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幻の中で先見したその千年期を享受する神の千年王国は近づいた
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死」を受けるに値する不忠実に陥る可能性がないという点で,ほんとうに「聖なる」者たちです。彼らはまた,その復活により,天で「神およびキリストの祭司」となって,「千年のあいだ彼とともに王として支配」することができるのです。その時,悪魔サタンは世界の支配者ではなくなります。
現実の,明確に限定された「千年」
35,36 (イ)クリスチャンはバプテスマを受けて以来,「キリストの贖罪が効力を発揮している」ゆえにサタンの影響が減少するのを経験してきましたか。(ロ)ペテロやパウロの助言は,実情がどうなっていることを示していますか。
35 ですから,悪魔サタンとその使いたちである悪霊が鎖で縛られ,底知れぬ所に入れられるということは,新カトリック百科事典の述べること,すなわち現在のこの事物の体制の存続期間中にサタンの影響が著しく弱められる,つまり『キリストの贖罪が効力を発揮する』結果サタンの影響が大いに減少することを意味してはいません。確かに地上の真のクリスチャンは,水のバプテスマを受けて以来,サタンの影響がそれほど減少したとか,その影響が多少でも目だって弱められたなどとは感じてはいません。むしろ,使徒ペテロは地上での生涯の終わりごろ,次のような警告のことばをクリスチャンに書き送る必要を認めました。「冷静を保ち,油断なく見張っていなさい。あなたがたの敵対者である悪魔がほえるししのように歩き回って,だれかをむさぼり食おうとしています」。(ペテロ第一 5:8)同じ理由で,使徒パウロは次のような助言をクリスチャンに与えました。
36 「悪魔の策略にしっかり立ち向かえるように,完全にそろった,神からのよろいを着けなさい。わたしたちのする格闘は,血肉に対するものではなく,もろもろの政府と権威,またこのやみの世の支配者たちと,天の場所にある邪悪な霊の勢力に対するものだからです。このゆえに,完全にそろった,神からのよろいを取りなさい。あなたがたが,邪悪な日にあって抵抗できるように,また,すべての事を徹底的に行なったのち,しっかりと立てるようにです」― エフェソス 6:11-13。
37 キリストが贖罪のわざを行なって以来,サタンが比喩的に鎖で縛られたかどうかに関して,啓示 12章17節は何を示していますか。
37 さらに,啓示 12章1-17節で,使徒ヨハネは象徴的なことばを用いて,神のメシアの王国の誕生と,「初めからのへびで,悪魔またサタンと呼ばれ」た「大いなる龍」の,天から地に追い落とされた後の活動を描写しています。次いで,それらの事がらの生ずるこの20世紀の真のクリスチャンに対する特別の警告としてヨハネはこう付け加えます。「それで龍は女に向かって憤り,彼女の胤のうちの残っている者たち,すなわち,神のおきてを守り,イエスについての証しの業を持つ者たちと戦うために出て行った」。(啓示 12:17)このすべては水のバプテスマを受けた後のクリスチャンに対するサタンの力や影響が多少でも目だつほど弱められたことを示すと考えられますか。それはサタンが鎖で縛られるという意味ですか。
38 サタンが縛られ,底知れぬ所に入れられるのは,だれをそれ以上惑わすことがないためですか。
38 それにしても,使徒ヨハネが実際に述べるところによれば,悪魔サタンはなぜ捕えられ,鎖で縛られ,底知れぬ所に入れられるのですか。「千年が終わるまでもう諸国民を惑わすことができないように」するためです。(啓示 20:1-3)ヨハネの用いている「諸国民」ということばは,バプテスマを受けた,油そそがれた14万4,000人の王国相続者をさしているのではなくて,主イエス・キリストの正真正銘の追随者また模倣者ではない人びとのことを意味しています。悪魔は天から追い出される時点で,「サタン……人の住む全地を惑わしている者」と呼ばれています。(啓示 12:9)忠実な14万4,000人の王国相続者は,人の住む地の,それら惑わされている「諸国民」の一部ではありません。ゆえに,悪魔サタンとその使いたちである悪霊が縛られ,底知れぬ所に入れられると,「第一の復活」にあずかる14万4,000人の忠実な王国相続者をではなくて,「諸国民」をそれ以上惑わすことが中断されます。
39 西暦33年のペンテコステ以来,諸国民を惑わすサタンの影響は弱められてきましたか。啓示 12章12節は何を予告していますか。
39 では,西暦33年の七週の祭りの日にクリスチャン会衆が神の聖霊によってバプテスマを受けて以来,1,900年余の間,それら諸国民を惑わす悪魔サタンの影響は減少し,弱められてきましたか。この問いに,はいと答えるほど物を見る目のない,人類史に疎い人がいますか。実情はその逆です。科学の面で人類が最大の啓発を受けている時代の今日,世の「諸国民」はかつてないほどに惑わされ,またいっそう重大な結果を招くことになります。なぜですか。なぜなら,サタンと配下の悪霊によるそうした国際的欺瞞は,惑わされているそれら諸国民すべての,ごく近い将来における滅びを意味しているからです。悪魔サタンの放逐にさいして,「大きな声が天で」次のように述べたのももっともです。「地と海には災いが来る。悪魔が,自分の時の短いことを知り,大きな怒りをいだいてあなたがたのところに下ったからである」― 啓示 12:10-12。
40,41 (イ)このようなわけで,サタンが縛られる千年の期間に関する宗教家たちのどんな議論は偽りであることがわかりますか。(ロ)人類は何が実際に起きることを必要としていますか。今だれがキリストの千年統治に望みをかけていますか。
40 ゆえに,悪魔サタンが底知れぬ所に入れられる「千年」は文字どおりの千年ではなくて,地上における「教会の寿命の全期間」(既に1,900年余を経た)に適用されるとするキリスト教世界の宗教家のこの議論はまさしく偽りであることがわかります!
41 聖書の時間表によれば,地上における人類生存の七千年紀は間近に,この世代のうちに始まります。今やこれまでのどんな時代にもまして地上の住民は,悪魔サタンが実際に縛られ,底知れぬ所に入れられることを必要としています。その直前の世界的なできごとは今や起ころうとしています。そして,人類の大敵対者また大圧制者は,底知れぬ所に千年間閉じ込められます。キリストと復活させられたその会衆が千年のあいだ王として支配し,人類に平和と祝福をもたらすとともに,その輝かしい見込みすべてを伴う,すばらしい時代を,わたしたちは前途に控えているのです! 聖書を信じて献身し,今キリストの千年統治に望みをかけている「大群衆」には,死から守られて,人類史上最も輝かしい時代に招じ入れられる,神からの保証があります。彼らにとってそれはなんと祝福された見込みでしょう!
42 千年期の支配者たちに対する「大群衆」の態度に関して,どんな質問が提起されますか。それで,何を考慮するのは時宜にかなっていますか。
42 その「大群衆」は同じ支配者たちを自分たちの上に千年間戴くことに飽きないでしょうか。その期間が終わるずっと前に政府の変革を求めたり,支配者の別の一団の一般投票を叫び求めたりはしないでしょうか。というよりはむしろ,自分たちの上に戴く天のそうした祭司や王たちをいっそう愛することを学んだり,神の定められた全期間中彼らにその職に留まってもらうことを感謝したりしなくなるでしょうか。これらは重大な質問です。なぜなら,その千年王国のもとでそれら「大群衆」は,その天的な政府が持続するかぎり ― 千年間,そしてその後は果てしなく生きる機会を持つからです。いまこうした興味深い質問を考慮するにさいして,どんな王また祭司たちが仕えるのか,またその奉仕が全人類つまりそのとき生きている生存者や死者にとってどれほど貴重かをもっと十分に調べるのは時宜にかなったことです。(テモテ第二 4:1)それには,彼らの過去の背景や,いと高き神が彼らを千年期の王また祭司として仕えるにふさわしい者とみなすため彼らに何を要求されたかを調べてみなければなりません。
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後継者なしに千年間治める王たち神の千年王国は近づいた
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4章
後継者なしに千年間治める王たち
1 だれの時代以来,人間の立てた王国は不満足なものであることを示してきましたか。
人間の立てた王国は結局人類の必要を満たすものとはなりませんでした。人類家族は少なくとも西暦前22世紀つまり4,150年余の昔から,人間の立てた王国をもつようになりました。記録に残る最初の人間の王の名はニムロデです。箱船を建造したノアの曾孫ニムロデは,創世記 10章8-12節の記録によれば,自分勝手に王になったようです。
2 (イ)ノアは王国に対してどんな態度を取りましたか。(ロ)今日,大多数の人びとは明らかにどんな統治形態を好んでいますか。
2 ノアはニムロデの王国が始まった後まで生き延びましたが,彼をバベル(もしくはバビロン)の王にしたわけではありません。ノアは自らをさえ王とはせず,かえって膨張する人類家族の一族長として留まりました。(創世 9:28,29; 10:32–11:9)今日,たいていの民族は固有の家系の世襲後継者を持つ王には飽きています。一般
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