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オカルトが盛んなのはなぜか目ざめよ! 1981 | 3月8日
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します。その答えを得る一つの明らかな手段はオカルトを研究することであると考える若者が今日多くなっているのです。しかし,その際,『そうしたものに付き物の危険』は意識的に軽視されるか無視されています。
死と超自然現象
愛する人を亡くした後の一時期は特にストレスの高じる時です。悲嘆に暮れる親族は,正確な知識がないため,あらゆる手段を尽くして故人ともう一度連絡を取ろうと試みることがよくあります。その際最もよく行なわれるのは,霊媒を交えた交霊会です。
著名な政治家の中にもこの種のオカルトのとりこになった人は少なくありません。戦時中カナダの首相を務めたマッケンジー・キングは,オカルトの研究を行なっていたことでよく知られています。キングは,死んだ母親だけでなく,米国のF・D・ルーズベルト大統領を含む故人となった有名な人々からも導きを得ていると主張しました。英国の元首相アーサー・バルフォア(1917年に出されたパレスチナに関する“バルフォア宣言”で有名)も,婚約者が悲劇的な死を遂げた後,生涯のかなりの期間にわたって同様の心霊的な試みを行ないました。
今日,オカルトに対する関心を魅力のある無害な気晴らし程度に考える人が増えています。しかし,いざなわれるままにオカルトに手を出す人は,予想もしないような深刻な問題に巻き込まれることがよくあります。
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人を引き付けるオカルトの力目ざめよ! 1981 | 3月8日
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人を引き付けるオカルトの力
「我々がほとんど知らず,力も及ばない何らかの勢力もしくは影響力が存在することを今日認めないのは愚か者か無知な者だけである」。ピーター・アンダーウッドは自著「オカルトの世界へ」の序文でこう警告しています。
こうした勢力に関心を持つ人は少なくありません。かつてカナダで魔女の会に属していたことのある一人の女性は次のように語りました。「ビクトリアに旅行するたびに少なくとも12人の魔女に会います。その中には著名な実業家も少なくありません。……日中,これらの人々は他の人と区別がつきません」。
英国諸島には現在,魔女として知られている人が6,000人おり,20人に一人がオカルトと積極的なかかわりを持っています。ドイツでは,5万人以上が呪術を行なっています。南アフリカでは秘術が法律によって禁止されていますが,白人のうち4万人から9万人が“魔術”に手を出していると思われます。
オカルトがこれほど盛んなのはなぜでしょうか。
人々を引き付けるもの
「銀行の通帳に書き込めなくなるほどお金を得たいと思いますか。スルタンもうらやむような愛の生活を送りたいですか。敵を打ち砕き,友人に報いを与える至高の力を手に入れたいと思いますか。……秘術はあなたの心の願いをかなえてくれます」。
これは,魔術に関する本の広告の一文ですが,多くの人がオカルトに引き寄せられるそもそもの理由を示しています。そこでは,金銭,性,力が約束されています。愛する故人と交信することや将来を知ることを真剣に願っている人もいます。また,単なる好奇心から手を出す人もいます。
これには成果が伴うと主張する人も少なくありません。英国で写真屋を営むある夫婦は“極めて性的な入会儀式”の後,悪魔的なグループに加わりましたが,それと共に商売が急に繁盛するようになりました。そのグループを抜けると途端に,営業不振に陥りました。
これほど都合よく事の運ばない場合もあります。アフリカのリベリアで,著名な政治家の息子と他の何人かの人が秘術を使って政治的な権力を
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