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第三次世界大戦 ― だれがそれを阻止できるか目ざめよ! 1981 | 9月8日
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第三次世界大戦 ― だれがそれを阻止できるか
「神に対する愛のゆえに,子供たちに対する愛のゆえに,自分の属する文明に対する愛のゆえに,この狂気を終わらせよ!」 胸を打つこの言葉は,史上最大の軍備競争に現在うつつを抜かしている米ソ両国の指導者たちに向けて語られたものです。これは情報に通じていない,人騒がせな人間の言葉ではありません。これを語ったのは前駐ソ米国大使ジョージ・F・ケナンでした。
ケナン氏はこう指摘しています。「次の点を認識する人がいない限り,今日我々すべてが置かれている危険な状態を理解している者はひとりもいないことになる。それはすなわち,この現代の世界の諸政府が,特に大量殺りく兵器を含む膨大な軍隊を作り出し,育成しておきながら,自分たちの作り出したものの主人ではなく僕に成り下がってしまうことを避ける方法をまだ学んでいないという点である」。
今日の世界政治に対するケナン氏の暗い評価に同意する人はほかにも大勢います。中華人民共和国の一当局者は,超大国間の戦争が「不可避である」と述べ,さらにこう語っています。「これから先の10年間はすこぶる危険である。身の毛もよだつほどである。我々はこの事実を決して忘れてはならない」。
これほどに警鐘が鳴らされているのはなぜか
過去数年間,世界の超大国である米ソ両国間の“デタント”つまり緊張緩和について多くの事が語られてきました。この期間中,世界大戦の可能性は薄らいだという印象を持った人は少なくありませんでした。第一次戦略兵器制限条約(SALT I)が1972年に米ソ両国間で調印され,1979年にはSALT IIが調印されて,人々は“平和の世代”について希望を持って話していました。
もはやそうではありません。SALT II条約が調印されて18か月しかたたない1980年の末にケナン氏は次のことを指摘しました。「政治的な緊張が今日ほど危険な状況にまで達したことは過去30年間に1度もなかった。その間を通じて,誤解や疑念,当惑,純然たる軍事的な恐れなどがこれほど高じたことは1度もなかった」。
何が緊張を生み出したのでしょうか。かつては遠い先のことのように思われた第三次世界大戦が突如として間近に迫ってきたのはなぜですか。政治・経済・科学技術などの諸要素すべてが関係しています。そうした要素が相まって,軍備競争を生み,専門家たちはその競争に歯止めをかけるのは不可能ではないかと恐れています。しかし,歯止めをかけなければ,この軍備競争は必ず戦争に至ると言う人は少なくありません。
「現代史上,対立し合う大国同士が大規模な軍隊を育成して最終的に戦争がぼっ発しなかったという例は一つもない。そして,我々が先祖よりも偉大であるとか賢明であるとか信じる理由は何一つない」とケナン氏は警告しています。
どうして軍備競争を阻止することができないのでしょうか。
核時代に突入したばかりのころ,ミサイルの命中精度はそれほど高くありませんでした。都市のような非常に大きな目標に命中させるだけの精度はありましたが,敵のミサイル格納庫<サイロ>のような小さな目標に命中させる精度はありませんでした。その結果として生じたのが,ウィンストン・チャーチルが“核兵器所有の均衡”と呼んだものです。双方とも自国のミサイルのねらいを相手国の都市に定め,実質的には人質を交換したのと同じような態勢になりました。核戦争を始めれば,自国の都市を失うことになるということを双方とも了解していました。
相互確実破壊(英語ではその頭文字を取ってMAD[狂気の意]と呼ばれている)として知られるこの戦略理論は,一つの主要な理由から,第三次世界大戦が早期にぼっ発するのを阻止する面で役立ってきたかもしれません。その理由とは,どちらの側が第一撃を加えても結果は変わらないということでした。核戦争はいずれにしても双方に壊滅的な結果をもたらすでしょう。ですから,1962年のキューバ危機のようなかつての緊張時に最初の爆弾を投下する誘因は少なかったのです。
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世界を戦争へと駆り立てる科学技術目ざめよ! 1981 | 9月8日
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世界を戦争へと駆り立てる科学技術
科学技術はかつての“核兵器の所有による均衡”を一変させてしまいました。今日のミサイルは以前よりもはるかに命中精度が高くなっています。ですから,ミサイルはもはや都市にだけ向けられているのではありません。その多くは相手国のミサイルに向けられているのです。コンピューター制御による誘導システムが大いに向上したため,攻撃目標に変化が生じたのです。その結果,軍事上の考え方として相互確実破壊からカウンターフォース(対兵力)戦略への移行が見られました。その戦略では,理論的に,核戦争はもはや阻止するものではなく,むしろそれを遂行して勝利を収めるものとなっています。
では,どちらの側にしろ,核戦争に勝利を収めるという希望をどのようにして抱けるのでしょうか。敵国の都市ではなく敵のミサイルに第一撃を加えて,それらを破壊することによってです。そうなると,第一撃を受けた国は相手国の言うなりになるほかなく,提示される最終条件がどんなものであれそれをのまなければならなくなる,というのです。
この種の考え方は危険だと思われますか。多くの専門家はそう考えています。ストックホルム国際平和問題研究所のフランク・バーナビー博士はこう述べています。「2大国がカウンターフォース戦略に頼れば頼るほど,核兵器を用いた世界大戦の可能性が大きくなる。核時代のジレンマは,政治指導者たちがそのような戦争を避けようとしているのに,無制限な軍事面の科学技術の進歩によってそうした戦争に我々が追いやられていることである」。
1980年代には,カウンターフォースに用いられるほどの命中精度を備えたミサイルが増加の一途をたどり,世界はいよいよ危険な所になるでしょう。ニューヨーク・タイムズ紙が指摘するように,米国のマクナマラ元国防長官は1960年代に「米国の核兵力がソ連の核兵力を脅かすようになることに反対し」ました。「超大国のいずれか,あるいは双方が自国のミサイルは奇襲を受けかねないと考えるなら,危機の際にそれを発射しようとする圧力はほとんど耐え難いものになるであろう」とされたからです。マクナマラ氏の悪夢は間もなく正夢になろうとしています。
カウンターフォースの考え方は本当に世界を戦争へと追いやる一因となるでしょうか。近年の歴史は確かにそうなることを示しています。1922年に調印されたワシントン海軍条約の結果について考えてみましょう。その条約で,米国と日本,英国は各々戦艦の建造を制限することに同意しました。この条約は軍備競争に歯止めをかけるどころか,「当時主要国の海軍すべてを牛耳っていた戦艦の提督たちがなおざりにしていた新兵器,航空母艦の台頭を促すものとなった」と政治学のチャールズ・フェアバンクス教授は述べ,さらにこう語っています。「真珠湾攻撃が明らかにしたように,航空母艦は戦艦と比べて,危機の際に第一撃を加えることを促す兵器で,そのため戦争の起きる可能性が幾らか増大した」。
現代のミサイル同様,航空母艦は敵の攻撃を受けやすい兵器でした。戦艦と違って装甲で覆われておらず,ガソリンを満載していたからです。空母そのものを安全な海域に置いておき,艦載機で第一撃を与える側がそれを用いるなら,航空母艦は現代のミサイル同様非常に効果のある兵器でした。1941年に日米関係が悪化した時,日本は先制攻撃を加えようという圧力に耐えられなくなりました。米ソ関係がさらに悪化していくならどんなことになるでしょうか。歴史は繰り返すことになりますか。
レーザー,衛星そして誤報
1年足らずの間に1度ばかりか3度までも,1台のコンピューターはソ連のミサイルがアメリカに向かっていると伝えました。即座にFB-111とB-52爆撃機の乗員は各々の航空機のエンジンをかけ,米国の原子力潜水艦の艦隊は警戒態勢をとり,アメリカの1,000か所に及ぶミニットマン・ミサイル格納庫<サイロ>の要員も部所に着きました。いずれの場合も,コンピューターの警報は誤報であることが分かりました。誤報の2回までは,小さな46㌣の電子回路に原因のあったことが明らかになりました。爆撃機,潜水艦そしてミサイルの要員は平時の状態に戻るよう告げられました。……次に事が起きるまでのことですが。
「ここで損なわれているのは機械装置ではなく,正常な神経である」とニューヨーク・タイムズ紙は論評しました。軍人の中には,ミサイルの疑いが持たれる物体が実際に飛来して来るまで報復を待っていることはもはやできないと考えている人もいます。その結果,誤報によって本当の反撃が引き起こされる危険が大きくなってきています。カウンターフォースの考え方で目まぐるしく変化するこの世界において,単なる過失がきっかけとなって第三次世界大戦が起こりかねないのです。余り安心感を抱かせてくれる見込みとは言えないのではありませんか。
科学技術は軍事上の他の面でも世界を不安定にしています。その幾つかをここに挙げましょう。
潜水艦戦: 地上から発射されるミサイルの命中精度が他国のミサイルを破壊できるほど高くなっているだけでなく,アメリカの新型トライデント級潜水艦から発射される潜水艦発射ミサイルも同じほどの命中精度を備えるようになってきています。また,米ソ両国はありとあらゆる種類の対潜探知機や“攻撃型”潜水艦の開発に熱を上げています。しかし,原子力潜水艦が“第一撃”の攻撃目標になったならどうなるでしょうか。「そうなれば,先制核攻撃を行ないたいという誘惑はほとんど抗しがたいものとなろう」とバーナビー博士は述べています。
軍事衛星戦: 軍事衛星は今日の軍隊の目となり耳となっています。この緊張した時代にあって,敵のミサイルが発射されたことをできるだけ早期に警告し,また軍縮条約が守られているかどうかを確かめる手段にもなるのは軍事衛星です。現在では,軍事用の通信全体の7割ないし8割は軍事衛星を通して行なわれています。軍事衛星の重要度が非常に大きくなっているので,「ある国の軍事衛星が攻撃されれば,必ずや全面的核攻撃にまで発展すると言っても過言ではない。軍事衛星の情報収集能力が奪い去られてしまうからである」と述べる観測筋もあります。そのような攻撃は可能なのでしょうか。
「過去12年間にソ連は15基の衛星迎撃衛星を断続的に軌道に乗せてきた」と,「サイエンス80」誌に掲載された一報道は述べています。一方米国はF-15戦闘機から発射できる対軍事衛星ミサイルを開発中です。特に不穏なのは,非常に遠くの軌道上にある衛星の機能をさえも即座に停止させたりそれを破壊したりする能力を備えた新しい種類の兵器です。それはどのような種類の兵器でしょうか。
SF? 考え直すことが必要
飛んで来るミサイルを破壊する光線銃という概念はSFでの話だとお考えであれば,考え方を調整する必要があります。そのような兵器はすでに存在しているのです。1973年以来,空中の航空機やミサイルをレーザーで撃ち落とす実験が行なわれています。米国空軍は,輸送機に大型の実験用レーザー・ビーム装置を搭載し,高空での実験を行ないました。アメリカだけでもレーザー兵器の開発に10億㌦(約2,200億円)以上の予算がつぎ込まれており,この分野ではソ連も同じほど進歩しているとされています。
確かに,地上から発射されるレーザー・ビームが高空にある軍事衛星を撃ち落とせるようになるまでにはまだまだ時間が掛かるでしょう。そのようなレーザーには膨大な量のエネルギーが求められます。ところが,ニュー・サイエンティスト誌は,「それよりもはるかに少ない量のエネルギーで……軍事衛星の赤外線探知機の機能を停止させ,自国のミサイルの発射を敵国に探知されないようにすることができる」と述べています。これぐらいの出力を備えたレーザーであればすでにかなりの程度まで製造可能であり,危機感の増し加わる社会に別の不安定な要素を加えています。
いうまでもなく,安定感を損なう軍事面の科学技術の進歩を列挙してゆけば,そのリストはこれだけでは終わりません。スピードこそ遅いものの,命中精度はどんな大陸間弾道弾(ICBM)よりもはるかに優れている巡航ミサイルは,カウンターフォース兵器とみなせるでしょう。巡航ミサイルは小さな軍事目標を攻撃するには正にうってつけです。建物などの破壊は比較的少なくしながら,放射線で人間を殺害するために造られたのが“中性子爆弾”です。1925年以来戦闘で神経ガスを使うことは禁じられているというのに,新しい“改良された”神経ガスを用いるよう主張する軍当局者もいます。炭疽菌などの細菌を用いる細菌戦のことも話題に上っています。しかし,世界を第三次世界大戦へと追いやっているのは科学技術だけではありません。
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高まる世界の緊張 ― その原因目ざめよ! 1981 | 9月8日
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高まる世界の緊張 ― その原因
1979年9月に,米国の軍事衛星が南アフリカ付近に2重の閃光が上がるのを探知しました。そのような閃光は核爆発独特のものです。南アフリカは核兵器の実験をしていたのでしょうか。南アフリカ政府はそれを否定していますが,南アフリカは1968年の核拡散防止条約に調印していません。
核拡散防止条約に調印していない別の国はイスラエルです。1974年のこと,イスラエルの大統領はこう述べました。「我が国は核兵器を開発する力を備えることを常に心掛けてきた。今や我が国はその力を有するようになった」。
それだけではありません。「政府の情報専門家によると,台湾,韓国,パキスタン,南アフリカ,ブラジル,アルゼンチンなどを含む様々な国々が5年以内に,いわゆる“核クラブ”と言われる,現在核兵器を保有している六,七か国に加わる可能性がある」とニューヨーク・タイムズ紙は伝えています。
核兵器の広まることがほぼ確実と見られるというだけでなく,その兵器が広まると考えられている国々の置かれている状況は,これからの10年間を特に不穏なものにしています。それらの国々の多くは自国が強力な敵に取り囲まれていると考えています。「イスラエルや台湾のように自国が包囲されていると考える国々では,核兵器の力が敵国からのいかなる攻撃に対しても究極的な抑止力になると考える傾向が強まっている」とUS・ニューズ・アンド・ワールドリポート誌は論評しています。そのような国々が危機に面して核兵器の使用を抑制すると断言することはできません。
核拡散を防止することができますか。できそうもありません。原爆の原料になるプルトニウムがあまりにも多くあり,原爆の製造方法は容易に知ることができます。国際核燃料サイクル評価(INFCE)の委員会の最近の報告は,「現在核兵器を持っていない国々にそれが広まってゆくのを防止するという問題を,厳密な法解釈によって解決する方法は存在しない」という悲観論を示しています。―ストックホルム国際平和問題研究所(SIPRI)。
そのプルトニウムすべてはどこから来るのでしょうか。「これまでのところ,合計10万㌔の未処理のプルトニウムが民間の原子炉から集められている」とSIPRIは指摘しています。プルトニウムがほんの数㌔あれば,長崎を破壊したような爆弾を造ることができます。世界で石油が不足し,発展途上国が原子力に頼るようになると,それらの国々は副産物として原子爆弾の主な材料を手に入れることになります。
プルトニウムがあれば,発展途上国は本当に原子爆弾を造れるでしょうか。1978年に,米国の一大学生が25㌦出せばだれでも入手できる,機密扱いから外された文書を基に,本物の原子爆弾を設計して,新聞紙上をにぎわしました。専門家は,それが「実際に爆発する可能性は大いにある」と異口同音に述べています。大学生にできるのなら,どうして開発途上国にできないことがあるでしょうか。
協力か対決か
核保有国の増えた世界はいよいよ不安定なものになるであろう,と専門家は警告しています。核拡散問題の専門家であるハーバード大学のジョセフ・ナイの言葉を借りれば,「かなりの恐れと底知れぬ不確定要素の満ちる世界」ということになります。この不安定な状態を抑える方法といえば,米ソ両超大国間の協力関係を増し加えることです。そうした協力関係の結ばれる可能性がありますか。資源の少なくなっている世界にあって,その可能性は薄いと考える人は少なくありません。
米国は現在石油の40%を輸入しています。米国と同盟関係にある国々の多くが輸入しなければならない石油の割合はそれよりもさらに大きく,フランスの場合は90%,ドイツ連邦共和国の場合は97%にも及んでいます。これらの国々は自国の石油の供給を確保するためには戦争をも辞さないという態度を明らかにしています。その結果,ペルシャ湾のような産油地域では,超大国間の軍事上の対立が高まってきています。これは極めて危険な状況です。
リチャード・フォークは,第三次世界大戦が中東から始まる危険について論評し,次のように語りました。「過去の全面戦争は,ある大国が決定的な軍事力に頼って政治経済上の衰退を補おうとする時に必ず起きている」― 原子力科学者ブリテン誌,1979年4月号。
言い換えれば,軍事力の増強で経済上の問題を解決しようとすることが戦争につながるのです。現代で言えば,1941年にアメリカがかけがえのない石油に禁輸措置を講じたのに対して日本の採った“解決策”がその例です。「禁輸措置に動揺したため,日本海軍の司令部は……陸軍の過激主義との結託へと走った」。(ブリタニカ百科事典)その結果が真珠湾です。
世界は第二の真珠湾が起きてももちこたえるでしょうか。
米国に不足しているものは石油だけではありません。US・ニューズ・アンド・ワールドリポート誌は,「米国の産業界の消費する戦略的に重要な原材料23品目の半数以上は輸入に頼っている」と述べ,こう付け加えています。「さらに悪いことに,これらの鉱物資源の大半はサハラ砂漠に接するアフリカの政治的に不安定な国々から来ている」。米国は白金(原油を処理するのに用いる)の89%,クロム(戦車の装甲に用いる)の90%,マンガン(高力合金を造るのに用いる)の98%を輸入に頼っています。これら欠くことのできない品目の供給が脅かされれば,その各々の不足が,戦争が起きてもおかしくない状態を生み出します。
物不足に驚かなかった人もいる
第二次世界大戦以前に,米国は世界の他の国々全部を合わせたよりも多くの石油を産出していました。当時,アメリカの鉱物資源は無限であるとよく言われました。ほんの数十年後に,アメリカが戦略的に極めて重要な原材料の需要を自前では賄えなくなるなどと考えた人はほとんどいませんでした。しかし,聖書を注意深く研究していた人々は問題が臨むことを予見していました。
1958年当時に出版された「御心が地に成るように」a という本の中では,ダニエル書 11章に登場する「北の王」がソ連であるとされています。その同じ章にやはり登場する「南の王」は,英米両国に率いられる自由世界であるとされています。聖書預言のこの章は,これら二人の象徴的な王の間の争いを描写し,次のように述べています。
「そして,終わりの時に,南の王は彼[北の王]との押し合いをなすが,これに向かって北の王は兵車と騎兵と多くの船をもって襲撃する。……そして,彼[北の王]は隠された金銀の宝とエジプトのすべての望ましいものとを支配する」― ダニエル 11:40,43,新。
これにはどのような意味があるのでしょうか。「御心が地に成るように」という本は22年以上も前に聖書に基づく次のような非常に興味深い予告をしていました。
「北の王が『終りの時』に達する時,どの程度の所にまで達しているかは,将来になってみなければ分かりません。しかし,彼は金や銀,また油をも含めて商業化されて物質主義的になったこの世の貴重なもの全部を支配する,と予言されています」― 302ページ。
今日,ソ連は工業国の中で石油を輸入する必要のないごくわずかな国の一つです。ソ連はまた,「南の王」が切に必要としている戦略的に非常に重要な膨大な量の鉱物資源そのものを手中に収めています。最近の世界政治が超大国間の「押し合い」を特徴としているのも少しも不思議ではありません。
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