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どうしてこんなにきまりが多いのだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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上手に意思を通わせる
もっと自由が欲しい場合でも,親の制限に対する不満を解消したいだけだとしても,かぎとなるのは上手に意思を通わせることです。『親に話そうとしたけど,うまくいかない』と言う人もいるかもしれません。あなたもそう感じているなら,『意思を通わせる方法を改善できないだろうか』と自問してください。意思を通わせることは,(1)相手に自分のことを理解してもらう,(2)なぜ自分の希望がかなえられないかを理解する,という点で肝要です。実のところ,大人と同じように扱ってもらいたいなら,意思を通わせる方法の点でも成長すべきでしょう。どうすればよいでしょうか。
感情を制御できるようになる。上手に意思を通わせるには,自分を制することが必要です。聖書は,「愚鈍な者は自分の霊をさらけ出し,賢い者は最後までこれを穏やかに保つ」と述べています。(箴言 29:11)ですから,めそめそしたり,ふてくされたり,子どものようにかんしゃくを起こしたりしないようにしましょう。確かに,親から制限を受けると,ドアを乱暴に閉めたり,家の中をドタドタ歩いたりしたくなるかもしれません。でもそれでは,自由になるどころか,きまりが増えるだけでしょう。
親の立場に立って考えてみる。ひとり親家庭で育ったクリスチャンのトレーシーは,「『母は何のために規則を作るのか』と考えてみます」と述べています。どんな答えが出たでしょうか。「わたしがりっぱな大人になれるようにしてくれているのです」と言っています。(箴言 3:1,2)そのように親の気持ちを理解しようとすることは,上手に意思を通わせるのに役立つでしょう。
例えば,親がある交わりに行かせてくれないとしましょう。そのような場合には言い争うのではなく,「しっかりした,信頼できる人と一緒なら,行ってもいい?」と尋ねることができます。それでも願いを聞き入れてもらえないかもしれませんが,親が何を心配しているかを理解すれば,聞き入れてもらえそうな提案をしやすくなるはずです。
親から信頼してもらえるようにする。銀行からお金を借りていて返済する義務がある人について考えてみてください。お金をきちんと返せば,銀行の信頼を得て,その後さらに融資限度額を引き上げてもらえるかもしれません。親との関係もこれに似ています。子どもであるあなたには親に従う義務があります。あなたが小さなことにも従って信頼に値することを示せば,その後もっと信用してもらえるようになるでしょう。しかし,もし親を失望させてばかりいるなら,親は当然あなたの“融資限度額”を下げ,ゼロにしてしまうことさえあるでしょう。
きまりを破ってしまったら
家事の手伝いを忘れたり,長電話をしたり,門限を守らなかったりして,きまりを破ってしまうということもあるでしょう。(詩編 130:3)その場合,親に理由を説明しなければなりません。では,その事態をさらに悪くしないために何ができるでしょうか。
本当のことを話す。作り話をしてはなりません。そんなことをすれば,失いかけている信頼をすっかり失うことにもなりかねません。正直に,細かな点も話してください。(箴言 28:13)正当化したり,大した事ではないかのように言ったりすることは避けます。『温和な答えは激しい怒りを遠ざける』ということを忘れないでください。―箴言 15:1。
謝る。心配させたことや,がっかりさせたこと,面倒をかけたことを申し訳なく思っている,と述べるのは適切であり,そうすれば罰も軽くなるかもしれません。しかし,その気持ちは心からのものでなければなりません。
結果を受け入れる。(ガラテア 6:7)罰を受けたら,最初は反発したくなるかもしれません。罰が不当に思える場合は特にそうでしょう。しかし,自分の行動の責任を取ることは,成熟した人のしるしです。この場合,取るべき最善の行動は,ひたすら信頼回復に努めることでしょう。
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どうしてこんなにきまりが多いのだろう若い人が尋ねる質問 ― 実際に役立つ答え,第2巻
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[189ページの囲み記事/図版]
ワークシート
親に話しましょう!
これまでの二つの章で,親からの指摘や家のきまりについて取り上げ,どのように対応できるかを考えました。これらの点で親が厳しすぎると感じる場合は,どうしたらよいでしょうか。そのことについての話し合いをどのように切り出せますか。
● あなたの気持ちが穏やかで,親があまり忙しくないときを選びましょう。
● 思っていることを心から話してください。しかし,感情的になってはなりません。ふさわしい敬意を払いましょう。
親が極端に厳しいと感じるなら,こう言えるかもしれません。「正しいことをしようと一生懸命努力しているけど,いつも小言を言われてばかりだとつらいんだ。ちょっと話してもいい?」
この点についてあなたなら親との話し合いをどのように切り出すかを下に書いてみましょう。
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✔ アドバイス: 話を切り出すために21章を活用してください。親はその章の内容について喜んで話し合ってくれるでしょう。
親が自由を十分に与えてくれないと感じるなら,こう言えるかもしれません。「もっと自由を与えてもらえるように,もっと信頼されるようになりたいんだ。どんなことを努力できると思う?」
この点についてあなたなら親との話し合いをどのように切り出すかを下に書いてみましょう。
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✔ アドバイス: 第1巻,3章を調べてみてください。そして,読んだ内容で疑問に思った点をリストにしてみましょう。
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