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うちの子がいなくなった!目ざめよ! 1984 | 7月22日
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へ目がいきます。必ずです。空港でも,別の都市でも,自分の住んでいる町でも,ともかくどこでも,小さなブロンドの男の子がいるとその子に目をやり,こちらを振り向いたらそれがタージだった,ということにならないかと,いつも見ています。決して捜すのをやめないつもりです」とアネットは語っています。
このような経験をしているのはアネットばかりではありません。家からいなくなったという届けが出され,二度と姿を現わさない子供が,毎年,文字通り幾万人もいるのです。タージのように険悪な,あるいは不愉快な家庭環境から逃げ出す子もいれば,連れ去られたり,何の理由もなく姿を消したりする子もいます。そうした子供たちはどうなってしまうのでしょうか。どうして行方が分からなくなるのですか。
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子供たちが姿を消す理由目ざめよ! 1984 | 7月22日
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子供たちが姿を消す理由
母親であればだれでも,子供がいなくなったという経験をしたことがあるでしょう。学校や遊びから戻るのが遅くなったり,近くの店へお使いに行ったまま,なかなか帰らなかったりしたかもしれません。時が刻々と過ぎてゆき,母親は子供の身の安全を案じて気も狂わんばかりになり,捜索を始めることさえあるかもしれません。大抵の場合,そういう子はあちらこちらをぶらぶらして,無事に帰って来るものです。そしておそらく,緊張しきった親の手で何らかの懲らしめを受けることになるでしょう。
しかし,家に戻らず,こつ然と姿を消してしまう子供が増えています。それはどれくらいの数になるのでしょうか。本当のところを知っている人は一人もいません。「残念ながら,そのようなデータはない」と,ユニセフ(国連児童基金)の統計担当首席顧問レオ・ゴールドストーンは語っています。「国際的な規模ではその統計を取っていない」のです。ほとんどの事例は専ら一地方の問題として扱われるので,詳しい全国的な統計もありません。米国の上院議員ポーラ・ホーキンズ女史は,「毎年何人ぐらいの子供たちがいなくなるかということさえ,だれも知らない」と述べ,さらにこう付け加えています。「しかし,これがもはや放置できない問題であることはよく分かっている」。
それでも,推定値は出ています。ニューヨーク・タイムズ紙は,「米国保健福祉省の推定では,毎年180万人の子供が家から姿を消す。しかし,大半はほとんどすぐに戻って来る。片親に連れ去られる子供が少なくない。犯罪の犠牲になる子供も幾百人もいる。しかし,毎年,5万人ほどの子供の消息は分からないままに終わる」と述べています。同紙はまた,「わが国では引き取り手のないままに終わる」子供の死体が「毎年」一千体はあると述べています。
大半は家出
行方が分からなくなる子供の大多数は家出人です。イタリアだけでも,毎年5万人以上の若い人々が家出をすると伝えられています。米国では毎年推定130万件の家出があります。「しかし,これは家出の件数であって,実際にいなくなる人の数ではない。この数には常習的な家出人も含まれている」と,「全米家出人/行方不明者報告」の出版元であるサーチ社の取締役,チャールズ・サザーランドは述べています。
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