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現代の「エジプト人」を真理で悩ますものみの塔 1965 | 9月15日
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昆虫であり,食用に供することができました。事実いまでも東洋においていなごは食用となっています。空が暗くなるほど群れをなしてきたこのいなごの災いは,むかしのエジプトにかつてなかったほど大きな災いでした。モーセとアロンの与えた警告だけでも,パロのやり方に反対したパロの臣下が武器をとってパロに反抗するほどのものでした。そこでパロはいったんしりぞけたモーセとアロンを召しました。しかしエホバを崇拝するため荒野に行くのは男のみならずイスラエル全部であることをモーセとアロンから告げられると,パロは怒って二人を追い出しました。そのために臨んだこの災いは,以前の災いに残ったものまでことごとく食いつくす大災害となりました。しかしそれだけではありません。それはエジプトの豊じょうと収穫を司る神々に対する目ざましい勝利です。パロはいそいでモーセとアロンを召し,悔い改めを表明しましたが,後になって再び心をかたくなにしています。心の正しくない人は,経験から学ぶことがありません。
25,26 現代のいなごの災いは,今に至るまでどんな破壊をもたらしてきましたか。それはどんな手段によってですか。
25 この災いは何を表わしていますか。文字通りの災いはエジプトの残りの食糧に深刻な影響を及ぼし,ききんを生み出しました。しかしゴセンの地のエホバの民は無事でした。このいなごを送ったのはエホバです。この成就は,実体的なエジプトの宗教の提供する食物が今日エホバの証人によって暴露されている事だと言えるでしょう。このような「エジプト」には,生命を与える霊的な食物の欠けている事が証明されました。
26 この災いは,霊的食物に関して実体的なエジプトがエホバ神の目にどう見えるかを示しています。アロンの表わした霊的残れる者が,大いなるモーセ,イエス・キリストの導きの下にひろめる聖書の真理は,実体的エジプトの宗教の教理と行いが間違ったもので,その中に生命のないことを証明しています。経済,政治,科学者,哲学者またカトリックおよび新教の牧師をはじめ基本主義者,さらに進化論を受け入れる現代主義者をも含めて偽りの宗教家は,事態を収拾できません。実体的エジプト人は,およそ価値のある霊的食物には事欠いています。現代「エジプト」の霊的ききんが暴露されたことは,「エジプト人」にとって災いとなりました。世界が霊的ききんに見舞われていることは,「ものみの塔」,「目ざめよ!」の両誌およびエホバの証人の行なう講演の中でとりあげられてきました。この象徴的な災いの表明となった比較的最近の出版物には,「宗教は人類の為に何を成したか」および「大いなるバビロンは倒れた! 神の国は支配す!」があります。あらゆる偽りの宗教を含め,現代の「エジプト」に存在する霊的ききんを暴露したこれらの音信は,霊的に人を養う青いものが一つも残っていないこと,霊的な必要を意識する人はどこかほかの所にそれを求める必要のあることを示しています。
第九の災い ― 暗やみ
27,28 (イ)第九の災いは何でしたか。今までのうちでそれがエジプトの神々に最も大きな打撃を与える災いとなったのはなぜですか。(ロ)それがやんで後,パロはどんな反応を示しましたか。
27 古代エジプトのパロは第八の災いから教訓を学ぼうとしませんでした。そこでエホバ神は第九の災いである暗やみを送ります。出エジプト記 10章21節から29節によれば,それは濃いスモッグのように,感じることのできるほど厚い暗やみでした。事実やみにおおわれた三日三晩の間,エジプト人の中には自分のところから立つ者が一人もないほどでした。しかしイスラエル人はそれ以前の五つの災いと同じく九番目の災いをも免れ,その住居に光があったのです。この災いはオシリスの助言者で月の神また太陽,月,星の組織者であるトウト,および太陽神アモン・ラーをいやしめました。それはエジプトの神々にとって今までのところ最大の打撃であったと言えるでしょう。エジプト人は太陽と光をとくに崇拝したからです。
28 異常な暗やみという災いをこうむってのちに,パロはイスラエル人が荒野に行ってエホバを崇拝することを許すと言いました。しかしイスラエル人が犠牲のための家蓄を携えて行くことをモーセとアロンから聞かされると,パロは怒って言いました。「わたしの所から去りなさい。心して,わたしの顔は二度と見てはならない。わたしの顔を見る日には,あなたの命はないであろう」。これに対してモーセはおだやかに答えています。「よくぞ仰せられました。わたしは,二度と,あなたの顔を見ないでしょう」― 出エジプト 10:28,29。
29 今日どんなことが第九の災いの成就となっていますか。
29 現代における第九の災いの実体について今日キリスト教国はエホバ神を宇宙の光と認めず,イエス・キリストを救い主,世の光と認めていません。そのことは実体的エジプトの他の部分と同様です。人間の救いを進化に求め,あるいは物質的な科学に希望を托す人が大ぜいいます。数多い異教の宗教はそれぞれ救済の道を説いています。ユダヤ教徒に言わせれば,世の光,人類の唯一の希望はユダヤ教です。第九の災いは,これら光ととなえるものすべての愚かさを明らかにし,それに頼る者またそれを提唱する者が実際に暗黒の中にあり,精神的な暗黒のみならず,神の不興という暗やみに閉ざされていることを明らかにしています。この災いが初めて大規模に表明されたのは,1926年英国のロンドンで開かれたエホバの証人の大会においてでした。そのとき大会出席者の可決した決議を支持する講演「世界の諸強国はなぜよろめいているか ― その解決策」が行なわれました。この決議は国際連盟が完全な失敗であることを示し,「サタンの惑わしによって支配者も被支部者もその心が真の神から遠ざかっていること」,神の国だけが,長いあいだ人々を束縛した「盲目と無知」を除き得ることを示しています。(黙示 16:10,11)同様に1963年,全世界において採決された決議は,現代「エジプト」が神の恵みを失って暗黒に閉ざされていることを指摘しました。「唯一の光」とたたえられた国際連盟のような組織あるいは運動あるいは個人を問わず,人類の救い主を自称するものが光でも救い主でもない事は,エホバの民の宣べ伝える事柄によって明らかにされてきました。1926年英国ロンドンの大会で採決された決議は,講演と共に冊子に印刷され,5000万部も配布されました。加えてものみの塔協会は,80万の読者を持つロンドンの新聞ディリー・ニュースの全面広告の頁に同じ音信を載せました。実体的エジプトのやみが如何に濃いかを示すこれらの出版物すべては,象徴的な第九の災いの一部です。そしてエホバの証人の宣べ伝えるこのような音信は,これら世のものを光と仰ぐ人々にとって確かに災いとなります。
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実を結ぶ巧みな証言ものみの塔 1965 | 9月15日
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実を結ぶ巧みな証言
◆ 南太平洋のニューカレドニア島にはさまざまの人種,それにマホメット教,その他さまざまの宗教を信んじている人がいます。ある開拓者の姉妹はマホメット教徒の婦人を訪問しましたが,その婦人は宗教が違うから聖書の話を聞くわけには行きませんと答えました。そこで巧みに聖書は全能の神の導きで書かれたものだと答えた姉妹は,婦人が多くの神と唯一の真の神のどちらを信じているのかと尋ねました。婦人は唯一人の神だけを信じていると答えました。姉妹はそこで「神が唯一の方であるなら,あなたの神は私の神であり,その神の書物はあなたのためでもあり,私のためでもあるということになりますね」と話したところ,その婦人は聖書の話をよく聞き,本を求めました。そして再訪問で研究も始まりました。婦人は家族の反対にもかかわらずよい進歩を見せました。合意結婚の相手の男性をも説得して,結婚を合法的にした彼女は,次の巡回大会で浸礼を受けました。今度は彼女がインドネシヤの人に家庭聖書研究を司会しており,唯一の真の神の書物はあらゆる種類の人のためのものであると教えています。
― 1965年度エホバの証人の年鑑から
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