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土地所有をめぐるアラスカの問題目ざめよ! 1970 | 2月8日
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ほとんどふれませんでした。それが多くの議論を呼ぶことを知っていたからです。
原住民の権利主張の件数が少なかった間,国土管理局を管轄するアメリカ内務省はそれにほとんど注意を払いませんでした。問題のある土地の帰属を決めることはないまでも,石油や天然ガスを採掘するための土地使用は許してきたのです。しかし最近,内務長官は,原住民の権利主張には根拠のあいまいなものもあるが,その土地の使用およびその土地での鉱物採掘を安易に許可することはできないとの判断を示しました。その結果が多くの論議を呼んだ,“土地の凍結”です。
州の地位に関する米国連邦議会の法律(1959年)は,アラスカ州政府に対し,同州内に設ける連邦政府の土地42万平方キロを,25か年以内に選定することを許しています。普通,国土管理局は,州政府が選定した土地の権利状態を調べ,問題がなければ,州の取得地としての仮認可を与えます。そののち州政府は連邦用地譲渡の証書を受け,土地の取得を正式なものにしなければなりませんが,仮認可を受ければ,その土地を州のものと見るのが普通です。
しかし最近1年ほどの間,国土管理局は,原住民が所有権を主張している土地については,仮認可を与えない方針を取ってきました。一方アラスカ州政府にとっては,土地選定のための期限があと16年ほどしか残っていません。原住民の権利主張の問題が近い将来に解決されず,土地選定が妨げられるなら,州政府は石油や天然ガスの採掘を従来どおりに許可することができなくなります。これは州政府の主要な財源の一つが打撃を受けることになります。
そうした事態を避けるため,アラスカ州政府は米国内務長官に対し一つの訴えを提出しています。それはアラスカの成長と発展を阻害しないため,アラスカ州政府の土地選定に内務省が干渉しないことを求めたものです。
将来は不確か
原住民の権利主張者とアラスカ州政府の間に見解の相違はあるものの,両者は同じこと,つまりアラスカ資源の開発を願っています。両者はまた早期の解決が必要だという点でも一致しています。そして州政府は,連邦政府だけが原住民の主張を処理するための合法的また道義的な道を示し得るものと考えています。それで連邦政府の施策を待っているのです。
アラスカ開発計画連邦実地委員会は最近,問題解決の一案を提出しました。そのおもな点は次のとおりです。(1)米国国庫から1億ドルを出資して新しい会社を設立し,アラスカ原住民がこれを所有する。(2)その原住民の会社は土地の賃貸しや鉱物資源の販売による全所得の1割を10年間にわたって受け取り,それと引きかえに土地に対する権利を放棄する。(3)原住民は自らの使用のために1万6,000ないし2万8,000平方キロの土地を受ける。そして(4)原住民の狩猟漁業生活を保護する手段を設ける。
歩み寄りによる合意が得られたとしても,解決の必要な問題はまだまだ残るでしょう。たとえば,原住民の指導者は,補償や土地の配分を部族単位ではなく,個人単位で行なうことを提唱しています。しかし個人単位で行なうとすれば,一片の土地あるいは幾らかの資金をだれに帰属させるかという問題で何年もの裁判が必要になるでしょう。法廷はまた,原住民との混血児にどんな資格を与えるかという問題も解決しなければなりません。
アラスカ人は,土地所有をめぐるこの問題の解決を切望しています。
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大きくないが非常に長い雷目ざめよ! 1970 | 2月8日
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大きくないが非常に長い雷
● 雷の一撃はどれほど大きいものだろうか。中心部の周囲に直径25ないし50センチほどの「コロナ放電帯」があるが,中心部そのものは直径約1センチ強しかない。雷の「稲妻」が大きく感じられるのは,叉状電光が平均して50から60キロの長さに達するためであろう。
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