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  • ロックン・ロールは無害ですか
  • 目ざめよ! 1970
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  • 若者につけ込む営利主義
  • 抗議と反抗
  • そのやかましさと熱狂的な演奏
  • 不敬かつ不道徳
目ざめよ! 1970
目70 2/22 13–16ページ

ロックン・ロールは無害ですか

今日の多くの若者か好むポピュラー音楽の中ではロックン・ロールと呼ばれるものがその主流を占めてきました。ロックン・ロールとは,非常に意味の広いことばです。そこには質の極端に異なるものだけでなく,形態や特色の大いに異なるさまざまな音楽が含まれています。普通のロック音楽が共通にもつのは,強いリズム,「叩くような強いリズム感の興奮」です。

“ロックン・ロール”(rock'n' roll)という名のおこりはなんですか。音楽雑誌「ハイ・フィデリティー」1967年11月号によると,「ロック・アンド・ロールということばは性的な暗示を含んでおり,ロッキングもローリングも元は淫行をさしていた。しかし,ジャズということばもかつては動詞であり,同じことを意味していた」のです。ロック音楽は黒人のリズムとブルースを合わせることによって始まったようです。黒人の演奏者や黒人の音楽がロック音楽に影響を与えているのはこのためでしょう。この種の音楽が流行の一時期を迎えたのは,歌手エルビス・プレスリーの登場と,性的な暗示を含んだ彼の歌い方によりました。しかしロック調の音楽を大いに流行させたのは“ビートルズ”であると言えるでしょう。

ロック音楽がもつ別の共通点は特に年少者のあいだで人気があることでしょう。レオナード・バーンスタインは語りました,「この種の音楽は完全に子供のものであり,子供が子供のために演じている。わたしが子供というのは,8歳から25歳までの若者のことである」。このことばの真実さを例をあげて示せば,ロックのある人気歌手グループ3人のうちふたりは14歳であり,あとのひとりは12歳です。そして別の人気グループであるザ・モンキーズの公演に集まった観客について調べたところ,その平均年齢は10歳でした。

ロック調のレコードや録音テープを買ったり,自分でロック音楽を演奏するなど,今日の若者は各種のロックン・ロールに大いに熱を上げています。アメリカだけでもロック調のレコードは年額20億ドル(7,200億円)の売り上げがあり,その多くは若者が対象になっています。若者がロック音楽に熱中するのは良いことですか。それは何か害を与えますか。それは,どんなロック音楽にどの程度熱中するかによって決まります。

若者につけ込む営利主義

若者にしても親にしても,音楽産業そのものがロックン・ロールに伴いがちな害を除いてくれると考えるわけにはゆきません。そこには大きなもうけがかかっているのです。映画産業の場合と同じく,ここでも営利本位の態度が若者の弱み,せまい見方,激情などにつけ込んで利益を上げようとしています。レコードなどの売り込みについて「ハイ・フィデリティー」誌1968年11月号はこう述べました。「音楽産業は一種の醜業であり,売れると思えばどんなものでも作って売り出す。その証拠に麻薬の宣伝さえしている。節操のために仕事をすることはほとんどなく,行なうのはただ大衆とくに若い大衆に迎合することである」。

今日,娯楽は大きな産業と化しており,この大産業はもうけのために若者を利用することになんのとがめも感じていません。そのために採用している手段の一つは,ロックン・ロールのグループを作り上げることです。今日の若者は親からもらったり自分で働いたりして,仕えるお金を多く持っています。若者たちの持つこのお金を得ようとして音楽産業は若者たちにへつらい,そのほしがるもの,また宣伝によってほしがらせることのできるものを提供しています。著作家ジーン・リースは,「ポピュラー音楽業ほどに冷徹な手法で若者をあやつる商売はない」と語りました。ロックン・ロール音楽のすべてを大企業が支配しているわけではありません。その簡単でてっとりばやいもうけにあずかろうとして小さな企業も無数に集まっています。仲間や同年配の者に動かされやすい若者たちは,ロックン・ロールの製作者たちに容易に“つけこまれて”しまいます。

抗議と反抗

ロック音楽の一面は社会に対する抗議です。今日の世界で行なわれている事柄の多くに対し若い世代の人々が抗議する理由は十分にあります。ポピュラー音楽の一雑誌は,歌手その他の演奏者とそのファンの中に,「物質中心的な傾向,歴然とした利己主義,むなしい栄誉をかけた無意味な競争,不潔で込み合った都会,無気力な議会,ベトナム戦争に対する道義上の疑問など,今日のアメリカ社会の風潮に対する困惑と不安」をはっきり示す者がいることを述べました。そしてこうした感情は幾つかのロックン・ロール音楽の中によく表われています。

しかしこのような抗議の感情を表わしたものは全体から見ればむしろ少数です。ロックン・ロールの多くは年配の世代の物事の標準ややり方に対する若者の反抗心を公然とあるいはひそかに表わすものです。それは服装やことばづかいに表わされる反抗心と共通しています。この点について著作家ジーン・リースは,若者はいつの時代でも反抗的であったが,今日ほど反抗的であったことはない,「(ポピュラー音楽)産業は巧みな仕方で若者に反抗心を売り込んでいる。それは包装され,プラスチックの容器に詰め込まれた反抗心である」と語りました。

1968年1月15日付ナショナル・オブザーバー紙が伝えたダニエル・グリーンのことばも同様の点を述べています。「新しい音楽ほどに世代の断絶を明白に反映するものはないであろう。これは,ヒッピーの行動,麻薬,集団抗議,戦闘的な平和論,こっけいなほどにだらしのない身なり,宗教や道徳上のしきたりに対する反発,くし・床屋・美容院のけぎらいなど,既成の事物に対する若者の他の反抗すべてと呼応するものである」。ある歌詞はテレビに見いる親たちを嘲笑するものです。しかし若者たちはおとな以上にテレビに時間を使っているのです。「彼女は家にいない」と題する別の歌は家をあける母親たちをとがめるものです。

しかしこうした歌詞は,「ロックそのものの中に存在する反抗的な気力」と称されるものに幾らかの意味を添えるにすぎません。それで検閲官が反社会的な歌詞をある程度取り締まるとしても,ロックン・ロールから反抗の気風を取り除くことはできません。それはロックン・ロール,特にそのリズムの一部となっているからです。D・グリーンはさらに述べました。「歌詞がどれだけ洗練されたとしても,ロックの真髄はそのビート(拍子)にある。……いずれにしても歌詞はあまり耳にはいらないのである……事実,ポピュラー音楽においては音のひびきが常に最大の魅力である」。そして,ロック音楽の作詞作曲家であるN・ダイアモンドはこう語ります。「たいていのレコードは歌詞ではなく,その音楽的な内容のゆえに買われるのである。わたしの場合,曲に心をひかれれば,歌詞にも注意する。曲が良いものでなければ気にとめる必要はない」。

音楽評論家として広く知られているリチャード・ゴルドスタインも同様の所見を述べています。1968年11月24日付ニューヨーク・タイムズ紙の「若者はなぜロックを求めるか」と題する記事の中で彼はこう書きました。ロックの反抗的な気風を除けと言うなら,ロック音楽そのものを禁止しなければならない。反抗的な気風は特に感情をこめたブルースの変形たるロックに本来そなわるものだからである。……ロックン・ロールが非行年少者の音楽として始まったことは忘れられがちである。……幾つかの騒乱はロック・ミュージックと,それが与える,抑圧からの急な解放感とに動かされて起きた。そこに含まれるある種の狂暴性がふたごの鬼神とも言うべき暴力と活力を呼び起こしたのである。またその打ちたたくようなひびきが反抗の気がいを高揚させるのである」。

こうした点はロック音楽にひそむ害を裏書きしているではありませんか。ロック調の音楽を好む若者は節度を守るとともに,曲を十分に選択するのがよいでしょう。

そのやかましさと熱狂的な演奏

ロックン・ロールは非常に大きな音,またいわば暴力的な演奏が特徴となる場合もあります。これも有害な影響となりがちです。ロックン・ロールの大きな音は実際に力をこめて演奏するため,もしくはアンプの音量を上げるためです。ある十代の演奏者はこう語りました。「わたしの年代の者にとっては,音が大きいからこそ魅力がある。前に何度も行ったダンスからよくわかるが,中にはいってすぐ心に来るのはその音量だ。大きな音でやっているとすごく興奮する。少なくとも初めの5分はそう言える」。「図解エレクトロニクス」1969年1月号,および68年8月20日付ニューヨーク・タイムズ紙によると,“強烈なロック”は聴覚をそこないます。この聴力障害は聞く音の大きさと聞いている時間の長さに応じて,重く不治のものにもなり得ます。

さらに好ましくない点は,公演の際にきわめて熱狂的な荒演奏をするロック・グループがあることです。非常に人気のあるロック・グループのおもな演奏者のひとりは演奏会の最中にマイクロフォンを舞台の床に投げだし,最前列の聴衆につばを吐きかけ,果てはライターの油をかけて自分のギターに火をつけました。イギリスの一ロック・グループは演奏会の際,舞台に置いた自動車を破壊するのです。またイギリスで人気第3位のロック・グループは「熱狂のあまりステージで破壊的な行動をし,ドラムを足でけり,マイクを床に投げ,アンプを叩きこわし,ギターを打ちくだいてただの針金と木片にした」のです。(ライフ誌68年6月28日号)そしてあるグループのドラマーは狂乱の音を出そうとするかのように自分の打楽器をめった打ちにします。しかし楽器はこれに耐えません。ドラムは台からころげ落ち,シンバルは宙に舞い上がります。ドラマーは席を立って楽器をけり,四方に投げつけます。一方,仲間の演奏者は飛んでくる楽器をよけながらも,何事もないかのように演奏を続けるのです。

このように奇妙な行為は音楽のほんとうの楽しみですか。それとも乱れた感情の表われにすぎませんか。これはそれを見る者たちに野蛮で無法な行動を扇動しませんか。ある種のグループに見られるこうした狂態こそ,ロックン・ロールの最も好ましくない点の一つです。新聞その他の論評は,ロックン・ロールのこうした面を説明するのに,「官能的」「悪魔的」「悪質」などの表現を用いています。

不敬かつ不道徳

しかしロックン・ロールの歌詞の多くに不敬で非道徳的な感情が表現されていることを見れば,その演奏にこうした狂態が伴うとしても不思議ではありません。歌謡の雰囲気は常にその歌詞と一体になっています。出演の際に多量のアルコール類を飲み,おとなの偽善をさかんに攻撃するある名の知れた女性歌手は,「神なんかいらない,わたしたちはみんなひとり立ち」と歌います。そして特に売れているあるロック・グループは,『幸いなるかな,柔和なる者。その人は……』など,よく知られた聖書のことばをもじった不敬な歌をうたっています。

最近登場したロック・グループの中には,『腕と腰とももで,そして時たま声を出して歌う』と評されるものがあります。今日の若者たちにこのグループが伝えようとしていることは,そのグループが歌う曲の一つに「うるさいものはぶっとばせ」という題のものがある点に要約されるでしょう。「うるさいものはぶっとばせ」とは,束縛となるものはいっさい払いのけよという意味です。

最近売り出されたレコードに「ふたりのおとめ」と題するものがあります。それはビートルズのひとりと,その愛人(現在は妻)が吹き込んだものです。そのレコードのジャケットはそのふたりの裸体写真をのせています。表側には前向きの写真,後ろ側にはうしろ向きの写真です。イギリスのレコード会社の多くはその取り扱いを断わりました。ところがアメリカではそのレコードを発売するための会社が作られたのです。しかも会社の名前はテトラグラマトンです。テトラグラマトンとは,聖書また全宇宙の神であられる創造者エホバの名を表わすヘブル語の四文字のことです。

それで,リチャード・ゴルドスタインはライフ誌の中でこう述べます。「ロックは退廃的である。それはセックスや麻薬を公認し,安価な興奮を刺激するだけでなく,社会的なタブーに関して自由に判断することを聴衆に勧めるからである」。言いかえれば,この種の音楽は善悪の区別なく好き勝手に行動することを若者に勧めるのです。そのことは,「ともに一夜を」「きょうを楽しく,あすは来ない」「なんでも見たいし聞きたいし」といった歌詞や歌の題からも明らかでしょう。

ロックン・ロールのメロディーの中にはある人にとって楽しく聞こえるものも少なからずあるでしょう。また,感傷的ではあっても品位を保った歌詞,その他ある程度健全なものもあるでしょう。しかし前述の事柄すべてを考えるなら,誉れのある正しいことを行ないたいと願う若者すべては,ロック音楽を楽しむ際に節度と識別力を十分に働かせるのがよいでしょう。

クリスチャンの奉仕者を自任する若者は特に慎重であるべきです。クリスチャンの若者は,国家を偶像視する歌や異教の祝祭を祝う歌に対しクリスチャンがどんな態度を取るべきかを知っています。では,神や聖書に対して不敬なテーマや歌詞を持つポピュラー・ソングすべてを避けるためにも同じように慎重であるべきではありませんか。親への反抗心を表わす歌,淫行や麻薬の使用など種々の不道徳を助長する歌を避けるためにも注意深くあるべきではありませんか。

ほんとうに聖書に従って生きるクリスチャンの若者は,「上からの知恵(が)まず第一に廉潔であり,つぎに平和,また理性的であり,すすんで従(う)」ということをよく理解しています。しかし,今日のロック音楽の多くはまさにこの逆ではありませんか。それはこの世の精神を吹き込むものです。この世の精神は「地に属し,情欲に属し,悪鬼に属する」ものです。節度と分別を働かせないなら,ロックン・ロールが若者に害となることは明らかです。―ヤコブ 3:15(新),17。

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