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「良いたより」は世界じゅうで宣べ伝えられています目ざめよ! 1973 | 12月22日
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カトリック系出版物は減少しましたが,「ものみの塔」と「目ざめよ!」誌の発行部数は2倍以上にふえました。
他の教会関係の定期刊行物は減少したり,あるいは発行停止の破目に遭ってさえいるのに,当協会の出版物がこのように著しい増加を示しているのはどうしたわけでしょうか。それはエホバの証人が神の王国の良いたよりを宣べ伝え,神が彼らのわざを祝福しておられるからでしょうか。興味深いことに,1970年10月2日号のカトリック・コモンウィール誌に,エホバの証人に関して次のように述べた一通の手紙が載せられました。
「彼らの質素な出版物,『ものみの塔』および『目ざめよ!』誌を読んでみれば,彼らの成功の秘訣について多くを知ることができよう……
「証人たちの雑誌の匿名の筆者たちは,物事をはっきりと,また簡潔に書いている。彼らの目的は,福音の持つ良いことばを分かち合い,彼らの知恵の源に行くよう読者を鼓舞することである。その知恵は人を奮い立たせ,教え,そして慰めるものである」。
「ものみの塔」と「目ざめよ!」誌は,神の王国の「良いたより」を世界じゅうでふれ告げる点で重要な役割を果たしています。しかし,エホバの証人の生産した他の出版物もやはりそうした役割を果たしているのです。
聖書および聖書研究のための書籍
古今を通じて聖書は世界の「ベストセラー」です。聖書はその一部分の翻訳をも含めると,1,500の言語に翻訳されています。エホバの証人は世界最大の聖書出版団体の一つです。1972年に彼らは聖書全巻を6か国語で240万7,411冊印刷,製本しました。
しかし,エホバの証人は聖書を印刷し,配布する以上のはるかに多くのことを行なっています。つまり,聖書を理解するよう人びとを助ける書籍をも生産しているのです。事実,ニューヨーク,ブルックリンにある彼らの印刷所は世界最大の印刷所の一つです。その印刷工場では,堅い表紙で装丁された書籍が普通1日平均約10万冊生産されています。これまでの1日の最高記録は17万270冊です。
1968年にエホバの証人は,「とこしえの命に導く真理」と題する聖書研究の手引き書を発表しましたが,その本はたちまち,これまでの「ベストセラー」になりました。聖書を別にすれば,西洋世界でこの本の発行部数に匹敵するものはほかに1冊もありません! ギネス・ブック・オブ・ワールド・レコードという本は,「ベスト・セラー」の項で次のように報告しています。
「エホバの証人の非営利機関を通して売却された,堅い表紙の装丁の190ページの,『とこしえの命に導く真理』と題する,67か国語に訳された本の部数は……1972年2月までに合計4,600万部に達した」。
その後,わずか1年半を経た今日,この聖書の手引きは84か国語に訳され,その発行部数は何と5,900万部に達しました。この部数は,前記ギネス・ブック・オブ・ワールド・レコードに掲げられたベストセラー第2位の本の発行部数の2倍半以上に相当します。またそれは,ベストセラー第2位を占めた小説の「[売り上げ]総部数1,191万9,660部」と伝えられている数字の5倍余に相当します。しかも,下記に掲げた,最近発表された本を含め,エホバの証人の出版した何冊かの書籍はそれぞれ前述の小説の売り上げ総部数をしのいでいます。
出版年代 書名 発行部数
1967年 進化と創造 ― 人間はどちらの結果ですか 18,000,000
1968年 とこしえの命に導く真理 59,000,000
1969年 聖書はほんとうに神のことばですか 17,000,000
1971年 偉大な教え手に聞き従う 13,000,000
――――――
合計: 107,000,000
しかし,上記の本は,エホバの証人が過去6年間に印刷した本のすべてではありません。「聖書を理解する助け」と題する1,700ページの聖書辞典60万冊余を含め,大型の書籍が何百万冊も印刷されました。また,それ以前の何年間かにわたって,54か国語に訳された「神を真とすべし」と題する320ページの本の発行部数は1,924万6,710冊に達し,また60か国語に訳された「失楽園から復楽園まで」と題する256ページの書籍の発行部数は1,375万2,775冊に達しました。
これらすべての文書が印刷されたただ一つの目的は,神の王国の良いたよりを学ぶよう人びとを助けることです。したがって,この出版事業は全く非営利的な事業です。堅い表紙を装丁した1,400余ページの聖書(英文)がわずか400円の寄付で,また同じく堅い表紙を付した192ページの書籍がわずか100円の寄付で配布されているのです。こうした本に対して受け取られる代金は,個々の人びとを富ませるためではなく,良いたよりをさらに宣べ伝えるために用いられています。
そうした聖書や聖書研究の助けは,関心を持つ人びとのためにエホバの証人が無償で司会する家庭聖書研究のさいに用いられます。そのような聖書研究は世界の至る所で毎週125万件以上司会されているのです! では,そうした聖書研究計画はどれほど功を奏していますか。
王国を宣べ伝える人びとの増加
その計画は驚異的な成果を収めています。この点について,ある人はカナダの有名な教会雑誌,ユナイテッド・チャーチ・オブザーバー誌上でこう述べました。「私が話し合い,論じ合い,ついにキリスト教について,また神とそのわざについていっそう鋭敏な理解をはぐくめるようになったのは全くエホバの証人のおかげです。というのは,彼らと話し合うさい,私たちはいつも問題を聖書から調べるからです」。
結果として,多くの聖書研究生は神とその王国に関するいっそう鋭敏な理解に促されて,自分の学んでいる「良いたより」を他の人びとと分かち合います。やがて彼らはエホバ神に献身します。これまでのわずか5年間に68万人余の人びとがエホバの証人によってバプテスマを施され,全地で王国の良いたよりを宣べ伝えるわざに加わりました。これは何を意味していますか。
一つには,王国を宣べ伝える人たちが増えたので,今では170万人余の人びとが全世界で宣べ伝えるわざに携わっています。そのために,さらに多くの集会場所が必要となり,したがって,驚くべき規模の建設計画が進められています。アメリカだけで毎週平均3軒もの割合で新しい王国会館が完成を見ています! それらの会館はたいてい150人ないし300人を収容できる広さの建物です。ところが今では,そうした会館は多くの場合,収容しきれないほど混んでいます。
たとえば,アフリカのある土地では,約140人のエホバの証人のいる幾つかの会衆の集会に800人もの人びとが定期的に出席しています! 今年の4月17日に催された,キリストの死を記念する記念式には全世界で,エホバの証人および関心のある他の人びとが合計388万3,000人余出席しました。―ルカ 22:19。
確かにキリスト教は繁栄しています! しかし繁栄しているのは,神がこの「終わりの日」のために定めたわざ ― 神の王国の良いたよりを宣べ伝えるわざを行なっているゆえに神の霊を受けているキリスト教です。
エホバの証人はそうした途方もない大きな割当て,つまり「人の住む全地で」神の王国を宣べ伝えるわざを成し遂げるよう,どれほどよく備えているでしょうか。彼らは聖書文書に対する増大する需要に答え得る印刷施設を持っていますか。
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王国の音信を広めるための拡大された施設目ざめよ! 1973 | 12月22日
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王国の音信を広めるための拡大された施設
悪化する世界情勢に悩まされ,どうしたらこうした事態を改善できるのだろうかと考えている人びとはますます多くなっています。そのため,この問題に対する神の解決策,つまり神の王国政府について説明する文書の需要は増大しつつあります。こうした需要のために,エホバの証人の印刷工場は世界中でその施設の拡大を迫られました。
1920年に,エホバの証人は第一台めの輪転機を購入し,ニューヨーク市ブルックリンの小さな建物の中で印刷の仕事を開始しました。全床面積はわずか270平方㍍でした。1927年に,それまでの広さの25倍近くもある8階建の新しい工場が完成しました。しかし,聖書文書の需要に伴い,さらに大きな拡大が求められました。
1968年までには,印刷工場は1927年当時の工場の規模の9倍以上になっていました。その工場は市街の4区画を占め,床面積は約6万1,500平方㍍もありました。そして,輪転機の台数も18台に増えていました。しかし,さらに急速な拡大が訪れようとしていました。
速度を早めた拡大
1969年11月に,エホバの証人はブルックリンの工場群から800㍍足らずのところにある,10の建物から成るスクイブ製薬会社の巨大な工場群を購入しました。これによって,使用可能な場所の広さはこれまでの2倍になり,非常に必要とされていた倉庫,特に紙の貯蔵所が得られました。5年もたたないうちに,重量40㌧ないし50㌧の輪転機の台数は2倍以上に増えました。今では,40台もの輪転機が据え付けられているのです。
1972年には,これらの輪転機は2万㌧を越す紙 ― 25㌧積の貨車800両分 ― を使いました。1台の輪転機で,重さ635㌔,長さ8,000㍍の巻紙をわずか40分で使い切ってしまいます。ほとんど毎日,200本を越すさまざまな大きさの巻紙が聖書文書に変えられます。それに加えて,20台の小型の平版印刷機が1年間に何百㌧もの紙を消費します。
それにもかかわらず1970年には,ブルックリンの印刷工場では増大する聖書文書の需要を満たせないことが明らかになりました。そこで,ブルックリンの北約160㌔のところにあるものみの塔農場で,長さ90㍍幅60㍍の1階建の印刷工場の建設が始まりました。この工場は1971年3月に完成しました。
しかしそれが完成する前に,この工場では小さすぎることが,すでに明らかになりました。王国の音信を載せた印刷物の需要はそれほど大きかったのです。そのため,3階建のさらに大きな印刷工場の増築が始まりました。完成の暁には,これらの工場の床面積は3万6,500平方㍍にもなります。
この工場での印刷は1973年2月に始まりました。今では,毎月何百万冊もの雑誌が輪転機から流れ出ています。すでに,重量40㌧の輪転機10台が据え付けられており,さらに多くの輪転機を設置することもできます。
特異な印刷活動
ここの印刷活動を特異なものにしているのはその巨大な施設の規模ではありません。大きな新聞社の印刷工場はこれよりも多くの印刷物を印刷しています。しかし,ここの印刷活動の特異な点について,1970年9月号のモダン・リソグラフィー誌はこう述べています。
「カナダの森林地帯と製紙工場を所有している,大都市の主要新聞社を除けば,ものみの塔の印刷工場はアメリカで最も独立自足性の高い工場と言えるであろう」。
この独立自足性はさまざまの面に見られます。たとえば,大型輪転機用のインクすべて ― 1年で250㌧を越す何十色ものインク ― はまさにこのブルックリンの印刷工場の中で作られるのです。雑誌を包装したり,書籍や聖書を製本したりするのに用いる,何百㌧ものノリやニカワも作られます。何十台もある輪転機や他の印刷機械,また製本装置などを動かすために,ディーゼル・エンジンが直流電流を発電します。67人の技術員が装置の点検修理にあたっています。
事実,文書が作り出されるまでのすべての作業は工場の中で行なわれます。原稿が校正され,翻訳され,活字に組まれ,次いで鉛版が作製され,出版物が印刷されます。雑誌は断裁された後に,包装されて郵送されます。本の折丁は糸でかがってニカワがつけられ,表紙がノリ付けされ,こうしてできあがった本は発送されます。
しかし,独立自足性は特にここの労働力およびその世話に見られます。800人以上の人びとがブルックリンの印刷工場で働いています。その全員が数区画離れた所でベテル家族と呼ばれるひとつの家族として生活しています。家族の他の成員はベテルの家を世話したり,食事を作ったり,洗濯をしたりなどします。家族の成員はみな,王国の良いたよりが人の住む全地で宣べ伝えられるのを見ることに誠実な関心をいだいて,自発的に奉仕しているエホバの証人です。家族の各人には食事と部屋が与えられ,雑費をまかなうために,毎月5,040円が支給されます。彼らの関心は私利を得ることにではなく,神の王国の良いたよりを宣べ伝えることにあります。
世界的規模の拡大
全世界における聖書文書の需要のために,エホバの証人は多くの国に同様の印刷工場を建ててきました。ドイツ,南アフリカ,カナダ,英国,スイスにはそれぞれ,1台またはそれ以上の大型の輪転機を備えた工場があります。デンマーク,スウェーデン,フィンランドの印刷工場では,小型の平版印刷機を使って1年に1,500万冊以上もの雑誌を印刷しています。フランスでも雑誌の印刷はエホバの証人によって行なわれています。
しかし,アメリカにおける拡大が急速に進んでいるのと同様に,世界中でも拡大がみられます。たとえば,過去1年ほどのわずかな期間に,6つの新しい印刷工場が建てられました。
日本
1年前に,新しい居住施設と印刷工場が東京の南西約120㌔にある沼津に完成しました。その費用は日本のエホバの証人の貸付や寄付でまかなわれ,外国からの資金は用いられませんでした。非常に寛大な寄付が寄せられたため,1972年の末までには貸与者の大半に貸付金を返却しました。
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