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古代の聖書写本と,宇宙時代の科学技術との出会い目ざめよ! 1988 | 5月8日
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問題の写本は,シナイ山麓にある聖カタリナ修道院で1892年に発見されました。それは四福音書を,イエスの時代に一般に用いられていたアラム語の一方言であるシリア語に翻訳した,2世紀の終わり,もしくは3世紀初頭の写本です。この翻訳は,早くも1世紀の終わりごろに行なわれていたのではないかと考える学者もいます。
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古代の聖書写本と,宇宙時代の科学技術との出会い目ざめよ! 1988 | 5月8日
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興味深い一つの点は,マルコによる書の終わり方です。この書はマルコ 16章8節で終わるのでしょうか。それとも古代の他の幾つかの写本に記されているように,追加の節があるのでしょうか。一葉の終わりにマルコ 16章8節がきているとしたら,失われている別の葉に,さらに多くの節があると考えることができます。その葉を,コンピューターによって精査したところ,マルコ 16章8節は左の欄の半ばにありました。その後に小さな点が並び,さらにその後には狭い空欄があって,その下からルカによる書が始まっていました。この部分は,マルコによる書の終わる箇所を明確に示しています。欠けた葉や節は全くなかったのです。
聖書本文には幾らかの相違があり,聖書研究に貢献するものと思われます。しかし,驚かされるような点はほとんどありませんでした。しかしそれはマイナスにはなりません。今わたしたちが持っている聖書の本文が,基本的には最初に筆者が書き記したものと同じであることを実証しているにすぎません。
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