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  • トリニダドの陽気な人々が歓ぶ真の理由
    ものみの塔 1983 | 10月1日
    • 最後の旅行中,ヤングはクイーンズ・パーク・サバンナの正面観覧席で話をしました。エホバの証人が再びそこに集ったのはそれから38年後のことです。

      禁令下で奉仕する

      1930年代初期は物事の急速な進展を見ませんでした。そして,1936年8月20日に,何の警告もなく協会の出版物が禁止されました。聖書すら禁止されたのです。その後少したって,聖書および協会の二,三の出版物を島に持ち込むことが許されました。しかし,禁令そのものは9年間続きました。その間,禁書の一覧表に載っている文書を所持していることが発見されると,逮捕されて投獄されることがありました。事実,数人のエホバの証人が逮捕されてある期間投獄されたこともあります。

      2か月間投獄された一兄弟は他の囚人に証言する良い機会を幾度も得ました。投獄中,日曜日が7回ありましたが,200人を超える囚人に話す特権があり,喜びました。囚人たちは刑務所内の教会の礼拝に出席するよりも兄弟の話を聞く方を好んだのです。

      宣教者がやって来る

      1946年3月,エホバの証人の宣教者アレキサンダー・サープは,老齢で病弱のギルバート・タルマと一緒に,ものみの塔協会の支部事務所で働くため,トリニダドへ派遣されました。サープ兄弟が到着したのは,ちょうど,ニューヨークの本部からN・H・ノアとF・W・フランズが訪問する時でした。協会の会長か副会長がトリニダドを訪れるのはその時が初めてでした。隣のバルバドス島に任命されていた3人の宣教者の援助を受けて,トリニダドの支部事務所の監督のもとに大会が取り決められました。そのすばらしい大会は一つの里程標となりました。なぜなら,39人がバプテスマを受け,ノア兄弟の公開講演には1,611名が出席したからです。

      その後,同じ年に,さらに8人の宣教者がトリニダドへ任命されました。新しい支部の建物が購入され,そこは宣教者の家としても使われました。その建物は26年間,支部として使われました。様々な時期に合計30人の宣教者が,三つの宣教者の家を拠点として奉仕しました。やがて,ものみの塔ギレアデ聖書学校の訓練を受けトリニダドへ戻って来た,多くの地元のエホバの証人が彼らに加わりました。幾人かの宣教者は死に至るまで忠実にトリニダドで奉仕しました。今日,トリニダドへ最初に派遣された宣教者は他の6人の宣教者と共にとどまっています。老齢に伴う幾つかの問題を抱えてはいますが,彼らは今も,実を結び,天のみ父の栄光のために奉仕することに喜びを見いだしています。―ヨハネ 15:8。

      幾年かの間に業は急速な拡大を遂げました。1946年5月のトリニダドとトバゴの王国伝道者数は325人でしたが,10年間に1,447人に増えました。一人の宣教者が1週間に25件以上の家庭聖書研究を司会することは珍しくありませんでした。時たつうちにさまよい出てしまった人も少なくありませんが,1946年当時研究した人の幾人かは現在クリスチャンの任命された長老として奉仕しています。

      旅行する監督たちによって幸福が増し加えられる

      初期の会衆は小さく,その集会所のほとんどには電気が引かれていませんでした。旅行する監督たちは地元の証人の簡素な家に泊まって彼らと食事を共にし,交わりを楽しみました。公開講演の聴衆を集めることは難しくありませんでした。ですから,数年の間,毎週二つの講演をするのがならわしになっていました。1度は王国会館で,もう1度は,屋外において,つまり商店の軒下でガスのランタンをともして行なわれました。

      あるとき,巡回監督が商店の軒先で講演をしていると,けむくじゃらのクモ(オオツチグモ)が光の円の中に入って来るのが見えました。そのクモはゆっくりと慎重にはって来て,明るい場所を横切り,闇に消えました。どこに行ったかは分かりませんでしたが,巡回監督はその後話を終えるまで気を散らさないようにするのに大変でした。

      巡回監督の訪問は会衆を強めました。真理を学んで歓ぶ人は増加の一途をたどり,引き続き霊的進歩が見られました。現在,地元のエホバの証人が巡回の業や地域の業を行なっています。

      歓びを得た人々

      長年の間に,あらゆる種類の人が真理に喜びを見いだしました。例えば病気で寝たきりの一中国青年は多くの知的な質問をし,家庭聖書研究で急速に進歩しました。その後,学んでいる事柄と比較するための情報を得ようとして,コロンブス騎士会,セブンスデーアドベンティストおよび回教徒のあるグループに手紙を書きました。しかしそのうちのどこからも,疑問に対する満足のいく答えが得られませんでした。青年は集会に出席することができませんでしたが,手紙によって集会に参加しました。個人的にバプテスマを施してもらい,全国的に名の知られた画家として最近亡くなるまで,常に最新の真理に通じていました。

      奉仕者が出会ったある若い女性は,占いをすることができると打ち明けました。しかしその女性は聖書に強い関心を示し,聖書研究が取り決まりました。やがて,心霊術に対するエホバの見解をはっきり悟り,持っていた本および神秘主義に関連した他の物品をすべて処分しました。(使徒 19:18-20)バプテスマを受けた後,その若い女性は米国へ移住し,長年の間全時間の王国宣明者として奉仕してきました。

      他の国から来た人の中にもトリニダドで聖書の真理を学んだ人々がいます。数年前,大学を卒業した一青年が教師としての契約を結んでトリニダドにやって来ました。彼にとってこれは最初の契約でした。この青年とその妻は急進的で無神論的な考えを抱いていました。その人は真理について少し知っていましたが,多くの疑問を持っており,支部事務所へ電話を掛けてきて面会を求めました。二人は協会の出版物を幾つか入手しました。次の週に,エホバの証人の一夫婦が二人を訪問して,「どんな疑問について話し合いを望んでおられるのですか」と尋ねました。すると,「何の疑問もありません!」という答えが返ってきました。二人は協会の書籍を読み,進化論が誤りで聖書が正しいということに確信を持っていたのです。直ちに集会に出席し始め,服装や身繕いも変化し始めました。まもなく野外奉仕に参加するようになりました。トリニダドに来て1年後に,二人は英国へ戻り,親族が聖書の真理を知るよう援助することができました。

      悪い習慣を克服し,現在「歓びをもってエホバに仕え」ている若者は少なくありません。(詩編 100:2)1日にトリニダド通貨のドルで約200㌦稼いでいたある麻薬密売人はその一例です。その人は何度も逮捕され,救いようのない状況にあるように見えました。ところがある日,かつて麻薬を使用していた以前の友達の訪問を受けました。その人は生活を改めてエホバの証人になっていました。聖書研究が取り決められました。かつて麻薬密売人であったこの人はこう語っています。「それから2週間で,私は変化し始めました。ひげをそって集会に行くようになったのです。髪を切り,兄弟たちのような服装をするようになりました。まもなく麻薬の売買をやめました。11か月ほど後には正規開拓者になりました。今では,警官を見てもどきどきしません」。

      歓ぶ理由は尽きない

      1972年,支部のさらに大きな宿舎と事務所の施設が取得されました。その後新たに別館も付け加えられました。こうした発展は,トリニダドとトバゴにおける業をエホバが祝福された結果です。特に,神とみ子に関する知識が増し加わっていることを大いに歓んでいますし,エホバに仕える特権を深く感謝しています。エホバは,ご自分を愛する人々を集めるというわたしたちの業を引き続き祝福してくださっています。1982年には王国宣明者の数は3,444人という最高数に達し,イエス・キリストの死の記念式の出席者は9,100人でした。

      確かに,わたしたちには神への崇拝と奉仕において歓ぶことのできる真の理由があります。そして,わたしたちの心からの祈りは,世界中の信仰の仲間と共に,み父エホバの栄光のため多くの実を結び続けることです。

  • 神は精神障害をもつ人を気遣っておられますか
    ものみの塔 1983 | 10月1日
    • 神は精神障害をもつ人を気遣っておられますか

      フロレンスは魅力的な若い女性でした。しかし,ファッション・モデルという胸のはずむ仕事を始めたばかりの時に突然精神の病気にかかり,ひどい抑うつ状態に陥って,両親の家に閉じこもってしまいました。生活に関心を失ってしまったフロレンスは,容姿にも全く気を使わなくなり,ついに自殺を企てました。

      フロレンスだけではありません。世界の至る所で多くの人が同じような悲劇に見舞われています。事実,精神障害は今日最も一般的な病気の一つとなっています。神は精神障害者をどうお考えでしょうか。本当に彼らのことを気遣っておられるでしょうか。

      ある人々はともすると,神は精神的に正常とみなされる人しか相手にされないと考えます。精神障害は神が与える直接的な罰の一種と考えている人さえいます。しかし,人が精神の病気になるのは神のせいでしょうか。精神障害の本当の原因は何でしょうか。

      根本原因

      昔は一般に,精神障害はほとんどみな超自然の原因によると信じられていました。そして中には,これが精神障害もしくは精神異常に対する聖書の見方である,と考えている人もいます。なるほど聖書は目に見えない悪霊につかれていた人々のことを述べています。しかし,だからといって,あらゆる種類の精神障害を,悪霊につかれたために生じるものと断定することはできません。

      もちろん,聖書はさまざまな病気の原因を説明する医学書ではないということを覚えていなければなりません。しかし聖書は確かに,人間がかかる精神と肉体の病気すべての共通の原因が何であるかを説明しています。それによると,わたしたちは死をもたらす不完全さの犠牲者です。わたしたちの罪深い先祖アダムがその不完全さを人類に伝えたのです。使徒パウロはそのことを次のように説明しています。「一人の人を通して罪が世に入り,罪を通して死が入り,こうして死が,すべての人が罪をおかしたがゆえにすべての人に広がっ

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