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たばこが喫煙者と非喫煙者に及ぼす危害目ざめよ! 1987 | 6月22日
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ロンドン・タイムズ紙はその理由をこのように説明しています。「第三世界で広く換金作物となっているたばこの生産のため,ガンの罹患率は高まり,森林は伐採され,国内消費のために大いに必要とされる食用作物を栽培できる土地は占領されている」。
■煙とガン
1986年にハンガリーで開かれた第14回国際ガン会議に出席した専門家たちは,1986年にはおよそ350万人がガンで死亡すると推定しました。「WHO[世界保健機関]の統計によれば,そのうちの100万人の死が喫煙に起因する」と,ドイツの医学新聞「エルツトリッヒェ・プラクシス」は伝えています。
オックスフォード大学の医学の名誉教授リチャード・ドール卿は,たばこの煙に含まれる3,800種類の化学物質のうち,50種類は動物のガンの原因となることが確認されていると警告しました。それらの化学物質の一部は,吸い込まれない煙にとりわけ多く含まれていることが分かりました。したがって,喫煙家は間接喫煙者となる他の人々を発ガン性の比較的高い物質の影響にさらしているのです。喫煙者と共に住む非喫煙者に対して行なった英国のある調査によると,肺ガンによる死亡者の二人に一人は間接喫煙者でした。
米国の医務長官は,たばこを吸わない従業員のために仕事場の一つを禁煙にするよう企業に勧告しました。同長官は,喫煙が健康に及ぼす影響に関する1986年の報告の中で,「健康な非喫煙者にとって,間接喫煙はガンをはじめとする様々な病気の原因となる。……同じ場所の空気を吸う喫煙者と非喫煙者とを単に隔てただけでは,非喫煙者の間接吸煙を減らすことはあっても,防ぐことはできない」と述べています。
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たばこが喫煙者と非喫煙者に及ぼす危害目ざめよ! 1987 | 6月22日
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また,英国の医学雑誌「ランセット」は最近,小児ガンに関する研究結果を掲載しました。妊娠中の母親が1日に吸う紙巻きたばこの本数が増えるにしたがって子供はガンにかかりやすくなることを,研究結果は示しています。「腫瘍のできた箇所をすべて調べると,母親が妊娠中に毎日10本以上の紙巻きたばこを吸った場合,子供がガンにかかる可能性は全体として50%も高かった」と,同誌は伝えています。
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