人々が多くいます。今日では,十代の未婚者が性関係を持つことは広く行なわれています。そうした人々は,それを,『時代についてゆくこと』とみなします。
性の問題に関する教室での過度にあからさまな討論が年若い子どもの考えを誤った方向に向かわせることもあります。性に関する学校での討論は教師の個人的な見解に左右される場合が少なくありません。そして,教師の中には,未婚者の性交,同性愛,マスターベーション,その他の倒錯的な性行為を是認し,それを推奨している人さえいます。八歳の一少女は,学校でのそうした討論からの帰宅後,「いつになったらわたしもそうしたことを始めてよいの」と母親に尋ねました。
言うまでもなく,今日あからさまに行なわれているはなはだしい不道徳行為を嘆く教師たちもいます。しかし,すべての学校がそれを防止するための同じ努力をしているわけではありません。あなたのお子さんが通う学校についてはどうですか。子どもたちがこの点で学校でどのようなことに直面しているかをはっきりご存じですか。親はその点を知るべきです。最善の方法は,その点について子どもと話し合ってみることです。
学校の課程
学校に通う子どもたちはほかにもいろいろと難しい場面に遭遇します。学校の課程そのものが問題をもたらす場合もあります。例えば,同級の大多数の生徒と信仰を異にする子どもは,自分が家庭で学んだ事がらとは相いれない習慣や慣行にぶつかるかもしれません。聖書の原則に堅く従って育てられた子どもは,異教に由来することがわかっている祝祭の時などに問題に直面するでしょう。教師は,そうした祝祭と関係のある活動に学級全体が参加することを期待する場合があります。しかし,明白な良心上の理由でそれを行なえない子どももいます。それが理由でさらに他の生徒たちから嘲笑されたりいじめられたりする場合もあります。
広く教えられている進化論も問題になります。生物や歴史の時間には,進化が事実として提出される場合が少なくありません。生徒が進化論に同意しているかどうかに応じて試験の採点がなされる場合もあります。証明されていないこの理論を受け入れていない生徒にとって,これはときに問題になります。
学校の課程が呪術その他の神秘的な題材を含むことさえあります。米国メリーランド州ハイエッツビルの「プリンス・ジョージズ・センティネル」誌は次のように伝えました。
「[地域社会学校に子どもを通わせる市民たち]は,占星術,手相術,さいころ・中世的なまじないや詠唱による運勢判断などの初歩を生徒に教えることを目的とした一連の手引書や教師用指導書の配布に抗議することを計画している。……郡の中・高等学校に通う子どもたちがすでに,国語の時間に『呪術』や『呪もん』を教えられ,さらに自分の天宮図や獣帯記号に関する作文を書かされたことについて訴える計画である。……生徒たちは,『運勢判断ハンドブック』と題する本にある例題などにしたがって独創的な文章をまとめることも求められており,その本の中には,筆跡観相法・占星術・その他の神秘的な行為に関する章がある」。
そうです,子どもたちは,今日の学校においていろいろと難しい問題に直面します。学業に対する一般的な無関心さや,権威に対する不敬の風潮は,子どもたちの考え方に不健全な影響を与えます。今日の若者の間の犯罪,暴力,また他の人に対する一般的な顧慮の不足なども有害な影響を与えます。教育の課程の中にさえ必ずしも有益でない教科の取り入れられることもあります。こうした影響に対処するために何か行なうことができますか。親は,学校で直面する難しい情況を切り抜けられるよう子どもをどのように助けることができますか。
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子どもをどのように助けることができるか目ざめよ! 1974 | 5月8日
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子どもをどのように助けることができるか
どうしたら子どもを助けて,道徳的に方正で,責任感のあるおとなに成長させることができますか。反抗・暴力・麻薬・性の不道徳・その他の悪行に誘う力が学校にも他の所にも働いていますが,そうした力に抵抗する備えを,どうしたら子どもに身に着けさせることができますか。難しい問題があっても,教育から最大の益を受けられるように,親として子どもをどのように助けることができますか。
「人間の養育」と題する本にある,リー・ソーク博士とリタ・クラマーのことばに注意してください。[のちの生涯においても]物事を学び取ることができるために,[子ども]はすでに,信頼感と自制心とを培っているべきである。これは,他の人を喜ばせようとするのは価値のあることであるという意識であり,また,衝動のままに行動することを控える能力である」。子どもには,家庭における早いうちからの訓練が大切です。
早いうちからの訓練が大切
子どもの養育についてエホバ神以上に知るかたはいません。箴言 22章6節で神のことばはこう諭しています。「少年をそのゆくべき道にしたがって訓練しなさい。そうすれば,年老いても,それからそれることはない」(新)。若い人々が教えを受けるべきその「道」については聖書の中に述べられています。
聖書を読むことによって,子どもたちは神を「知る」ようになります。これは子どもの心に健全な影響を与えます。神の数々の優れた特質や,神が人類のために行なってこられた事がらについて学ぶことにより,人は神に対する愛と,神の是認を受けようとする真剣な願いとをいだくようになるからです。親がそうした健全な教えを与えても与えなくても,子どもの考えや習慣はそれぞれに形成されてゆきますが,ごく幼いうちから子どもにエホバの道を教えるなら,それは親の分別と,愛のこもった関心のしるしとなります。
広く認められている点ですが,若い人々が物事に対して無関心な態度を取るのは,生きていることの真の目的をはっきり知らないためである場合が少なくありません。そして,こうした点で子どもの問いに答えを与えているべきなのはだれですか。親です。確かに,そのように努めている親も
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