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  • テレビは子供たちにどんな影響を及ぼしていますか
    目ざめよ! 1978 | 7月22日
    • 子供に選択をまかせるなら,どちらを選ぶかは目に見えています。

      読書力が妨げられるだけでなく,テレビ中毒にかかった子供たちは大抵の場合,実際の人間に対して反応するのが難しくなります。なぜなら,実際の人間はテレビに登場する人物と同じような関心を引き起こさないからです。そして,大抵,子供が人間関係についてテレビから学ぶ事柄は実生活とほとんど何のかかわりもありません。

      家庭内でも同じことが言えます。家族の他の成員とうまくやってゆくには,実際に物事を行ない,話し合い,互いに影響し合って,学び,経験しなければならないのです。子供が自ら良い親になるには,そのような技術を培う必要が大いにあります。父親や母親,そして兄弟姉妹とのやり取りに代わるものは何一つありません。

      自分の持つ質問に対する答えを得,誤った見方を正してもらい,正しい見方を励ましてもらうために,子供は家庭内で絶えず意思を通わせている必要があります。しかし,あらゆる徴候は,テレビの見過ぎが物の見方に破壊的な影響を及ぼすことを示しています。そして後日,今日のテレビっ子たちが自分の子供を持ったとき,それはさらに大きな犠牲を生むでしょう。

      暴力の引き起こす事柄

      テレビが子供に及ぼす影響の中でも特に驚かされるのは,暴力と関係している点です。テレビで暴力場面を見過ぎる子供たちの多くがその日常の行動においてより乱暴になる,という証拠は各国で増えています。また,そうした子供たちは,他の人々に暴力が加えられることに対しても,より寛容な態度を示します。

      アメリカ医師会ジャーナル誌の一記事は次のような事柄を示しています。すなわち,普通のアメリカ人の子供は,高校を卒業するころまでに,「1万8,000件余りの殺人,さらには強盗,放火,爆撃,偽造,密輸,殴打,そして拷問などを事細かに描写した場面を無数に目撃している」のです。同誌は,十歳未満の子供を対象にした標準的なテレビ漫画には,ほぼ一分間に一回の割で暴力行為が見られる,と述べています。

      自分の子供がテレビで暴力場面を見過ぎた直後の反応に気付く親もいます。一人の親はこう述べています。「子供は急に自分を抑えられなくなる。子供は泣き言を言い,大騒ぎをし,全く手が付けられない。……子供が正常になるまでには少し時間がかかる」。

      しかし,その影響は単なる一時的なかんしゃくよりもはるかに大きなものとなり得るのです。例えば,1万人の子供を対象にした研究調査について報じた,146の科学文書がいずれも同様の結論に達したことを考えてください。それらの文書は,テレビの暴力場面の影響を受けて子供たちはますます攻撃的な行動に走るようになり,しかもそうした行動はなかなか消え去らないことを示しています。

      これは,単に米国だけに見られる事態ではありません。香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は,「テレビの暴力場面は子供たちに有害と見る専門家筋」という見出しを掲げました。同紙はこう伝えています。「香港の子供たちは特に,テレビの暴力的な番組の影響を受けるようである,と教育者,社会事業家,精神科医,そして心理学者等は語っている」。また,アトラス誌に掲載された,日本からの報道は,日本の子供たちがテレビで「ほとんど際限なく流血と暴力を見せられている」ことを示しています。

      カナダでは,オンタリオ州ハミルトン市の教育委員会が,同国政府のマスメディアにおける暴力問題調査委員会に提出した91ページに及ぶ報告書はこう述べています。「テレビの暴力場面は,反社会的な行動様式や非現実的な恐れを生み出し,周囲の世界の感情に対して子供を冷淡にならせる」。

      同調査委員会はまた,テレビの暴力場面が子供に及ぼす影響は,10年ないし20年後に爆発する可能性のある爆弾を仕掛けることにも似ている,と告げられました。その報告書はこう述べています。「子供がテレビで目撃する殺人や暴力の一つ一つは,天びんに載せられるごく小さな,おもりのようなものである。……その天びんが片方に傾き,正常なように見えた人が暴行に走るきっかけにならないということを保証できる心理学者は一人もいない」。

      英国では,二年にわたる調査の結果,俗悪なテレビ番組が原因で確かに若い人々の犯罪が増加していることが明らかになりました。13歳から16歳までの少年1,565人を対象とした,六年以上をかけた別の研究によって,テレビで残虐行為をよく見た子供たちは,そのような番組を定期的に見ることのない少年たちよりも,暴力に訴える率が50%も高いことが分かりました。

      米国公衆衛生局局長の委託した研究調査も,ほぼ同様の結論に達しました。テレビで暴力場面を見ることにより,子供たちはより乱暴に振る舞うようになるのです。これは,その子供の経済的な背景や家族の特徴や近所の様子とは無関係に言えることです。

      10年にわたる一実験について,サイエンス・ダイジェスト誌は,次のような事を伝えています。「19歳になったときの少年の攻撃的な気質は,その子が8歳の時に見た暴力的なテレビ番組の量と直接,そして著しいつながりを持っている。この点は,その少年の生来の攻撃的な気質の度合い,社会情勢,知力,あるいは親の行動とは無関係である」。この出版物は次のように警告しています。「特定の影響,中でも注目すべきこととして攻撃的な気質の増大は,一生消えない場合もある,ということを科学者たちは発見しつつある」。

      多くの親は,ワシントン・ポスト紙に次のような投稿をした親と同様の経験をしてきました。

      「私はテレビが自分の子供に及ぼす影響を見てきたが,その幾つかは私の意にそぐわない。例えば,子供の言葉遣いは日増しに乱暴になってきている。

      「息子は,家の中にある物でちょっとでもピストルに似た物があればそれを使って,絶えず私を“殺し”たり,自分が“死ん”だり,物や人を“撃っ”たりしている。

      「また,時には,怪物や海賊や単なる悪漢になったりする。そして,刑務所について話し,夜,電灯が消えると,異様な生き物が訪れて来ることについて話す」。

      裁判官たちは,今や暴力に対するこうした無感覚さの証拠を見ています。ペンシルバニア州の少年裁判所の判事,パトリック・タミリアは,年若い非行者たちがテレビに映し出される犯罪によって日増しにかたくなになってきている,と語っています。同判事は次のように述べています。「子供たちは,もはや裁判所に来ても余り泣かなくなった。その心のかたくなさは信じ難いとしか言いようがない。彼らはテレビで暴力行為を見るが,そこでは全くと言ってよいほど悔恨の情が示されることはない。それで,自分たちが他の人を傷つけても,人間を傷つけたというようには感じないのである」。

      警察の記録によると,テレビで見た犯罪を模倣する若者は,大抵の人が考えるよりもはるかに大勢います。例えば,17歳の一少年は,自分の見たテレビ番組を計画的に再現して,若い女性を殺害したことを認めました。家族のためのラム・シチューにガラス粉を振り掛けているところを見付けられた,7歳の少年は,あるテレビ番組からそのようなヒントを得た,と語りました。爆弾を使って,ある会社から500㌦(約12万円)を脅し取ろうとした二人の少年は,その発想をテレビから得ました。クリスマスに毒入りのキャンデーを教師に贈った9歳の少年は,そのような方法を,自分の妻を殺し,うまく逃げおおせた男の登場するテレビ番組から学んだ,と語りました。ある警察官の6歳になる息子は,自分の妹を“本当に死なせる”ために,実弾がほしいと父親にせがみました。テレビで人々は実際にそうしていると考えていたのです。

      十代の少年による性犯罪の多くは,テレビ番組の中で行なわれたものとほぼ同じでした。その結果,一人の親がテレビの一ネットワークを告訴するような事態が起きています。また,テレビの画面で行なわれる暴力を気にかけていなかったある母親は,テレビである男が別の人をまくらで窒息させるのを見たすぐ後に,4歳になる息子が飼い犬に同じことをしようとするのを見て,考えを変えました。

      子供たちはまた,テレビを見たことの直接の結果として,自分の命を危険にさらしました。オーストラリアのパース市で,4歳になる一少女は,テレビの漫画で行なわれた絞首刑をまねて,首をつろうとしました。子供たちは,“スーパーマン”や“バットマン”のようなテレビ番組の主人公のまねをして,高い所から飛び降り,骨を折ったり,けがをしたりしました。自転車に乗る子供たちが,テレビに出て来るオートバイのスタントマンのまねをしようとして,負傷したことも少なくありません。

      ですから,短期および長期にわたる影響に関する研究の中で,パレード誌の挙げた次の結論を支持するものはますます増えています。「テレビの暴力場面は……次の三つの点で子供たちにとって有害である。子供たちは攻撃的な行動を学び,覚え,そして多くの子供はそれを模倣する。子供は乱暴になりやすくなり,暴力をそれほど気にしなくなる。テレビの暴力場面は,子供の攻撃的な気質を“流し去る”のではなく,そうした気質をかき立てる」。

      もちろん,攻撃的な態度や暴力は幾世紀もの間若い人々の間に見られてきたのは確かです。しかし,以前の状態がどれほど悪かったとしても,ふさわしくないテレビ番組で絶えず養われていることが事態を悪化させているのは事実です。

      では,こうした傾向に対処するため,親にはどんなことができるでしょうか。低俗なテレビの番組編成の悪影響を避けるため,大人は自らどんな手を打つべきでしょうか。

  • テレビを制御しましょう
    目ざめよ! 1978 | 7月22日
    • テレビを制御しましょう

      正しく制御すれば,テレビは,情報を提供するもの,人を教育し楽しませるものとなり,生活を一層喜ばしいものにします。しかし,正しく制御しないなら,テレビは有害なものになりかねません。ですから,テレビがあなたを,そしてお子さんを,支配するようになる前に,それを支配する方法を身に着けてください。

      ニューヨーク・デーリー・ニューズ紙の紙上で,サウル・カペル博士は次のように書いています。「調査結果を疑うべき時はとうの昔に過ぎ去った。今は,親がそれに基づいて行動を起こし……子供がどれほどテレビを見,どんな番組を見ているかにもっと注意を払うべき時である」。大人自身のテレビを見る習慣についても,同じことが言えます。

      あなたはテレビ中毒にかかっていますか

      自分,そして自分の家族がどれほどの時間テレビを見て過ごすかを正直に見つめてみるのは良いことです。テレビのそばに,紙と鉛筆を置き,ごく普通の一週間に,だれがどれほどテレビを見たかを記録してもよいでしょう。それから,時間を合計してみるのです。その結果に驚かれるかもしれません。

      また,自分がテレビ中毒にかかりつつあるかどうかを見きわめる一助として,次のように自問してみるとよいでしょう。

      1. 自分の好きなテレビ番組が見られるので,日が暮れるのを待ち遠しく思いますか

      2. 自分の好きな番組が終わった後も,そのままテレビをつけておき,ほかの番組を見続けますか

      3. 上記のこと(1と2)を毎晩のようにしていますか

      4. 友人と時を過ごしたり,家族で何かをするよりもテレビを見るほうが良いと思いますか

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