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第11部 ― 西暦前2年-100年 ― 信仰と希望と愛の道目ざめよ! 1989 | 6月8日
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初期クリスチャンは,揺らぐことのない信仰と確固とした根拠のある希望を吹き込まれ,真の愛を動機として,「それゆえ,行って,すべての国の人々を弟子とし,……彼らにバプテスマを施し,わたしがあなた方に命令した事柄すべてを守り行なうように教えなさい」という,イエスが昇天の前にお与えになった,クリスチャンに対する最後の命令に従い始めました。―マタイ 28:19,20。
西暦33年のペンテコステの日に,エルサレムの階上の間に集まっていた120人のクリスチャンの弟子たちに神の霊が注がれました。クリスチャン会衆が誕生したのです。a その日,クリスチャン会衆の成員には,外国語で話す力が奇跡的に与えられたので,それらのクリスチャンは,ユダヤ人や祭りのためエルサレムにいた他国の改宗者たちに意思を伝達することができました。(使徒 2:5,6,41)しかも,何とすばらしい結果が生じたのでしょう。たった一日で,クリスチャンの数は120人から3,000人余りに増加したのです。
イエスはご自分の宣べ伝える業をおもにユダヤ人だけに限定されました。しかしペンテコステの少し後,クリスチャンの使徒ペテロは,聖書の最初の五つの書に書かれている事柄を守り行なっていたサマリア人のため,またその後の西暦36年にはすべての非ユダヤ人のために「道」を開きました。パウロは「諸国民への使徒」となり,三度にわたって宣教旅行を行ないました。(ローマ 11:13)そのため,幾つもの会衆が設立され,会衆は繁栄を見ました。「キリストからコンスタンティヌスへ」と題する本は,「信仰を広めようとする彼らの熱意は抑えがたいものであった」と述べ,「クリスチャンによる証しは,広範に及ぶと同時に効果的であった」と付け加えています。クリスチャンに対する迫害は裏目に出て,風が炎をあおるように,音信が広まるのに貢献しました。「使徒たちの活動」の書には,キリスト教の揺籃期における,クリスチャンによる止まるところを知らない活動の感動的な歴史が示されています。
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