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    目ざめよ! 1975 | 10月8日
    • 子どもは一般に出だしはよいのですが,三歳ごろになると,ある子どもは口ごもったり,ことばを繰り返したりするようになり,やがてどもり始めます。なぜそうなるのでしょうか。研究によると,家庭環境と,もし母親が完全主義者であったり,心配しすぎたり,自分の子どもがほかの人々に与える印象を気にしすぎる人であれば,母親のその態度が,発現の原因になっているようです。どもる原因は必ずしも子どもが受けた「精神的外傷」,つまり事故とか大きな驚き,重病などの有害な体験ではありません。

      それである人々は,家庭環境がそういう状態にあるので,子どもはどもることを“学ぶ”のだ,と結論します。また,心にしみ込んでいる不安と恐れが生み出す結果だ,と言う人たちもいます。子どもは,どもるかもしれない,という不安を抱いていて,どもることを恐れてどもらないように努力します。ところがそうした事柄がかえって子どもをどもらせます。消極的な感情は自由に話すことを妨げるからです。自分の心臓のことを考え心配していると病気が再発し,またいつも胃のことばかり考えていると消化不良を起こすことはよく知られていますが,それと同じで,話すことについて不安と恐れを抱いていると,どもる可能性があります。

      種々の矯正法

      1951年のこと,イリノイ大学の一人の言語研究者は,ある仕掛けを考案しました。それを使うと人々を混乱させて,どもらない人をどもらせることができます。人が話すとその仕掛けはしばらくしてその人に自分の声を聞かせます。1972年に,バージニア州,ロアノークの一言語専門医は,どもりを矯正する方法としてこれに着目しました。どもらずに話すように,その逆効果を利用するのです。この方法でその専門医はかなり良い成果を収めています。

      多数の吃音者を助けてきた別の言語専門医は,吃音者は性格に原因があってどもるのではなく,動作が原因でどもるのだ,ということを強調します。つまり,くちびるを固く閉じすぎるとか,のどの筋肉を緊張させて呼吸をとめてしまうとかするのでどもるのだ,というわけです。どもる人は自分でそれをなおすように努力しなければならない,ということを同専門家は強調します。

      どもる人や,どもる子どもを持つ人が,この問題に関する本を読むのは良いことでしょう。どの矯正法が効くかは人によって違うでしょう。研究者たちは,どもる子どもを持つ親で,この問題に関する本を一度でも読んだことのある人が非常に少ないことに気づいています。ですから援助を求めることです。「助けてもらうには助けやすい人でなければならない。教えてもらうには教えやすい人でなければならない」というふうにウェンデル・ジョンソンは自著,「どもり,そしてあなた自身にできること」に書いています。

      この以前どもりだった人が与えている多くの役立つヒントの中には,「してはいけない」ことが五つあります。まず,どもるかもしれない,と考えないこと。問題を予期するとそれを招くことになります。二つ目は,なんとか話せるからといって,それが自分の効果的な話し方と考えないこと。三つ目は,どもることについて,自分が犠牲者であるかのように考えないで,実際は自分の努力が原因なのだと考えること,そしてそれは事実である。四つ目,話すことを少なくするように加減し,またそうすることに満足し,仕事を引き受けるにも社会活動を行なうにも自分がどもりであることを気にして,吃音者に与えられる限られた役目に甘んじないこと。それは安易な方法です。そして五つ目,仕方がないという態度を取らないこと。しかし他の極端に走って,自分が問題を抱えていることを認めようとしないのもいけません。なかにはそのような人がいます。

      この問題の別の権威者,J・P・ブレーディー博士は,三つの部分からなる矯正法を強調します。まず話し方を再訓練します。この方法では,治療者は吃音者に本をゆっくりと,くつろいだ気持ちで読ませます。吃音者がもとのくせに戻ると治療者はそこですぐに朗読をやめさせ,やさしい部分をもう一度繰り返して読ませます。第二に,ほとんどの吃音者は急いで話したがる傾向がありますから,(音楽家などが使う)メトロノームを使うことを同博士は勧めます。最初は一秒に一語,つまり一分間に60語とします。この速度ですらすらとことばが出るようになったら,正常な速さになるまで徐々にその速度を上げていきます。そして第三に,この言語の権威は自ら「組織的脱感策」と呼んでいる方法を用います。この療法の場合には,話をするいろいろな場面を患者に想像させ,一番抵抗の少ない場面から始めさせます。そして障害を克服するにつれ,電話をかけるなどの,よりむずかしく感じられる場面に進みます。

      前述の療法とよく調和しているのは,最近医学雑誌に取り上げられた,テンプル大学言語研究所所長M・F・シュバルツ博士が用いている療法です。同博士によると,喉頭が緊張するのは,吃音者(あるいは吃音者が子どもであるならその親)が過度に心配する性向を持つとか,あるいはなんらかの精神的外傷を受けた経験があるからですが,また遺伝的素質もあります。この問題は多くの場合,三歳になってむずかしいことばを習う努力をするようになると,はっきり表われてきます。子どもは無意識に喉頭つまりのどを緊張させます。そしていったん話しにくいことに気づくと,自分で精神的な壁を作ります。

      あるどもりの人は,九人の言語専門医,一人の催眠術者,そして一人の精神療法者にまでかかって一万ドルをつかい果たし,前よりも貧しい,しかし依然として「話すことをよく加減しているどもり」でしたが,この説明を聞いて,「わたしがどもる理由が初めてわかった。これは本当にありがたいことだ。重い荷をおろしたような気持ちがする」と言いました。

      シュバルツ博士は,精神身体医学上の要因を強調して次のように言いました。「どもりの人がここへ来るとわたしはその人に,わたしと話す間,くつとくつ下を脱いで,右足をバケツの水の中に入れていなさいと言ってやった。すると彼はどもらなかった。気を散らされていたので喉頭が緊張しなかったのだろう」。

      シュバルツ博士とその同僚は,まずより柔らかい,より健康的な声を出させる深い腹式呼吸をすることを吃音者に教え,さらに彼らが喉頭を無意識に緊張させることを説明します。次に患者は,くちびるを固く閉じないで軽く合わせるように言われます。吃音者は問題を予期するので無意識に固く閉じる傾向があるからです。それから柔らかい,楽な声で話すように言われます。この種の話し方,いわば「新しい声」は,喉頭つまりのどの状態を変えることによりどもる作用を妨げます。

      しかし,このような話し方を身につけても,それは戦いに勝利を得たことを意味しません。次に患者はこの話し方をさまざまな状況に適用させることを学ばねばなりません。なぜなら,異なる状況の下では,どもり声に逆戻りする傾向があるからです。家族の者,仕事仲間と話すとき,電話に出たときなどがそうです。それには時間と努力がいります。そして言語矯正教室でこの治療を受けている人は,週に五日,そして一日に数時間そこで過ごします。今日までのところ,シュバルツ博士のこの方法は最も効果的な治療法の一つとなっています。

      確かに今日は,どもる人のために,かつてないほど多くの助けがあります。もし当人がほんとうに助けを得たいならばですが。

  • 世界に増える文盲
    目ざめよ! 1975 | 10月8日
    • 世界に増える文盲

      ◆ 世界の文盲の数は1950年以来,約1億人増加し,現在およそ8億人になったが,そのほとんどは開発途上国の人々である。人口調査局の最近の報告によると,成人1,000人につき米国及びカナダで読み書きのできない人は15人だけだが,アフリカでは737人,アジアでは468人,ラテン・アメリカでは236人が文盲である。

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