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「預言者よりもはるかにまさったかただったのですよ,ラーマンさん」目ざめよ! 1972 | 5月8日
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教は急速に発展したのです。このことは歴史がよく物語っています。ラーマンさん,ある学者が述べたとおり,たしかにイエス・キリストの死と復活は『歴史上最も徹底的に確証された事実の一つとみなさないわけにはいかない』事柄なのです」。
「そうですね。あなたのお話を聞いて少し考えて見る気持ちになりました。しかし,あなたがイエス・キリストについておっしゃったようなことを完全に理解するには,私のような回教徒には時間がかかりますね」。
「でもラーマンさん,あなたはイエスが神の預言者だったことを信じていらっしゃるじゃあありませんか」。
「ええ,それはもう堅く信じています。イエスは,あなたがおっしゃったように,ナビ・ムサのような人でした」。
「ではイエスの生涯の記録と教えを聖書から直接読んでごらんになってはいかがですか」。
「そうですね。そうする必要があると思います」。
「そうなされば,ラーマンさん,あなたもおそらく,イエスは預言者よりもはるかにまさったかたであったことを確信できるでしょう」。
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昼の星目ざめよ! 1972 | 5月8日
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昼の星
わたしたちの地球は,昼の星である太陽にくらべると,そんなに大きなものではない。太陽の中には地球が100万個もはいる。それでも太陽は星としては大きくはない。いわば小びと程度のものである。なかには太陽の何百倍もの大きさの星がある。ペテルギウスという明るい赤い星は,直径が,太陽の約400倍ある。
また太陽は決していちばん明るい星でもない。S・ドラダスという星は,太陽よりも50万倍も明るい。しかし太陽は地球にとってちょうどよいのである。
太陽が他の星よりもずっと明るく,また大きく見えるのは,地球にいちばん近いからにすぎない。地球から太陽までの平均距離は1億4,963万7,000キロである。太陽の光は約8分20秒で地球に達する。太陽は太陽系の中心を成しているので,地球とその姉妹惑星は太陽のまわりを大きな軌道を描いてまわる。
太陽は秒速約20キロという猛スピードで宇宙空間を移動している。それでも太陽は他の星に接近しすぎるという危険はない。プロクシマ・ケンタウリと呼ばれるいちばん近い星は40兆2,250億キロ以上離れている。これだけ距離があるので,秒速30万キロ余の光がその星から地球まで達するのに4年あまりかかる。もし地球がプロクシマ・ケンタウリに向かって進んでいるとすれば,その星に行き着くまでに6万5,000年近くかかる。
わたしたちの太陽が,いく億もある太陽,回転しながら宇宙空間を運行する輝く火の玉のひとつにすぎないことを考えれば,そのすべてを意のままに制御し,そのすべてをおのおのの名をもって呼ばれるかたを考えないわけにはいかない。(詩 147:4)たしかに太陽は,悪い者の上にも,良い者の上にも同様に光を輝かせる「光の父」の賜物である。(ヤコブ 1:17。マタイ 5:45)わたしたちの昼の星はまさしく,その偉大な創造者をたたえるものと言うことができる。―詩 148:3。
巨大な原子炉
わたしたちの太陽は,熱いガスで成りたつ巨大な輝く球である。太陽を構成している普通の元素は水素,ヘリウム,カルシウム,ナトリウム,マグネシウム,鉄などである。それにしても太陽はどこから熱を得るであろうか。昼の星は実際のところ一種の原子炉なのである。その過程はきわめて複雑であるが,基本的には,太陽の中の水素ガスがヘリウムに変えられるのである。水素の4個の水素原子が結合して1個のヘリウム原子になり,その過程で莫大なエネルギーが放出される。
太陽の表面温度は摂氏約6,000度と言われている。しかし地球から非常に遠く隔たっているので,その放出されるエネルギーのわずか20億分の1しか地球に達しない。それでも地球上の動植物の生存を可能にする理想的な気象状態をつくるには,その量で十分なのである。
もし太陽の莫大なエネルギーのほんの一部分だけでも利用されるなら,人間は暖房と輸送にかんする主要な問題を解決できるのである。もし人間が太陽光線のエネルギーの効果的な用いかたを知ってさえいれば,太陽は,その光線をそそぐ土地1平方メートルにつき,1.8馬力のエネルギーを供給できると言われている。
太陽の紅炎と太陽あらし
時々太陽から大きな炎が噴出する。これは太陽の紅炎と呼ばれている。このいわば大間欠泉もしくは火の泉は,爆発的に噴出して火をまき散らしては消えてゆく。紅炎は太陽面から32万キロ以上の高さに噴出する。
太陽面には太陽黒点と呼ばれる黒班のような,あるは黒いしみのようなものがある。それらの黒点は実際には,電気を帯びた,うず巻く大量のガスの太陽あらしである。太陽黒点はまわりの太陽大気の温度よりも低いためか,炭火の中の火勢の弱い部分のように見える。
太陽の黒点は磁気あらしと関連があるらしく,地球はときどきそれに巻き込まれるので,太陽黒点はわたしたちに影響をおよぼすものである。その結果がラジオのフェード・アウト(しだいに小さくなって消えていくこと)である。たとえば1970年の3月に,フィリピンは激しい太陽あらしを報告した。専門家たちの説明によると,太陽の赤道に近い部分が60%ないし70%もあらしにおおわれていた。そのために低周波の無線通信は1時間以上途絶えた。太陽あらしは地球上の他の電気装置にも影響を及ぼし,ら針盤の針は北を指すのをやめて,あらぬ方向をさして回りだすことがある。
植物は太陽光線をとらえる
しかし,地球から何千万キロも離れている,宇宙空間を運行するこの巨大な星は,わたしたち個人に対してはさらにどんな影響をおよぼしているだろうか。太陽は人間に食物と空気を与えてくれる。なぜそういえるか。
それは光合成<フォートシンセシス>として知られる作用による。このことばは「光」を意味する「フォートス」と,「いっしょにする」という意味の「シンセシス」からきたものである。これは緑色植物が太陽光線を利用して,炭酸ガスと水から食物を合成する作用である。こうして炭水化物という形の食物が作りだされる。それと同時に水の中の酸素は,遊離した酸素ガスとして放出されるので,食物だけでなく,わたしたちの呼吸する空
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