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新しい世の支配下における知恵と幸福ものみの塔 1958 | 4月15日
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1955年,北アメリカとヨーロッパ全域にわたつて開催されたヱホバの証者の『勝利の御国』大会に出席した何十万という人々は,新しい世界の知恵が幸福をもたらすという一番大きな証拠です。ペンシルバニヤの「ものみの塔聖書冊子協会」によつて製作された『幸福な新世社会』という映画はその証拠を記録するものです。現在,このような幸福を享受している他の国際的団体は世界のどこにもありません。すべての誉と栄光は,卓越した能力を以つて支配し幸福をもたらす御子に新しい世の政府の王位を与えられたヱホバに帰します。
しかしながら,新しい世界の支配下における最大の幸福は,神の知恵を,ただ聞いたり受けいれたりすることのみから来るのではありません。それよりもまだ大きな幸福があります。このことについて,パウロは,エペソの会衆の円熟した人たちに次のように言いました,『あなたがたも……弱い者を助けなければならないこと,また,『受けるよりは与える方が,さいわいである』と言われた主イエスの言葉を記憶しているべきこと。』そうです,その方法こそ幸福を申し分なくみたすものです。これが真実であることを知つておられる王キリスト・イエスは,与えられたと同じく自由に神の知恵を分け与えるよう地上にいる御自分の追随者すべてを導かれています。彼らは,『それで,行つてすべての国の人々を弟子とし,』悲しみに満ちた古い世の真中で幸福を拡大しています。彼らは,一致した一つの奉仕者団体である新世社会を構成します。そして彼らは霊的に言つて美しい暁のようなさわやかな季節に住んでいます。『日の出の朝の光のごとく雲なき朝のごとし。』― 使行 20:35。マタイ 28:19,新世。サムエル後 23:4。
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世の終りに備えるものみの塔 1958 | 4月15日
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世の終りに備える
なぜヱホバは世を滅ぼされますか。世はどんな行いをしたために当然の滅びを受けますか。私たちはその滅びを逃れることができますか。
『万物の終りが近づいている。だから,心を確かにし,身を慎んで,努めて祈りなさい。』霊感を受けた使徒ペテロは,この重大な警告を書きました。一体どのような『もの』の,どのような『終り』を意味するのだろうと尋ねる人々のために,同使徒は更に次のように説明してこの問題を明確にしています,『しかし,ヱホバの日は盗人のように来るであろう。その時,天は鳴り轟く音と共に過ぎ去り,非常に熱した諸要素は溶けさり,地とその中にある業は暴露されるであろう。』近づいているものは,現在の悪い世の完全な終りです。私たちは一体どうすれば良いでしようか。どのような行動をとるべきでしようか。どこに保護を見出しどのように保護されるのでしようか。滅びをのがれることができるでしようか。なぜヱホバは世界を滅ぼされるのでしようか。世界は何をしたからそのような最期をとげなければならないのでしようか。この悪い世界の完全な終りが近づいたという事実が一度人の心を打つと,多くの疑問が急速に湧き上つて来ます。―ペテロ前 4:7,新口。ペテロ後 3:10,新世。
多くの人々はヱホバの証者の出版物を読んで,その音信の中に指摘されている地上の災や,ハルマゲドンの大いなる戦いが近づいていることや,現在地上にはびこつている甚しい悪について,多くのことを悟ります。それについて何か発表されていようとなかろうと,困難はすでに起つています。それはヱホバの民がもたらしたのではありません。それが存在しているのは彼らのせいでもなければ,それをいつ終らせるかを決定するのも彼らの責任ではありません。
しかしながらヱホバの民は自分の時間,体力,金銭を使つてその意味するところを他の人々に告げ知らせます。これはある利己的な意図のためでなく,ある組織制度に利益をもたらすためでもなくて,彼らの同胞を援助し,神の聖旨を遂行するために行われます。此の世の終りが,もし予告なしに,また逃げる用意をする機会もなく,突然にやつて来たとしたらどんなにひどいものであるか,あなたは考えたことがありますか。
ヱホバはなぜこの悪い世界を滅ぼされるのでしようか。答は,ヱホバがイスラエルに対してされたことを見るとき明らかになります。ヱホバは,あの美しい土地を荒漠とした荒野に変えてしまいました。なぜヱホバはこの事をされたのでしようか。神は次のように宣言されました,『汝等の後に起る汝らの子孫……国々の人もみな言わん,ヱホバ何とて斯この地になしたるや,この激しき大いなる怒りは何事ぞやと。その時人答えて言わん,彼らは,その先祖たちの神ヱホバが……彼らと結びたるその契約を捨て,行きて己の知らずまた授からざる他の神々に仕えてこれを拝みたるが故なり。ここをもてヱホバこの地にむかいて怒りを発しこの書にしるしたるもろもろの災をこれに下し。』― 申命 29:22,24-27。
何百年の後,キリスト前607年に,この崩壊は実際に起りました。予言者エレミヤは当時その理由を求めていた人々に対して,前もつて説明し,警告しました,『ヱホバ言い給う,これ汝らの先祖われを捨てて他の神に従いてこれに任え,これを拝し,また我をすてわが律法を守らざりしによる。汝らは汝らの先祖よりも多く悪をなせり,みよ汝らはおのおの自己の悪しき心のかたくななるにしたがいて我にきかず。』(エレミヤ 16:11,12)主イエスは,当時の偽りの崇拝者に対して,同じ審判を宣告されました。『へびよ,まむしの子らよ,どうしてゲヘナの刑罰をのがれることができようか。……義人アベルの血よりバラキヤの子ザカリヤの血にいたるまで地に流された義人の血はことごとくあなた方に降りかかるであろう。あなた方はゼカリヤを聖所と祭壇の間で殺したのである。まことに,私はあなた方に言う。これらの事はすべて,この世代の上に来るであろう。』― マタイ 23:33,35,36,新世。
ヱホバを捨てている現代
現代の悪い世界も同じようにヱホバ神を捨てています。キリスト教国と自称する国々は名ばかりです。ヱホバの御言葉はわきに押しやられ,ヱホバの崇拝は捨てられています。偶像崇拝はいたるところで行われ,人々は警告に耳を傾けません。彼らは反逆的です。彼らは悪い道を捨てて,真の神に来,彼だけに奉仕することを拒絶します。いわゆるキリスト教国は,昔のイスラエルが犯したすべての罪を犯しています。エルサレムは,その罪によつてキリスト前607年と,世暦70年に自業自得の減びをこうむつたのです。同じく神はこの悪い世界を今さばかれています。
模型であつた昔の人々の罪を描写する予言的神の言葉は,より強く現代の世界の諸国に適用されます。聖書の予言がどのようにこれを確かにするか注意して下さい,『われ惡しきことのために世をつみし,不義のために惡しきものをばつし,驕れるものの誇をとどめ,暴ぶるものの傲慢をひくくせん。』『ヱホバいい給う汝らわれを畏れざるか,我前におののかざるか……この民は背きかつ悖れる心ありすでに背きて去れり。』『民おきてにそむき法を犯し,とこしえの契約をやぶりたるがゆえに地はその下にけがれたり。このゆえに呪詛は地をのみつくしそこに住める者は罪をうけ,また地の民はやかれて僅かばかり遺れり。』(イザヤ 13:11。エレミヤ 5:22,23。イザヤ 24:5,6)諸国民は,真理を拒絶するだけではなく,ヱホバとヱホバに油そそがれた者,またキリストの御国と戦います。彼らは,ヱホバの御目的を失敗させようとたくらみ,また惡魔の代理者,代弁者になります。彼らは惡を好む者,冒瀆者,契約破棄者,嘲笑者,信心深いようすをしているだけでその実を捨てている者です。(詩篇 2篇。イザヤ 8:9-15。黙示 16:13,14。テモテ後書 3章;1:7。ペテロ後 3:3,4)それ故に滅びの審判は,キリスト教国を含むすべての国に正当に宣告されているのです。
この滅びはどの範囲にまで及ぶのでしようか。使徒パウロは,『万物の終り』と言つています。彼はまた全世界が滅びを受けると述べています。エレミヤはその範囲を予言して言いました,『万軍のヱホバかく言いたまう,みよ災いでて国より国にいたらん大いなる暴風地の極よりおこるべし。その日ヱホバの戮し給う者は地のこの極より地の彼の極に及ばん,彼らは哀まれず集められず葬られずして地の面に糞土とならん。』(エレミヤ 25:32,33)荒廃をもたらすこれと同じ事柄について,イエスは次のように言われました,『あなたがたの逃げるのが,冬または安息日にならないように祈れ。その時には,世の初から現在に至るまで,かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである。』(マタイ 24:20,21,新口)聖書は以上のごとく全世界を襲う滅び,『万物の終り』をありありと描写しています。
賢明な道
使徒ペテロは言います,『このように,これらはみなくずれ落ちていくものであるから……極力,きよく信心深い行いをしていなければならない。』(ペテロ
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