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人を引き付けるオカルトの力目ざめよ! 1981 | 3月8日
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得ようと謀りました。若者は大使になりたかったのです。これらの人々は土地の漁師を殺害し,その体の一部をお守りや秘薬としました。しかし,その魔術は助けとはなりませんでした。人々の注目のうちに裁判が行なわれ,犯行に加わった7人は絞首刑になりました。
室内ゲームのもたらす結果
オカルトに単なる好奇心を抱いているだけの人は,ウィジャ盤(コックリさんに似たもの)のような無害とされている物品を使ってみたいという誘惑に駆られることがよくあります。よく知られているこうした盤は無害な室内ゲームとして宣伝され売られています。これが製造業者に多くの富をもたらしたことは明白です。しかし,それは無害でしょうか。害があると考えている人は少なくありません。
カナダのある女性流行歌手は,ウィジャ盤から「わたしたちの側にいらっしゃい」と語り掛けられた後,数回自殺を図りました。アルバータ州に住む孤独な一女性は,カルガリーのナイトクラブに行けば『夢で見た男性』と会えるだろう,と勧められました。その女性は『夢で見た男性』に会うどころか,打ちたたかれ,強姦されてしまいました。一昨年のこと,フロリダ州のマイアミ市で,ウィジャ盤で遊んでいた生徒たちが,自分たちは悪霊にとりつかれていると言いだして,大騒ぎになりました。「学校全体が荒れ狂っていた」と警察官は語りました。生徒たちは壁をけって穴を開け,ドアを引きはがすなど手の付けられない状態でした。教師の話によると,「(ウィジャ盤)の中に霊がいるとわめく少女たちがいました」。
ウィジャ盤の使用を『無害な室内ゲーム』程度に考えてこれに手を出す人には多くの場合,その使用の際に生じるおそれのある事態に対処する心構えができていないことは明らかです。オカルトに引き付けられることにより,確かにある結果が生じます。しかし,それは自分の望んでいるような結果でしょうか。
その予言はどれほど信頼できるか
人生が不確かなものであるため,多くの人は将来を知りたいと願っています。オカルトは将来に対するそうした知識を与えることを約束しています。
それが的中するように思えることがあります。ノースカロライナ州のある魔女は,近所の女性がある定められた日に死ぬことを予言しました。その隣人は予告されていたその日に死にました。酒と薬を飲み過ぎたのです。
有名な星占い師ジーン・ディクソンは,1963年にテキサス州のダラスでケネディ大統領が死ぬことを自分が予言していたと主張しています。しかしこの女星占い師は,1966年にベトナム戦争が終了するという自分の予言については多くを語りません。ディクソンに関する記録を全般的に調査した科学者の一グループは,ディクソンの予言が情報に基づく普通の人の予測と比べて正確であるとは言い難いとの結論に達しました。
実際に,将来のことを見通せるのでしょうか。それとも秘術を行なう人は,予言を的中させることもそうでないこともある霊の勢力と結び付いているにすぎないのでしょうか。
愛する故人か
愛する故人と交信しようとしてオカルトに関心を向けるようになる人は少なくありません。ノースカロライナ州の前述の魔女は,死んだ義理の息子と交信を望んで交霊会に集まった隣人の家族にあの予言を語りました。その結果は悲劇的なものでした。
“死んだ親族”が霊媒を通して語り掛け,自分が当人であることを示す納得のゆく証拠を挙げるように思えることもありますが,交信相手の霊者は多くの場合,復しゅう心を抱いていたり気まぐれな性格であったりすることを示します。ウィジャ盤を使った一研究者は,交信相手の性格に「極めて特徴あるサディスト的精神異常」が認められると断定しました。生前,愛を示してくれていた親族が,死ぬと残忍になるのはなぜでしょうか。愛する故人であると主張する霊たちは欺きを働いているのではないでしょうか。
カナダ人の一夫婦はあるオカルトのグループと関係を持つようになりましたが,自分たちの人格が変化したことと会員の間の悪行に恐れをなして結局そこから逃げ出しました。「秘術を遊び程度に考えてこれに手を出す人は,ダイナマイトをもてあそぶようなものです」と二人は語りました。
オカルトに手を出す人は,たとえ以前に疑いを抱いてはいても,超人間的な勢力が働いていることに確信を持つようになります。しかし,オカルトにかかわりを持つようになった人の中には,自分が邪悪なクモの巣のわなに掛かってしまったと感じる人が少なくありません。
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オカルトの力から逃れる目ざめよ! 1981 | 3月8日
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オカルトの力から逃れる
オカルトに手を出した人の多くが今や,自分たちは超人間的な勢力の支配下に置かれていると感じています。それが何であるかは定かでないのですが,とにかくそこから逃れることを切望しています。そうした勢力の下から逃れることは可能でしょうか。
どうにかして由由の身になろうと懸命に努力するにつれ,幾つかの深刻な問題に直面することでしょう。霊の領域からの声に脅される人もいます。オカルトの術を行なっている人の反対に遭うこともあります。
幾世紀も昔のこと,キプロス島に秘術を行なうバルイエスという名のユダヤ人がいました。この者はエルマという名でも知られる呪術師でした。エルマという名は,元来,バビロン的呪術を行なうペルシャの祭司の称号をギリシャ語にしたものです。バルイエスはパフォスにいるローマの執政官代理の宮廷魔術師および相談役の地位にあったものと思われます。使徒 13章6-12節で聖書の述べるところによると,使徒パウロがその地にやって来て,執政官代理にキリスト教の原則を説いた時,エルマは占いを行なう宗派の“祭司”としての有力な地位を失うまいと激しく反対しました。しかし,執政官代理は,パウロの伝えた真の神「エホバの教え」を受け入れ,その邪悪な影響力から解放されました。
この20世紀においても幾万もの人々が,聖書の中にあり,エホバの証人の教える「エホバの教え」を心の中に取り入れて,オカルトの力から自由にされてきました。そうした人々が学んだ事柄の一つに秘術の背後にある超人間的な霊の勢力の正体があります。それは善良な霊どころか邪悪な霊たち,悪霊たちです。ご自身も目に見えない領域から来られたイエス・キリストは,悪霊たちの存在を知っておられ,悪霊たちについて語られました。(ルカ 4:33-35; 10:18-20; 13:16)その支配から逃れるには,悪霊たちよりも強大な力の源,すなわち神ご自身からの助けを得なければなりません。これは,聖書から真理を学び,それを自分の生活に適用しエホバ神に全幅の信頼を置いて初めて可能になります。
この点に関する最近の体験談を幾つか考えてみましょう。それらの人々がどのようにオカルトにかかわりを持つようになったのか,どんな行ないによってオカルトの力の影響下に入るようになったのかに注目してください。また,それが人々の生活にどんな影響を及ぼしたか,どのようにそれから首尾よく逃れることができたかにも注意を向けてください。
秘術の大祭司は自由を求める
英国に住むゴードンは魔女でした。(人々は男性であるゴードンを“魔術師”と呼ばず,“魔女”と呼んだ。)次に記すのはゴードンの経験です。
「オカルトとの結び付きは,心霊研究協会に入った時に始まりました。その後何年かにわたり,
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