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  • ラクダ ― こぶのある,驚くべき砂漠の動物
    目ざめよ! 1977 | 4月8日
    • ラクダ ― こぶのある,驚くべき砂漠の動物

      アジアとアフリカの乾燥地帯に住む幾百万もの人々にとって,ラクダは最も貴重な動物です。ラクダは衣食住の面で必要品を供給し,農耕用の動物として役立ち,また主な輸送手段ともなっています。

      ラクダがすきを引いたり,かんがい用の水車を回したり,あるいは重い荷物を載せて砂漠を大儀そうに歩いているのを見掛けることがあります。この動物はミルクとチーズの供給源であり,そのこぶから取れる脂肪はバターを作るのに用いられます。食用にされる若いラクダの肉は,風味が子牛の肉に似ています。ラクダの毛は布地に織られ,衣服や毛布,テントに使われます。皮ははき物やくらなど,種々の皮製品に加工されます。骨でさえ見過ごされることはありません。乾燥させてから細工して,美術品にもなります。またラクダのふんは燃料として使われます。

      基本的な二種類のラクダのうちでは,フタコブラクダのほうが力があります。ヒトコブラクダに比べ,フタコブラクダの毛は長くて密生しているため,寒さによく耐えます。180㌔もの荷物を載せて,時速3㌔ないし5㌔で1日に50㌔ほど旅します。

      乗用及び競争用に飼育されるヒトコブラクダは,時速16㌔もの速さで砂漠を走り,1日に160㌔も旅することができます。二本の右足を同時に前へ出し,それから二本の左足を出すといった具合に足を動かすので,速度が速くなると乗り心地がかなり悪くなります。左右に揺れるため,乗っている人は“船酔い”したような気分になります。それで,ラクダが“砂漠の船”と呼ばれていることにはそれなりの理由があるわけです。

      この動物は,それほど愛想の良いほうではありません。ラクダを虐待すると,ひどい目に遭わされます。幾日もたってから顔につばきを掛けられても,驚いてはなりません。ラクダは荷を負わされると,鼻声を出し,大声でうなりながら立ち上がります。

      砂漠地帯に適した動物

      これらの動物は砂漠地帯の生活に大変適しています。ラクダは長い毛のお陰で,日中は炎熱から,夜間は寒さから守られています。生まれたときから毛の生えていないひざと胸の皮膚は,数か月もすると厚ぼったくて丈夫になり,ラクダがひざと胸を地面に付けて横たわる際にもけがをせずに済みます。ラクダの足の裏は幅が広く,つま先は二つに分かれています。歩くときに足の裏が広がるので,柔らかい砂漠の砂地に足が深くめり込むことはありません。

      砂ぼこりが立ってもラクダは困りません。なぜでしょうか。裂け目状の長い鼻の穴を自由に閉じることができ,目は長いまつ毛と厚いまぶたで守られるからです。耳はどうですか。砂で簡単に詰まってしまいますか。いいえ。ラクダの耳は小さくて,頭のずっと後ろの方にあり,外側も内側も毛で覆われています。

      食物もラクダにとって問題にはなりません。口の中が非常に丈夫にできているので,とげだらけの植物を食べてもけがをしません。また,そのがんじょうな歯のお陰で,ほとんど何でも食べることができます。

      36㌔余りもあるラクダのコブは主に脂肪でできています。それは,携帯用の食糧貯蔵室ともいうべき役割を果たしています。ラクダがこの貯蔵食糧を大量に引き出すと,こぶは小さくなります。しまいには,空の袋のように背中の片側に垂れ下がります。ラクダが再び栄養分を吸収し休息を取ると,こぶはまたふくらみます。

      水のある所では,ラクダは1日に20㍑から26㍑もの水を飲みます。しかしその著しい特徴は,ラクダが長時間水を飲まずに過ごすことができるという点です。荷を乗せたラクダが,水を飲まずに8日間旅をしたことが知られています。また,34日間という記録もあります。

      どのようにして水を飲まずに生き続けるのでしょうか。ラクダはこぶにも胃にも水を蓄えません。もちろん,食べた植物から幾らかの水分が組織に取り入れられます。しかし,ラクダにそうした耐久力があるのは,体内に水分を保持し,かなり多量の水分が失われても悪い症状を示すことなく,その状態に耐える能力があるからです。ラクダは体温が6度上がっても特に問題はないようです。人間は体重の一割相当の水分を失うと危険状態に陥りますが,ラクダは体重の四分の一の水分を失っても大丈夫です。これはラクダの場合,水分が主に組織から失われ,血液からはほんのわずかしか失われないからです。しかし人間の場合は,水分が組織と血液の両方から失われるのです。人間の血液とラクダの血液の大きな違いは,赤血球の形にあります。人間の赤血球は円板形ですが,ラクダの赤血球は楕円形になっています。

      長時間水を飲まずにいたラクダは,10分ほどで100㍑もの水を飲んでしまいます。それだけ水を飲むと,やせ衰えていたラクダも,見る間に元の状態に戻ります。これは,水分が組織内に入るからです。

      確かにラクダは,砂漠地帯で生きるのにぴったりの際立った動物です。幾十世紀もの間,ラクダは人間のためによく働いてきましたが,地上の乾燥した地域で,これからもきっと働き続けることでしょう。

  • 根元から先端まで役に立つ
    目ざめよ! 1977 | 4月8日
    • 根元から先端まで役に立つ

      ● ブラジル北東部の原地人の間で“命の木”と呼ばれているブラジル・ロウヤシには実に多くの用途があります。“ヤシ園”で刈り取られた葉からカルナバろうが抽出されます。このろうは,上質の床用ワックス,皮革保存剤,カーボン紙,レコード盤,映画のフィルム,各種のゴム製品,絶縁材などの原料になります。

      ろうが世界の各地で利用されている一方,原地ではこのヤシの木の残りの部分をフルに活用しています。葉は言うまでもなくござや草葺の屋根に用いられ,幹はあらゆる種類の建築資材に使われています。特に,ジャンガダと呼ばれる丈夫ないかだを作るのにこの幹は適しています。中をくり抜かれた樹幹は,導水管としても役立っています。

      その上ある部分は食用にもなります。新芽はキャベツヤシの芽のように食べることができますし,若茎からは澱粉が取れます。小さな丸い果実は,豚を太らせる飼料になり,また樹液から造られた発酵飲料もあります。確かに,ブラジル・ロウヤシは,根元から先端まで製品を生み出す経済的な“工場”です。

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