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愛,「結合の完全なきずな」ものみの塔 1983 | 3月15日
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対して不満の理由がある場合でも,引き続き互いに忍び,互いに惜しみなく許し合いなさい。エホバが惜しみなく許してくださったように,あなた方もそのようにしなさい。しかし,これらすべてに加えて,愛を身に着けなさい。それは結合の完全なきずななのです」― コロサイ 3:12-14。
一致していない人々との対照
14 クリスチャン会衆の成員は,使徒たちの指示に基づいて行動する以前にはどんな種類の人間でしたか。
14 使徒たちのこれらの指示は,クリスチャン会衆の成員がどんな種類の人であるべきかを示しています。以前彼らは,悪魔的な特質をすべて備えた,神のない不快な世の一部でした。では当時の彼らの人格はどんな種類のものでしたか。コリント第一 6章9節から11節で,パウロはこの点を指摘し,こう述べています。「あなた方は,不義の者が神の王国を受け継がないことを知らないとでもいうのですか。惑わされてはなりません。淫行の者,偶像を礼拝する者,姦淫をする者,不自然な目的のために囲われた男,男どうしで寝る者,盗む者……はいずれも神の王国を受け継がないのです。とはいえ,あなた方の中にはそのような人たちもいました。しかし,あなた方は洗われて清くなったのです。神聖な者とされたのです。わたしたちの主イエス・キリストの名において,またわたしたちの神の霊をもって,義と宣せられたのです」。
15 この世の人々に,持続する『結合のきずな』がないのはなぜですか。
15 ここに述べられているような世の人々にとって,自分たちに対するしっかりした完全な結合物となる,利他的で純粋なものを得るのは容易なことではないでしょう。実際,彼らには「結合の完全なきずな」はありません。そのため,古い世にある外部の人間社会は,しっかり団結してはいません。共通の利己的な関心事がしばらくは彼らを団結させるかもしれませんが,時がたち,その利己的な共通の関心事がなくなると,世の利益を追う人々は互いに対する関心を失います。互いを結び付けていたきずなは消えうせてしまいます。ですから最終的に彼らは,地域社会内の避け難い仲間の人間として互いに忍び合うしかないのです。
16 一時的に一致をもたらしていた事柄から解放されると,この世の人々は何に戻りますか。なぜですか。
16 国家主義! 愛国主義! 宗教的党派主義! 人種的優越感! 感情をかきたてるこうした事柄は,病的興奮状態にまであおられると,関係する人々を義務感や使命感で圧倒してしまいます。しかし結局のところ,人は自分を一番大切にする人間であることに変わりないのです。ですから仕事が休みで,自分の個人的な好き嫌いに基づいてしたいことが存分できるようになると,彼らは昔のままの,自分に仕える人間であることを明らかにします。この世に従っている人々は,この世における顕著な任務ゆえに,あるいはこの世の大義のために示した確固たる熱情のゆえに大いに賞揚され,天的な誉れや栄光に値すると言われるかもしれません。しかし聖書の規準に従えば,彼らを,キリストと共に統治するため,エホバ神の天の王国で場所を占めるに値する者とみなすことはできません。
17 神の王国は,それを第一に求めている人々の側に何を要求しますか。このために彼らを助けるものは何ですか。
17 神の王国は,この世およびその帰依者たちと提携してはいません。サタンが支配するこの世は,その支持者たちを一致させる面で大きな失敗をしてはいても,キリストのもとにある神の王国は,その王国を第一に求める献身してバプテスマを受けたクリスチャンの側に,一致した行動と奉仕を求めます。この王国は神の愛の所産です。この天的な政府の支配的な特質は愛,それも特に神に対する愛と,その主要な敵対者であるサタンならびにサタンが「神」となっているこの世に対する憎しみです。サタンの側のあらゆる分裂工作にもかかわらず,天的な父であるエホバ神から出るこの愛は,目に見える神の地上の組織に付き従うすべての人々にとって,そうです,天と地双方における神の家族全体にとって,「結合の完全なきずな」として機能し続けます。
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『結合のきずな』としての愛は,「完全な」ものであるものみの塔 1983 | 3月15日
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『結合のきずな』としての愛は,「完全な」ものである
1 どんな点で,エホバを鍛造者になぞらえることができますか。どのような意味で,すべての家族はその名を神に負っていますか。
宇宙における最も偉大な鍛造者であられる全能のエホバ神は,永久にわたってゆるぐことのない『結合のきずな』を鍛造することがおできになります。家族のきずなは,地上のものでさえ,非常に強力なものとなり得ます。そしてエホバ神は『父,すなわち天と地のあらゆる家族がその名を負う方』と述べられています。(エフェソス 3:14,15)族長ノアの時代の世界的大洪水以後の人間家族はすべて,その忠実な人ノアの子孫です。神はノアを,その家族共々,世界をすっぽり呑み込む洪水から保護されるに値する者として是認されたのです。この事実により,現在地上にいる人間家族すべては,その「名」をノアに負っています。つまり名前を持って生きているという事実をノアに負っているのです。過去においてエホバ神は,地上の幾人かの人々にある名を与えることに関与されましたが,人間家族に直接名前を与えることはされませんでした。それでも人間家族は自分たちの名を神に負っています。宇宙の命の授与者であられる神が存在されなかったなら,名前を持つ家族として彼らが生まれることもあり得なかったからです。―創世記 5:1,2,32。
2 神の家族に対する反逆者はどのようにして一家族の父となりましたか。それで,わたしたち一人一人はどんなことを自問するとよいでしょうか。
2 人間が天のみ父の宇宙的な家族から離脱するという事態が見られます。この事態は,天のみ使いたちから成る神の家族に対する超人間的な反逆者,すなわち悪魔サタンと呼ばれるようになった反逆者によって引き起こされました。この者は天において追随者たちを自分の側に集めることにより,いわば父になりましたが,その家族の成員を結合させているのは愛ではありません。あるとき,エホバの宇宙的な家族の中で際立って忠実な成員であるイエス・キリストは,ご自分の反対者であったユダヤ人の子孫にこう言われました。「もし神があなた方の父であるならば,あなた方はわたしを愛するはずです。わたしは神のもとから出てここにいるからです。……あなた方は,あなた方の父,悪魔からの者であって,自分たちの父の欲望を遂げようと願っているのです。その者は,その始まりにおいて人殺しであり,真理のうちに堅く
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