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ヘビ ― 人間の友か敵か目ざめよ! 1971 | 6月8日
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獲物を好むので,人間に対する危険は少ない。したがって毒ヘビが人間には一番危険である。しかし,世界で知られているおよそ3,000種類のヘビのうち,毒のあるのはごく少数にすぎず,人間を害するのは100種類の中のわずか8種ぐらいだと推定されている。
最近ある著述家は『パナマでヘビにかまれる公算は雷に打たれるのとほぼ等しい』と述べた。しかし『ヘビに最もよくかまれるのはそれを扱う人たちであるから,ヘビをおもちゃにしないのが最善である』とも語った。
パナマで最も危険なヘビは有毒なフュール・ドゥ・ラーンス,ブッシュマスター,コーラル,それにやや毒の少ないパーム・アンド・ホッグノーズド・バイパーである。太平洋のヘビも危険で,陸上のヘビより50倍も強い毒を持っているため,太平洋岸で水浴する人々には災いとなることがある。
ところで,陸上のヘビは,その気になれば人を追いかけてつかまえることができるだろうか。おそらくそういうことはあるまい。大部分のヘビが出せる最高速度は時速13㌔ぐらいにすぎず,人間が走る速さよりもおそい。また人間と同じぐらいの速さを持つヘビはほとんどいない。一つの著しい例外は,すばやいキングコブラである。といっても,このヘビが動き回る時には頭を地面からもたげ,方向転換するためにはその頭を水平に降ろさなければならないから,身をかわせば屋外では逃げられる。まさにそうした策略を使ってキングコブラから逃げた人の話がいくつもある。
実をいうと,ヘビは一般的にたいへんなはにかみやで,機会さえあれば人道から遠ざかろうとする。そうした用心深さは,ほとんどのコブラを含めて,有毒な種類のヘビについて言える。ヘビは人間を待ち構えて襲うようなことはしないから,庭園にいる時,あるいは木立ちややぶに囲まれている時に注意深くありさえすれば,かまれる確率は少ない。また,場所によってはガレージや家の回りでも気をつけるとよい。毒ヘビはそうした場所にも侵入するからである。
不当な評判
ヘビはおおかた不当な評判を受けているようである。は虫類学者サム・テルフォードはそう考える人のひとりで,次のように語った。「ヘビは不当な評判を得ている。二,三の種類が危険なために,その全部が中傷されてきた」。
テルフォードが指摘するとおり,ヘビは実際有益な目的を果たしてくれる。速い割合でふえ,作物に大きな被害をもたらすドブネズミやハツカネズミ,その他のゲッ歯類を制するのにたいせつなのだ。だから多くの農夫たちはヘビを自分たちの友だち,つまり農業の苦労を共にする協働者と見なしている。
しかしヘビは非常に変わった仕方でも人間に益となる。1970年2月号の「パナマ・カナル・レビュー」誌の中で,ウィリー・K・フライアーはこう語っている。「パナマ運河地帯の空軍熱帯耐久教練で,ボアは訓練生の給食の献立に定期的に供され,『りっぱな厚い肉片』とさえ言われている」。
中には危険で軽々しく扱うことのできないヘビがいる一方,大部分は人間の役にたつ。ヘビは人間の敵ではなくて,友である。
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酒のビンに取って代わった聖書目ざめよ! 1971 | 6月8日
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酒のビンに取って代わった聖書
◆ インドのある地域では,40人からなる新しいグループが,とこしえの命に導く真理と題する本をマラヤラム語で学んでいます。土地の司祭はそのことを耳にし,自分の会衆の前でエホバの証人を大酒飲みでけんか好きだと公然と非難しました。と,ひとりの婦人がすぐさま立ち上がり,こう叫びました。「それはまちがいです。わたしのむすこはあなたの教会に通っている間は飲んだくれでした。でもエホバの証人といっしょに聖書研究をするようになった今では,あなたもご覧のとおり,お酒のビンの代わりに聖書を手にして歩いています」。
― エホバの証人の1971年度年鑑より
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