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「彼らは一致の中に伝道する」ものみの塔 1961 | 11月1日
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「御国の音信が彼に伝えられた時,彼は注意深く聞きました。奥さんも深い関心を示しました。ふたりとも,これこそ自分たちがさがし求めていたもの,真のクリスチャンとして神と隣人に奉仕する機会だということを感じました。ふたりとも『御国のこの良いたより』という小冊子で研究をはじめました。ふたりとも新しく発見した知識を全面的に受け入れ,のちに『神を真とすべし』に進みました。
「ほとんど同時に彼らは御国会館で交わりをはじめ,集会で意見を述べ,他の人々について宣教に出ました。間もなくその人たちは,他の若い夫婦と研究をはじめ,彼らを集会にも伴ってくるようになりました。
「この人は,いまでは軍隊を早く退役して,エホバとの平和を追い求めつづけるために,奥さんと一緒に家に帰りました」。
火山が爆発してひどいスモッグが立ちこめていた時,ヘンシェル兄弟がこの島を訪問してふんいきが明るくなりました。「預言に注意せよ」という明確な確信にみちた講演を聞くために1803名が集まり,みな良い助言と,ヘンシェル兄弟とのたのしい交わりを喜びました。
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聖書の読み方ものみの塔 1961 | 11月1日
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の敵として滅ぼされるのが,死である」という聖句を書きとめます。このようにして,神の奉仕者は,他の者に神の目的を教えるために,この聖句を使おうとします。―コリント前 15:25,26,新口。
質問することは,また,読む時の助けになります。たとえば,『なぜそうなのか』とか『なぜこうなったのか』というような質問をすることです。このような質問をすると,頭を働かすことになります。それでマタイ伝 4章1,2節を読んでいると仮定しましょう。「さて,イエスは御霊によって荒野に導かれた。悪魔に試みられるためである。そして,四十日四十夜,断食をし,そののち空腹になられた」。次のような質問がでるかもしれません,「なぜ40日40夜が必要だったのだろう」。イエスは神の御言葉に思いをめぐらして,その時を有意義にお使いになったのだ,と考えることでしょう。しかし,なぜ,40日40夜だったのでしょうか。そのことを考えていくと,モーセとエリヤのふたりが,同じような期間を経験したことがあったということを,思い出します。(出エジプト 24:18; 34:28。申命 9:25。列王紀上 19:18)更に考えるなら,変貌の場面のことを思い浮かべることができます。その時イエスは変貌し,モーセとエリヤが共にいました。このように考えれば,その事がらを深く洞察することができます。イエスが特定の期間荒野に行ったのは,この前例に従うためであり変貌の場面で,この点は必要とされました。それで自問し,その事がらに思いをめぐらすことにより,理解が非常に深まります。
預言的意味と背景的な知識
それで,小規模にあるいは大規模に預言の成就がないかどうかよく注意しながら読んで下さい。ルカ伝 9章のイエスの変貌のことを読んでいるばあい,預言的意味に注意するなら,「これはどういう意味だろうか」と思うでしょう。それについて考えても,満足いく答えが出ないなら,調べて下さい。ものみの塔の出版物にでている聖句の索引表を取り出し,ルカ伝 9章29と30節(あるいは,マタイ伝とマルコ伝のこれに相当する箇所),あるいは,主題による索引表のばあいなら『変貌』という言葉のところを見て下さい。そうするなら,変貌の場面は,イエスが御国の力を持って来るということと,モーセとエリヤのような仕事をするということを表わしている,と説明している箇所を見出すことができるでしょう。また変貌は,ペテロにとり,人の子が御国の栄光を持ってくるまで,死を味わわない者が弟子たちの中にいる,というイエスの約束の成就であった,ということも学ぶでしょう。
ある場合,読みながら理解を深めるために,背景的なことを調べてみたいと思う時があります。たとえばエステル書を読んでいると仮定しましょう。いろいろな事件が「シュシャンの城」あるいは「シュシャンのまち」(エステル 1:2; 3:15)で起きたと書いてあります。このまちはどこにあるのか,どんなまちだったかというようなことを知りたくなるでしょう。聖書辞典を見るなら,シュシャンは,実際にはスサのまちのことであり,ペルシャの王家にとっては貴重なまちで,王家の人々はそこを冬の住居にしていた,ということがわかります。ある辞典には,スサの遺跡を空からとった写真が出ています。そして,ケルカ河にそったところにあったまちだったということと,今日ではイランの南西部にあたるところにある,ということが分かります。さて,このようなことを知っていれば,「シュシャン」という名が話の中にたびたび出てくる時,もっと重要な意味を持ってきます。
読んだことをおぼえる
聖書の中のある章は,その場面を描くのに適しており,これはおぼえるのに非常な役に立つ事がらです。私たちはたいてい,言葉を使って考えごとをするわけですが,言葉というのは,思い出す時に絵ほど簡単ではありません。その人の顔はおぼえていても,その名前を思い出すことがいつもできないという人がいるのは,このためでしょう。ある状態を描く多くの言葉をしばしば絵にすることができます。つまり,言葉が描き出す場面を想像することです。
たとえば,ヨハネ伝 21章を読んでいると仮定しましょう。弟子たちが魚を取っており,イエスが彼らのところにやってきます。弟子たちは網いっぱいにかかった153匹もの大きな魚を,ひき上げ,ペテロは湖に飛びこんで,イエスの方に泳いでいきます。陸で彼らが朝の食事をします。イエスがペテロに,他の人を教えるという大切な事がらについて教訓を与えます。さて,心の中でこの場面を想像して下さい。湖にボートを浮かべて弟子たちが魚を取っていますが,なかなか魚がとれません。別の側に網をおろすようにと弟子たちに告げているイエスを描いてみて下さい。魚がいっぱいかかった大きな網を思い浮かべて下さい。また,ペテロが水に飛びこんだ時の「どぶん」という大きな音。そしてイエスに会うために一生懸命に泳いでいくところ。炭火。パンと魚を食べるところの場面。イエスがペテロに「私の羊を飼いなさい」と言う時,読者は小羊を想像するのもよいでしょう。イエスがそれを指して話しています。このような画面を思い浮かべるなら,ヨハネ伝のこの章をよく記憶することができるでしょう。
画面を思い浮べるのと同じく,大きな助けとなるのは,たくさんの材料を簡単にして書きだすことです。その要点を見ると,それに関係した諸事実を思い起こすことができます。このような簡単な筋書をつくると,驚くほど多くのことを思い出すことができます。ヨハネ伝 21章を例にして,この章を短い筋書であらわしてみましょう。
イエスがテベリヤの海べにあらわれる。
イ,奇跡的に魚をひき上げる。
ロ,羊を飼うようにと言われたペテロ。
ハ,イエスの来る時まで生き残るヨハネ。
1章の内容に精通するには,次の章に行く前に,その章を要約する必要があります。簡単な筋書を作ることは,章を要約するひとつの方法です。書き出したものを,注意深く見て下さい。それをしまって,言葉がどのように見えたか思い出すようにして下さい。そして,それと関係している多くの大切な事実を思い出せるかどうか,ためして下さい。
それで,聖書を読んで益を得るために,いろいろな事をすることができます。理解するように読んで下さい。全体を把握するようにしなさい。認識を深めるために,適当なばあいなら,背景となっている事がらを調べるようにして下さい。預言的な意味を考えて下さい。毎日の生活の導きになる原則や,宣教の時に役立つ聖句を取り出して下さい。読みながら質問して下さい。そして連想することにより,その質問に答えるようにして下さい。ある箇所がわからないばあい,大切でないことのように,とばしたりしないで下さい。神は不必要なことがらを聖書に記録されていません。御心に従って決定したり生活したりするさい,神が備えて下さったものは,私たちを導きます。分からない所をとばしたりして,神に不敬を示すようなことがあってはなりません。ものみの塔の出版物の索引表をみて,ぜひ研究して下さい。時間をさき,理解するように聖書を読んで下さい。
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