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家庭内暴力にどう対処できるか目ざめよ! 1979 | 8月8日
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かもしれません。―テモテ第二 3:16,17。
どうして聖書に行き着くのか
家庭内暴力に対処したり,それを未然に防いだりするための,最善かつ最も実際的な助言の多くが神の言葉からのものであることにお気づきでしょう。それも予期されることです。その著者は家族生活の創始者であられ,人類史を通して暴力的な家庭をも平和な家庭をも見てこられたからです。その方は,家庭内暴力という増大する問題に対処するのに最善の助言を聖書の中に含められました。
例えば,聖書は,夫婦が自分たちを「一つの肉体」とみなすよう繰り返し強調しています。(創世 2:24。マルコ 10:8。エフェソス 5:31)夫婦がそこで神の言っておられる事柄の真意をくみ取るなら,その家庭で暴力沙汰の起きることはないでしょう。エフェソス 5章28,29節はこの点を詳細に論じ,こう述べています。「妻を愛する者は自分自身を愛しているのです。自分の身を憎んだ者はかつていないからです。むしろ人は,それを養い,またたいせつにします」。この言葉の真実さを認められるのではありませんか。自分の手に腹を立てるあまり,なべやハンマーを使ってそれを殴り付けたことがありますか。あるいは自分の首に対して怒りを覚えるあまり,自分の首を締めたことがありますか。
またわたしたちは,難聴のような,自分の体の弱い点や異常な箇所に気づくと,そうしたところをかばうのではありませんか。その点は結婚生活にも当てはまります。ところが,大抵,夫婦げんかの根本にある考えは,『どうして君(あなた)はもっと私のようになれないのか。どうして私のような物の見方をし,私のやり方で物事を行なわないのか』というものです。当然のことながら,この考えはそのような言葉だけで言い表わされるわけではないかもしれません。こんな言い回しになることもあるでしょう。『どうして君は食卓を片付けないうちにテレビの前に座り込むのか』とか,『どうして汚れたくつ下を脱ぎっぱなしにして,洗たく物の中に入れておいてくださらなかったの』とかいった具合です。根本にある考えは同じです。しかし,夫婦が一体であるという神の見解に従う夫や妻は,配偶者を独自の特異な点や弱点のある者として一層快く受け入れ,配偶者が向上しようと努める間,そうした点を愛のうちに償わねばならないものとみなします。聖書は賢明にもこう述べています。「人の洞察力は確かに自分の怒りを遅らせる。違反を過ぎ越すことはその人の美である」― 箴 19:11,新。
聖書を受け入れそれに従う夫婦はまた,定期的に一緒に祈ります。(ペテロ第一 4:7)夫婦が助けと憐れみを求めて謙そんに神に祈る際,身体的にも感情的にも親密であることはどれほど互いを強めるものとなるか考えてみるとよいでしょう。興味深いことに,家庭内暴力に関してニューヨークの心理学者,S・ダイダートはこう書いています。
「私は大抵,結婚した晩に祈るよう夫婦に告げる。私が思うに,この習慣を身に着けてしまうと,その夫婦が暴力行為に走ることはずっと難しくなる」。
聖書の原則を当てはめることに伴って,祈りがゾイーラとデービッドの生活の一部になりました。ペルーの原住民であるゾイーラの話は次のようなものです。
「私たちの結婚生活は完全に破たんをきたしていました。デービッドは私を置いて,毎晩のように家を空け,あり金すべてを使ってしまい,生活必需品に事欠くことさえ度々ありました。そして,私はよく殴られ,妊娠中にも,目の回りに黒いあざができ,指を折られる始末でした。私はおなかの中の赤ちゃんを傷付けられてはいけないと思い,腹部をかばいました」。やがて,エホバの証人である,デービッドのおばさんがこの二人を訪ね,聖書研究を始めました。デービッドは自分のそれまでの行為の誤りを認めるようになり,そのことで,自分が変化しなければ神が地から悪を除かれるときにエホバの恵みを期待できないことに気付いて,涙を流したことさえありました。聖書を適用することにより,二人は自分の人格や生き方を変化させました。今や二人にとって,家庭内暴力は過去のものとなっています」。
ですから,ニュース報道が,殴られる妻,たたかれる夫,そして子供に対する虐待など,家庭内暴力の広まりを強調し続けているとしても,それは必ずしも,解決できない,あるいは回避できない問題ではありません。その犠牲になって来た人や,自らそれに加わってきた人でも,神の完全な助言を当てはめるために措置を講ずることができます。そうすれば,あなたにとっても,家庭内暴力は過去のものとなるでしょう。
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驚くべきイルカの習性目ざめよ! 1979 | 8月8日
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驚くべきイルカの習性
象牙海岸の「目ざめよ!」通信員
それは彼女の初めての子供になるはずでした。母親になろうとしている大勢の者たちと同じように,彼女も,お産の時期が近付くと,心配そうな様子で自分の母親を探しました。子供が産まれるときにその場にいて手助けをしてくれる“お母さん”がいるというのは,何とありがたいことでしょう。
世界中の家庭で,母親たちは昔からそうした気持ちを抱いてきました。しかし,これからご紹介する家族は,人間の家族ではありません。その家族の成員はすべてイルカなのです。
イルカははるか昔から人に知られていましたが,このような習性はほとんど知られていないようです。実際,イルカはギリシャの伝説の中でも顕著な存在です。有名なデルフィの神話は,アポロがその姿を借りたと言われるイルカ(ギリシャ語でデルフィス)にちなんで名付けられました。また,ある時期には,イルカは王族とさえ関係がありました。フランスの皇太子は,ドファン(イルカ)という名で知られていました。
イルカのこっけいなしぐさや,おぼれかけた人を自ら助けようとすることなどに関する話が,この動物に対する興味を大いにそそったようです。しかしながら,太平洋上で撃墜された米軍機の飛行士の中には,イルカが差し伸べた救助をあまりありがたく思わなかった人たちもいました。イルカの救援隊は,その救命いかだを,日本領の島の方に押していったのです。
とはいうものの,かなり最近になるまで,この驚嘆すべき水生動物に関しては,比較的わずかしか
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