-
都市への食糧供給の課題目ざめよ! 2005 | 11月22日
-
-
発展途上国の一部の都市はすでに相当大きく,しかも今後いっそう大きくなることが必至です。ムンバイ(以前のボンベイ)の人口は2015年までに2,260万人になり,デリーは2,090万人,メキシコ市は2,060万人,サンパウロは2,000万人になると推定されています。人口1,000万の都市,例えばマニラやリオデジャネイロなどには,1日に6,000㌧もの食糧を運び込まなければならない,と見られています。
これは決してたやすい仕事ではありません。しかも,こうした状況が緩和されてゆく見通しはありません。拡大の度合いが速い都市の場合は特にそうです。一例として,パキスタンのラホールは出生率が高い(2.8%)だけでなく,農村部からの移住の割合が「危機的なまでに」高い,とされています。他の多くの途上国でも,仕事,物資,サービス,生活の向上を求めて,幾百万もの新しい住民が,すでに過密な都市に流れ込んでいます。そうした移住のために,バングラデシュのダッカは,今後毎年100万人ないしそれ以上増えてゆくと予想されています。中国では現在,人口の3分の2が農村部に住んでいますが,2025年までにはその大半が都市部に移り住むと推計されています。その同じころに,インドでは6億人が都市住民になっていることでしょう。
人口の都市部への移動は,世界の多くの場所の性格を変容させています。例えば,西アフリカ地域では,1960年当時,都市住民は全人口のわずか14%でした。1997年までに都市人口は40%に増加し,2020年までにその数は63%になるものと考えられています。“アフリカの角”と呼ばれるアフリカ東北端で,都市人口は10年以内に倍になると見込まれています。発展途上国における今後の人口増加の9割までは都会で起きる,という予測もなされています。
-
-
都市への食糧供給の課題目ざめよ! 2005 | 11月22日
-
-
[5ページの囲み記事]
拡大する都市
■ 今後30年間に世界で予測される人口増加のほとんどすべては,都市に集中している。
■ 2007年までに,世界人口の半分以上は都市部に住んでいると見られている。
■ 世界の都市に住む人の数は年率1.8%で増加していると推定される。この割合でゆくと,都市部の人口は38年で倍になる。
■ 500万以上の人口を持つ都市の数は,2003年に46であったが,2015年には61に増加するものと見られる。
[クレジット]
Source: World Urbanization Prospects—The 2003 Revision, United Nations Department of Economic and Social Affairs, Population Division
-