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あなたには守護天使がいますかものみの塔 1998 | 11月15日
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あなたには守護天使がいますか
あなたは,自分には守護天使がいると信じていますか。いると思っている人は少なくありません。実際,カナダ西部のある女性は,天使たちとかかわり合う特別な能力があると言われています。この人は,200㌦を添えてフルネームを知らせてくれれば,あなたの守護天使と交信させてあげると言うのです。この女性はまず,ろうそくの炎をみつめて瞑想します。次に,幻を見,その中であなたの天使からあなたに伝えるべき音信を受けます。そして特別サービスとして,あなたの天使の姿を絵に描いて見せます。
これは,ある人々にとって,フランスの国王ルイ9世にまつわる話と同じように思えることでしょう。この王は,天使長ミカエルの翼から抜け落ちたという非常に高価な羽毛を買った,と伝えられています。多くの人は,この物語を疑わしく思うとしても,そのカナダの女性の主張には少しも疑いを抱きません。
天使の魅惑
近年,天使に対する関心が非常に高まってきました。テレビ,書籍,雑誌,時事通信などで,天使たちのことが語られています。天使が,重病の人を元気づけ,家族に先立たれた人を慰め,人に知恵を授け,人を死の瀬戸際から救うというのです。米国では約2,000万人に上る視聴者が,人の生活への天使の介入を描いた毎週の連続テレビ番組を見ています。ある書店の目録には,天使を主題にした本が400種を超えています。
最近出版されたある本は,守護天使が戦闘中の兵士の命をどのように救ったかについて,数々の経験を語っています。あちこちで見かける車のバンパー・ステッカーも,この車の運転手は守護天使に保護されている,と述べています。また,天使についての研究を促進する組織や会議やセミナーもあり,天使と交信するよう人々を助けると言われています。
アイリーン・フリーマンという女性は,天使について3冊の本を書いた人で,天使のことを専門に扱う一雑誌の発行者でもあり,こう主張しています。「地上には天にいるみ使い各々に対応する守護天使がいる,と私は信じています。この天使は,単に天の領域で神を賛美することだけでなく,地上の人間や様々な形態の生物を実際に世話することをも務めとしています。私たちを母親が身ごもったとき私たち各々に守護天使がひとりずつ割り当てられ,その天使は私たちが胎内で成長し,生まれ出て,この世で生きてゆくのを見守り,ついには私たちをこの世の領域から天の栄光へと導いてくれます」。これは,守護天使についての世間一般の見方をよく説明しています。
ストレスに満ちた多難なこの時代に,わたしたちにはわたしたちを保護する務めを持つ自分の守護天使がいる,と信じるのは魅力的なことです。これについて,神の言葉 聖書は何と述べているでしょうか。わたしたちは天使たちと交信しようとすべきでしょうか。天使たちはわたしたちの道徳規準や宗教上の信念に関心を抱いているでしょうか。わたしたちは天使からどんな助けを得られると期待できるでしょうか。こうした点についての答えは,次の記事の中で示されます。
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天使からどのような助けを得られますかものみの塔 1998 | 11月15日
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助けを求めて天使に呼びかけるべきか
苦難の時に天使に呼びかけるのはふさわしいことでしょうか。もしそうなら,一番よく助けてくれる天使の名を知りたいと思うでしょう。そのため,営利目的の書籍の中には,天使の名とされるものを,それぞれの天使の階級,称号,職務などと共に数多く挙げている本もあります。ある本などは,「天界のベスト10」とか,「西洋で最もよく知られた天使たち」とかいうものを列挙しています。このリストと共に,次のような勧めがあります。目を閉じて,天使の名をゆっくり何度か唱え,深く息を吸って,ゆっくり吐き,「天使たちとの可能な接触に身をゆだねなさい」という勧めです。
それとは対照的に,聖書は神の忠実な使いたちのうちのふたり,すなわちミカエルとガブリエルの名しか挙げていません。(ダニエル 12:1。ルカ 1:26)その名前を出したのは,恐らく,み使いが,単なる非人格的なエネルギーや力ではなく,それぞれ名を持つ特異な霊者であることを示すためでしょう。
注目に値するのは,人間に自分の名を明かそうとしなかった天使たちもいたことです。ヤコブがひとりの天使に名前を明らかにするよう求めたとき,その天使はそうしませんでした。(創世記 32:29)ヨシュアに近づいた天使は,身分を明らかにするよう求められたとき,自分が「エホバの軍の君」であるとだけ言いました。(ヨシュア 5:14)サムソンの両親がひとりの天使に名前を尋ねたとき,その天使は,「一体どうしてわたしの名について尋ねたりするのか。それは驚嘆すべきものであるのに」と言いました。(裁き人 13:17,18)聖書は,天使たちの名前をいちいち挙げないことにより,わたしたちが天使に不当な栄誉や崇拝をささげることのないようにしています。以下の部分で見るとおりですが,聖書は天使に祈願することがないようにとも教えています。
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天使からどのような助けを得られますかものみの塔 1998 | 11月15日
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守護天使
天使は人を気遣い,保護するのでしょうか。使徒パウロは,「彼ら[天使たち]はみな公の奉仕のための霊であって,救いを受け継ごうとしている者たちに仕えるために遣わされた者なのではありませんか」と問いかけました。(ヘブライ 1:14)そうです,というのがこの質問に対するパウロの答えであることは明らかです。
シャデラク,メシャク,アベデネゴという3人のヘブライ人は,バビロンの王ネブカドネザルの立てた金の像の前にひれ伏すことを拒んだため,過熱された炉の中に投げ込まれました。ところが,それら神の忠実な僕たちは火に影響されませんでした。王は,炉の中をのぞいたとき,「四人の強健な男」を目にし,「四人目の者の姿は神々の子のようだ」と言いました。(ダニエル 3:25)何年か後,ダニエルはその忠実さのゆえにライオンの坑に入れられました。ダニエルも,無傷で逃れ,「私の神はご自分の使いを送って,ライオンの口をふさがれました」と言明しました。―ダニエル 6:22。
西暦1世紀にキリストの追随者たちの会衆が設立されると,再び天使たちが現われ,使徒たちを獄から解き放ちました。(使徒 5:17-24; 12:6-12)また,パウロの命が海で危険にさらされたとき,ひとりの天使が,パウロは無事にローマに着けると保証しました。―使徒 27:13-24。
エホバ神の現代の僕たちは,神の使いたちから成る目に見えない軍勢が実在しており,エリシャとその従者のためにしたように保護を与えることができる,と全く確信しています。(列王第二 6:15-17)実際,「エホバのみ使いは神を恐れる者たちの周囲に陣営を張っており,彼らを助け出(します)」。―詩編 34:7; 91:11。
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