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国際連合 ― 世界的勢力としてどれほどの力があるかものみの塔 1974 | 12月15日
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が世界的名声を失う要因となりました。なぜでしょうか。
ひとつには,この拡大は同機構を真に世界的なものにしました。しかし,それと同時に西側の影響力は着実に侵食されはじめました。機構に対する熱意と意欲は薄れ,アメリカにおいてそれが目立ちました。
幻滅を感じさせられる主な原因は総会における投票でした。総会では,今は多数参加する小国 ― ある国は人口100万人以下 ― がみな,イギリス,ブラジル,アメリカ,あるいはソ連などの大きな国々と同等の投票権を持っています。「超大国」はこのことにしばしば不満を感じます。
過去10年の間には,アジア-アフリカ諸国が優勢になり,国連において多数者の地位を占めるようになりました。(加盟国135のうち70以上がアジア-アフリカ諸国)これが,8億余の膨大な人口を擁する共産主義中国を国連に加盟させるための20年来の運動を成功させた強力な原因であったことは疑えません。1971年,共産主義中国は国府に代わって,安全保障理事会の中に永久的地位を得ました。このことも国連の急激な変容の一因となりました。事態がもはや,この世界機構の幼児期のときのような状態にもどらないことは明らかです。
国連は拡大したにもかかわらず,世界の目には,国連が力を新たにしたことを示す注目に価するほどのしるしは見られませんでした。貧しい「開発途上」国で成るいわゆる「第三世界」は,「超大国」の反対に面しながら決議案を総会にかけて通過させる驚くべき地位を得ました。しかし「第三世界」の国々は,その決議を強力に押し進める手段を持ちませんでした。例の欲求不満の状態はつづき,この巨大な機構は,引っぱったり,うなったり,叫んだりしましたが,その力を調整して決定的措置を取ることは,たいていの場合不可能でした。
1970年のライフ誌の社説はそのことを次のように述べています。「国家の利己主義が,依然として国際政治の共通の特徴となっている。そして実力は,それが常にあった所,すなわち大国の政府と軍隊にある」。
ではなぜ現在国際連合が力を盛り返しつつあると信ずる理由があるのでしょうか。どんな要素がそれに寄与していますか。この世界機構は,全人類の将来において,まだどんな役割を果たすのでしょうか。
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国連の前途には何があるかものみの塔 1974 | 12月15日
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国連の前途には何があるか
国際連合は明らかに,その活力と国際舞台での名声を回復する時期に入りつつあります。近い将来においては国連は,世界をゆるがす衝撃的な事件に関係するようになるでしょう。なぜですか。
1973年10月の中東紛争とその結果は,国連の威信を取りもどすのに大いに役立ちました。イスラエルとエジプトおよびシリアの間の停戦協定で,大国が主役を演じたことは事実です。しかしフィンランド人の歴史家,マックス・ヤコプソンは,サタデー・レビュー誌の世界欄(1974年3月23日号)に次のように書いています。
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