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バルバドス,西インド諸島1989 エホバの証人の年鑑
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公開講演から得られた益
公に行なわれた聖書の講演は,真理を広めるうえで重要な役割を果たしました。もともとはガイアナが出身地であるアルフレッド・ジョセフは,ブリッジタウンの港に近いブランドンズ・ビーチの屋外で行なわれた聖書講演で,初めて真理に接しました。「死者はどこにいるのか」という講演を聞くために,およそ50人が出席しました。これをきっかけにして彼は聖書の教えを学ぶようになり,1915年にバプテスマを受けましたが,そのバプテスマは,彼が例の聖書講演を最初に聞いた現場からさほど離れていない場所で行なわれました。
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バルバドス,西インド諸島1989 エホバの証人の年鑑
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ジョセフ兄弟は18年後にバルバドスへ戻ると,屋外での講演を行なう面で指導的な役割を果たしました。あるとき,ジョセフ兄弟は兄弟姉妹たちの一グループを伴って,セントジョージの教会区にあるウェイバリー・コットで奉仕しました。いつものように兄弟たちは午前中の時間を使って,家にいる人々に宣べ伝え,午後に開かれる公開集会に彼らを招待しました。その目的で,ある公民館が借りられました。ところが,講演が始まったとたん,兄弟姉妹たちだけが中にいる状態で,セントルカ教会のチャーチアーミーの団員たちがバス,つまり“ドーン”という大きな音の出るドラムとティンパニを鳴らしながら,その会館のすぐ外に集合したのです。講演者の声をかき消す目的で,ドラムが大きな音で鳴らされ,それに合わせて歌がうたわれました。大勢の人が集まりましたが,その騒音はどうしようもないほど大きく,ジョセフ兄弟の声は,音響装置がなかったので,ほとんど聞き取れませんでした。
すると,どうでしょう,兄弟たちや外にいた群衆が驚いたことに,突然激しい雨が降ってきたのです。といっても,空は晴れていましたし,あらしの襲来を告げるような気配は全くありませんでした。兄弟たちが集まっていた会場以外に雨宿りができる場所はほかにどこもなかったので,ドラムをたたいていた者たちを含め外に集まっていた人々は全員,その会場の中に大急ぎで駆け込みました。場内はたちどころに満員となりました。すべての人が1時間にわたる講演の間そこにとどまり,その講演も楽しんだのです。兄弟たちは帰宅の途に就いて,不思議なことに気づきました。つまり,その雨は先ほどの会場があった地域だけに降っていたということです。
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