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血: だれの選択か,だれの良心か血はあなたの命をどのように救うことができますか
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ほとんどどの病院の壁にも,「患者の権利章典」が掲げられているのが見える。その権利の一つは,十分知らされた上での同意である。これは,十分知らされた上での選択と言ったほうが正確かもしれない。種々の治療(もしくは,治療をしないこと)から生じ得る結果が患者に十分知らされた後,患者がどんな方法に従うかは,患者の選択に任されている。ニューヨーク市ブロンクス区のアルバート・アインシュタイン病院にある輸血とエホバの証人に関する方針の草稿には,こう記されている。「無能力者ではない成人のすべての患者には,自分の健康にどれほど不利益な結果が及ぼうとも,治療を拒否する権利がある」。2
医師たちは倫理や責任について懸念する発言をするかもしれないが,法廷は患者による選択の優位性を強調してきた。3ニューヨーク州の最高裁判所は,「自分自身の治療方針を決定する患者の権利は最も価値あるもの[である]。……能力を有する成人の患者に付与されている,医療を拒む権利を尊重するとき,医師が医師としての法的もしくは職業上の責任の不履行を問われることはあり得ない」と述べた。4さらに同法廷は,「医療専門家としての倫理的な誠実は重要であるが,ここで言明されている基本的人権にまさるものとはなり得ない。最も価値があるのは,医療制度から出される要求ではなく,個人の必要と欲求である」と語っている。5
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血: だれの選択か,だれの良心か血はあなたの命をどのように救うことができますか
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しかし,アメリカ医師会が指摘しているように,「医師が推薦している治療法や手術に賭けてみるか,そうせずに生活することに賭けてみるかを最終的に決定するのは[患者である]。それは,法律で認められている,個人の自然権である」。10
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