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ブラジル1997 エホバの証人の年鑑
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「姉妹は私を見ることも,私の話を聞くことも,私に話しかけることもなく,私を励ましてくださいました」。これはローズマリー・バレラを知っている人たちがいつも使う表現です。姉妹は目が見えず,耳も聞こえないのですが,過去3年間,補助開拓者として奉仕してきました。彼女は生まれつき耳が聞こえません。その結果,話し方を学ぶことができませんでした。そして徐々に視力を失い,今ではほとんど失明しています。言いたいことは手話で表現し,他の人の手話を手で触って理解します。
ローズマリーは真理を学ぶ前に視力を失いました。そのことは夫との意思の疎通に大きな影響を与え,彼女は絶望のあまり自殺を考えました。そのころ,手話を知っている若い開拓者のニルザ・カルバリョと出会いました。そして,どんな種類の障害を持つ人でもいやすという神の約束を知って,聖書研究の勧めに応じました。(イザ 35:5)間もなく彼女は,サンパウロの耳の聞こえない人たちの会衆の集会に出席し始めました。集会中,通訳が彼女の隣に座り,演壇で表現されることを触覚通訳によって伝える取り決めが設けられました。後に夫も聖書研究をするようになり,喫煙をやめ,二人で1992年2月にバプテスマを受けました。バプテスマの後間もなく,二人は定期的な補助開拓者になりました。ローズマリーは,耳の聞こえない他の人たちとの聖書研究を20件も司会し,同時に家での自分の務めも果たしています。
視力に障害のある人たちを助けるために,協会は1980年に,ポルトガル語点字(グレード1)の出版物を生産し始めました。今では,聖書や「ものみの塔」誌をはじめ,協会の出版物の多くは点訳されています。ポルトガル語点字の聖書全巻は84巻に分かれていて,ポケット版とはとても言えません。点字を学びたいと思う人たちのための助けとして手引き書も生産されています。統計によると,ブラジルでは視力に障害を持つ人が100万人以上います。
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ブラジル1997 エホバの証人の年鑑
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[194ページの図版]
一部の会衆では,耳が聞こえず,目も見えない人たちを特別に援助している
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