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バアル聖書に対する洞察,第2巻
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バアル崇拝 ウガリット(キプロス島の北東端と向かい合うシリアの沿岸に位置する現代のラス・シャムラ)での発掘によって数多くの宗教的遺物や何百枚もの粘土板が発見されるまで,バアル崇拝については,聖書の多くの言及箇所を除けばほとんど何も知られていませんでした。今ではラス・シャムラ文書として知られるこれらの古文書の多くは,宗教的祝祭の儀式に参加した人々の典礼書,またはそのような人々が口にした言葉であると考えられています。
ラス・シャムラ文書の中では,バアル(アリヤン[打ち勝つ者]・バアルとも呼ばれている)が「ザブル[君],地の主」とか「雲に乗る者」などと表現されています。これは,バアルがこん棒またはつち矛を右手に握り,槍の刃に加えて上部に葉が出ている作物がついた様式化された稲妻を左手に持つ姿で描かれていることとも一致しています。バアルはまた角のあるかぶとをかぶった姿でも描かれており,これは多産の象徴とされる雄牛との緊密な関連を物語っています。―第2巻,476ページの写真。
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バアル聖書に対する洞察,第2巻
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バアルをはじめ,カナン人が信じていた神々や女神は,崇拝者たちの思いの中で特定の天体と結び付けられていたようです。例えば,ラス・シャムラ文書の一つは「女王シャパシュ(太陽)と星」への捧げ物について述べ,別の文書は「太陽の軍隊と昼間の軍勢」に言及しています。
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