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神が行動される時,あなたは救われますかものみの塔 1996 | 8月15日
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イエスはこう付け加えられました。「実際,その日が短くされないとすれば,肉なる者はだれも救われないでしょう。しかし,選ばれた者たちのゆえに,その日は短くされるのです」。(マタイ 24:22)これは当時どういう意味でしたか。そして,今は何を意味するでしょうか。
10 これまでわたしたちはマタイ 24章22節をどのように説明してきましたか。
10 以前,この『救われる肉なる者』とは,西暦70年にエルサレムに臨んだ患難を生き残ったユダヤ人のことである,と説明されました。クリスチャンが逃げ去っていたので,神はローマ人が速やかな滅びをもたらすままにすることができた,言い換えれば,「選ばれた者たち」が危険を脱していたことのゆえに患難の日は短くされて一部のユダヤ人の「肉なる者」が救われることになったのです。それら生き残ったユダヤ人は,わたしたちの時代に到来する大患難を生き残る人々を予表している,と考えられました。―啓示 7:14。
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神が行動される時,あなたは救われますかものみの塔 1996 | 8月15日
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12 神が関心を抱かれた,1世紀当時の「選ばれた者たち」とはだれでしたか。
12 西暦70年になる前から,神は生来のユダヤ人をもはやご自分の選びの民とはみなしておられませんでした。イエスは,神がその国民をすでに退けておられ,その首都と神殿,および崇拝の体制を終わりに至らせられる,ということを明らかにしました。(マタイ 23:37–24:2)神は,新しい国民,すなわち霊的イスラエルを選ばれました。(使徒 15:14。ローマ 2:28,29。ガラテア 6:16)このイスラエルは,あらゆる国民の中から選ばれて聖霊で油そそがれた男女で構成されました。(マタイ 22:14。ヨハネ 15:19。使徒 10:1,2,34,35,44,45)ケスティウス・ガルスによる攻撃が始まる数年前,ペテロは「父なる神の予知にしたがい,霊による聖化をもって……選ばれた者たち」にあてて手紙を書きました。霊によって油そそがれたそのような人たちは「選ばれた種族,王なる祭司,聖なる国民」でした。(ペテロ第一 1:2; 2:9)神はそのような選ばれた者たちを天に召してイエスと共に統治させるのです。―コロサイ 1:1,2; 3:12。テトス 1:1。啓示 17:14。
13 マタイ 24章22節のイエスの言葉にはどんな意味があったかもしれませんか。
13 こうして,選ばれた者たちとはだれのことかを見定めると,理解しやすくなります。患難の日は「選ばれた者たちのゆえに」短くされる,とイエスは予告されたからです。「のゆえに」と翻訳されているギリシャ語は,「のために」とも訳せます。(マルコ 2:27。ヨハネ 12:30。コリント第一 8:11; 9:10,23; 11:9。テモテ第二 2:10。啓示 2:3)ですから,イエスはこう言っておられたのかもしれません。『その日が短くされないとすれば,肉なる者はだれも救われないでしょう。しかし,選ばれた者たちのために,その日は短くされるのです』。c (マタイ 24:22)エルサレムに閉じ込められていたクリスチャンの選ばれた者たちの益となる,もしくは彼ら「のために」なることが何か起きましたか。
14 ローマの軍隊が西暦66年に不意にエルサレムから退却したとき,「肉なる者」はどのように救われましたか。
14 思い起こしてください。西暦66年,ローマ軍はその地全域に進攻し,上部エルサレムを占領し,城壁の下を掘り始めました。ヨセフスは,「あきらめずにもう少し攻囲を続けてさえいれば,すぐにも都を攻略できたであろう」と評しています。自問してみてください。『強力なローマの軍隊が突然に軍事行動を放棄して,「全く不可解なことに」退却するとはどういうことでしょうか』。軍事史の解説を専門とするルパート・ファルノーは,「ガルスの異様で災いに満ちた決定の十分な理由を首尾よく指摘できた歴史家は一人もいない」と述べています。どんな理由があったにせよ,結果的に言って,患難は短くされました。ローマ軍は退却し,ユダヤ人はそれを追撃しました。閉じ込められていた,油そそがれたクリスチャンの「選ばれた者たち」についてはどうでしょうか。攻囲が解かれたことは,患難の間に殺される危険から彼らが救われたことを意味しました。ゆえに,西暦66年の患難が短くされたことから益を受けたそれらのクリスチャンこそ,マタイ 24章22節で述べられている救われる「肉なる者」だったのです。
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