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輝かしく咲き誇るラン目ざめよ! 2003 | 9月8日
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輝かしく咲き誇るラン
コスタリカの「目ざめよ!」執筆員
「タイルの壁に掛けられた花々が美しさを誇示している。そよ風と,そして陽光や影と戯れつつ,力の限り,いよいよ誇らしげに咲いている」。
これは,コスタリカのサンホセで開催された,年に一度の全国蘭博覧会に関する新聞記事の冒頭の部分です。ランと聞くとすぐに,世界有数のエキゾチックで美しい花々が思い浮かぶかもしれません。この博覧会を訪れた人からは,「こんなに複雑で美しいものを見ていながら,神のみ手の働きを否定できる人などいるかしら」という言葉が聞かれました。
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輝かしく咲き誇るラン目ざめよ! 2003 | 9月8日
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コスタリカに自生するラン
コスタリカは,狭い土地面積にもかかわらず,ランの生育密度の点では世界有数の地域です。実際,約1,400種が自生し,未発見のものもまだたくさんあると期待されています。東のカリブ海,西の太平洋が穏やかな気候を作り出しているため,コスタリカは湿度の幅が広く,それゆえに多種多様なランの生育に適した環境となっています。また,湿潤で標高のやや高い,雲霧林と呼ばれる場所が多くあり,大多数のランはそこで繁茂しています。ある雲霧林では,1本の木に何と47種のランが着生していることが分かりました。
生存が危ぶまれているランの多くの種を救うための努力が続けられています。しかし幸いなことに,今なおコスタリカの森の中で繁茂している種もあります。今日,あらゆる階層の人々が趣味としてランを栽培しています。栽培は難しくありませんが,問題が一つあります。ランの栽培に病みつきになる恐れがあるのです。ある著述家はそのことをこう表現しました。「ランを一つ手に入れようとするのは,ピーナツを1粒だけ食べようとするのに似ている」。
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輝かしく咲き誇るラン目ざめよ! 2003 | 9月8日
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年に一度の全国蘭博覧会
コスタリカ蘭協会は,ランの生息環境保護の必要性に対する認識を高める目的で,1971年に最初の全国的な博覧会を開催しました。初めは小規模なもので,幾つかの台の上に147のランを展示しただけでしたが,最近では1,600余りのランが展示された年もあります。会場に着いた人は,目がくらむほど鮮やかな色彩に迎えられ,実に様々な大きさや形のランを見て楽しみます。
[クレジット]
Jardín Botánico Lankester
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ランカスター植物園
1917年に英国の植物学者チャールズ・ランカスター・ウェルズによって創設された,こののどかな楽園は,アメリカ大陸でも極めて貴重な植物園の一つとされています。ここでは,10.7ヘクタールの森と庭園に生育する自生種と外来種を合わせて800種のランが見られます。この植物園は,国立自然保護センターにもなっています。野生のラン,とりわけ希少種は,不法に取り引きされることがあります。当局が押収したランは,保護のためにランカスター植物園に持ち込まれます。
[クレジット]
Photos above: Jardín Botánico Lankester de la Universidad de Costa Rica
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