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『彼の救の良いたより』ものみの塔 1957 | 2月15日
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を崇めて讃える主要な理由を示しているのはヱホバの御名を負うクリスチャンの残れる者たちです。カトリック,新教徒,そしてユダヤ教の指導者たちは,ヱホバ神にむかい『私は,あなたが世から選んで私に賜わつた人々に,み名を現わしました。』と語つたイエスに倣つていません。それどころか,彼らはヱホバの証者を嘲笑し,どんな手段に訴えようともヱホバの証者を妨害して,神の聖名に証を立てさせまい,としています。しかし,それはみな水泡に帰しました! ヱホバの証者は,しつかりとイエス・キリストに倣いました。(ヨハネ 17:6,新口)彼らはヱホバの御名を現わし,次のいましめに従いました,『もろもろの国の中にヱホバの栄光を語り,すべての民の中にヱホバの奇しき御業を告げよ。』(詩 96:3,新世)共産主義者の支配する国々でも,ヱホバの証者がこの神のいましめに従うのを止めさせることができません。共産主義者の支配する国にいても,ヱホバの証者は,キリストによるヱホバの御国が1914年に天で運営を始めた,というよろこびのたよりを高らかに歌いつつ,宣べひろめて来ました。
救は何処に?
19 神の御国は,なぜ諸国家をこの恐れにおののく状態に入ることから救わなかつたのですか。
19 しかし,第一次世界大戦の始まつた年から神の政府が運営している,というのであるなら,それによる救は何処にありましたか。人々に宣べ伝えるための,ヱホバの救の良いたよりは,何処にありましたか。キリスト教国の国々を含めて,諸国家はなぜ自滅の間際に近づいているのですか。そして,なぜますます増大する分裂主義や,現代科学の発明品を悪く用いることに起因する必至の結果から自らを救おう,と努めているのですか。ヱホバは,その御国によつて,この恐れにおののく世界状態から彼らをなぜ救わなかつたのですか。それは,諸国家がキリストによるヱホバの御国を欲していないからである,と事実は答えています。彼らは,ヱホバの御国を全人類に来る最大の祝福と見なさず,その御国に信仰を持ちません。実際のところ,ヱホバの御国は人類に生ずる最悪のものであるかのごとくに恐れているのです。彼らは,神の天的な御国に頼らなくても良い,と自惚れにも感じており,御国に加わわることを欲しもしなければ,御国による救いをも欲しません。ヱホバの証者の宣べ伝える御国の音信を拒絶したり,またヱホバの証者を迫害したり,妨害したりすることは,彼らが御国に反対していることを示します。更に,世界の支配を目論む世界大戦や,国際連盟,国際連合は,そのことを証明します。その結果,彼らには救が全くなく,その事態はますます悪化して行きます。
20 天の御使たちは,御国による救いをどのように経験しましたか。
20 しかし,救われた私たちは,日ごとに良いたよりとして宣べ伝えることのできる『彼の救』があつたことを知つています。『この組織制度の神』は,サタン悪魔で,神の最も悪しき敵であり,『全世界は悪しき者の配下にある。』ことを私たちは知つています。(ヨハネ第一書 5:19そしてコリント後 4:4,新口)また,1914年には,地上の第一次世界大戦よりもずつと激しい戦があつたことを,私たちは知つています。それは天で行われた戦争でした。それは,ツエッペリン飛行船とか飛行機の戦でもなければ,超人の戦でもなく,また神秘的な『火星人』の戦でもありません。それは,新しく即位した王キリストとその御使たちが,偽りの神なる悪魔サタンと悪鬼になつた使共に対する霊界の戦争でした。この天界の戦争は,新しく誕生した神の御国の権力をより強固なものにしました。なぜなら,サタンの軍勢はみな天から出されて,この地球の近くに追い落されたからです。天の軍勢は,神の力によるこの救を,どれ程感謝したことか! 彼らは大声でこう叫びました,『今や,われらの神の救と力と国と,神のキリストの権威とは,現れた。われらの兄弟らを訴える者……は投げ落された。それゆえに,天とその中に住む者たちよ,大いに喜べ。しかし,地と海よ。おまえたちはわざわいである。悪魔が,自分の時が短いのを知り,激しい怒りをもつて,おまえたちのところに下つてきたからである。』(黙示 12:7-12; 11:15-18,新口)サタンに属する諸国家間の世界大戦を別にしても,天の戦争においてこのように敗北したことは,サタンとその世の制度にとつて恐ろしい患難でありました。
21,22 地上の誰が,御国による救いを最初に経験しましたか。そして,どのように?
21 しかし,それは自分の制度に降りかかる患難の始めにすぎない,そして『短い時』の後には,その患難の大結末が来る,とサタンは知つていました。これは,サタンに対するハルマゲンを意味します。そのとき,『全能の神の大なる日の戦』でサタンの制度はみな打ち砕かれて敗北し亡びてしまいます。(黙示 16:13-16; 19:21より20:3)この『短い時』があることにより,新しく誕生した御国によつてサタンの制度に加えられた患難は短くされました。それにより,サタンとその悪鬼共は,ほつと一息つくことができたのです。しかし,患難の日が短くされたのは,サタンの為でありません。それは,イエス・キリストの14万4000人の共同相続者に属する残れる者『その裔の残れるもの,すなわち神のいましめを守り,イエスの証を有てる者』を神が救うためでした。(黙示 12:17)第一次世界大戦中,残れる者はアメリカ合衆国や交戦中の国々で悪しざまに虐待されました。その虐待の企ては,残れる者を支離滅裂させて,その証言の業を止めさせ,かつ脅迫を加えて永久に証言の業を中止させ,今後永遠にわたつて残れる者の名声と良い立場を挫折せしめよう,とすることでした。神の御国に敵対の戦争をしていたこの世に束縛されていたなら,残れる者は必らずしも身体上の死に面しなくても,霊的な死に面したことでしよう。そのときに,ハルマゲドンが諸国家に来たとするなら,ヱホバにたいする義務不履行のため神の恵みを失つていた残れる者たちは,この世の諸国家と共に亡んだかも知れません。
22 神の選民の残れる者は,重大な事態に臨んでいました。それは,恵みに充ちる救を必要としたのです。ヱホバだけが,勝利のキリストを通してその救を備えることができました。ヱホバはサタンの制度の上に降りかかつた患難を短くし,そして『短い期間』の終る後までハルマゲドンを保留せられることによつて,そういたしました。イエスは,次の言葉の中にそのことを予告しました,『その日には,神が万物を造られた創造の初めから現在に至るまで,かつてなく今後もないような患難が起るからである。実際,ヱホバがその期間を縮めてくださらないなら,救われる者はひとりもないであろう。しかし,選ばれた選民のために,その期間をちぢめてくださつたのである。』― マルコ 13:19,20,新世。
23 1920年に啓示されたことによると,残れる者はなぜ地上で救われましたか。
23 現代歴史は,次の事実を記録しています。すなわち,第一次世界大戦が終つて後間もない1919年の春にヱホバ神はキリスト教国を驚かし,御自分の証者の残れる者をこの世の屈辱の束縛から自由に解放しました。その翌年に,彼は彼らの目を開き,彼らが『救わ』れて,助け出され,主の予言的な次のいましめを成就するためこの地上に生延びたことを知らしめました『終まで耐え忍ぶ者は救われるであろう。御国のこの良いたよりは,すべての国民に証をするため,全世界に伝道されるであろう。それから全き終が来るのである。』(マタイ 24:13,14,新世)1914年,『諸国民の定められた時』の終に天で設立された御国のこの『良いたより』は,彼らだけが持つていました。それは救いの良いたよりでした。その御国は,天で戦争を行い,サタンやその悪鬼の使の威赫的な汚れた活動から聖なる御使たちを救いました。それは,地上にいた選民の残れる者を霊的な危険から救い,そして彼らを自由にして勇気づけたのです。かくして,彼らは,ヱホバとその御国にたいする奉仕を更新して行うようになりました。
24 そのとき以来,地上の誰が救われましたか。そして,いま何をすることは特権ですか。
24 それから幾年もの年月を経た今日,この時代の大多数の人々は,この組織制度がハルマゲドンで全く終る以前に残れる者が与える証言を拒否してきました。しかし,救いの御国の『この良いたより』を伝道したことは,すでに『あらゆる国民,部族,民族,国語のうちから』来た善意者の『大ぜいの群衆』を救う結果になつています。そのことは,必らず起るはずでした。それは予告されていたからです。(黙示 7:9-17,新口)ハルマゲドンのとき,神権の御国は,勝利を得るでしよう。そして,サタンの制度を宇宙から取除き,善意者の『大ぜいの群衆』を救つてハルマゲドンの破壊的な患難を通過させ,新しい世に入れます。新しい世は,全地に行われる正義の新しい組織制度のことです。ハルマゲドン後も,その御国は救の力を更に行使して記憶の墓に死んでいる者たちにも救をもたらします。それは,キリスト統治の1000年間に,彼らを地上の生命に復活させるのです。これらの事柄をみな考慮するとき,本当に1919年以来は『彼の救』であります。そして,それについての良いたよりは,『日ごとに』語るべきであります。救われた者に加つて,その良いたよりを語ることは,心から感動する大きな特権です。
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卵の包装紙から真理を得るものみの塔 1957 | 2月15日
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卵の包装紙から真理を得る
1956年度のヱホバの証者の年鑑(英文)によると,南西アフリカには今日40人のヱホバの証者がいます。しかし,1945年には,ただ一人の証者しか居なかつたのです。最近になつて,この証者のところを訪問した際,その証者はどのようにヱホバの証者になつたかを知らせました。ずつと昔の1929年,鉱山で働いているとき,その人は近くの農夫から卵を入手していました。その卵は一つ一つ,或る本の紙,つまり本の頁でもつて包まれていたのです。その頁に書いてあることは,その人の興味を惹きました。そして,どんどんと読んで行きながら,いつたい何の本だろう,と不思議に思つたのです。或る日のこと,本の最後の頁が来て,そこにものみの塔協会の名前と住所が記されていました。その人は,ドイツにあつた協会に手紙を送つて,文書を入手し,その後間もなくして真理の側に立ちました。今日70才のその人は,いまでもヱホバの忠実な証者です。
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