この記事を皮切りに，今後の「ものみの塔」誌 4号にわたり，ダニエルという名のそのような古代の一人の預言者についてよく知っていただくため，連続記事を掲載いたします。ダニエルについてはご存じかもしれません。ダニエルは高貴な生まれのユダヤ人でした。まだ年若いころバビロンへ送られ，新バビロニア帝国の2代目の王ネブカドネザルの宮廷で教育されました。それは西暦前7世紀の終わりごろで，エルサレムが滅びる前のことです。ダニエルはそれからずっと西暦前539年のバビロン倒壊の時まで捕らわれの身でした。そしてその後は，メディア-ペルシャの初期の支配者たちの宮廷で仕えました。ダニエルは捕らわれの身にあった期間に，夢を解き明かしたり，霊感を受け，今日にも影響を及ぼす幻を見たりしました。ですから，あなたもご家族の方々もダニエルが予告した事柄とかかわっておられるのです。

真正な預言者

ダニエルが預言者であったことについては，キリストご自身が証ししておられます。興味深いことに，イエスはご自分の「臨在と事物の体制の終結」のしるしに関する預言の中でそのことを証しされました。そのようにしてイエスは，ダニエルの預言の完全な成就が，諸国家間の戦争，食糧不足，地震，世界的な苦しみの劇痛など，そのしるしを構成する様々な要素を目撃できる現代に生じることを示されました。―マタイ 24:3-8，15。

イエスはこう述べられました。「多くの偽預言者が起こって，多くの者を惑わすでしょう。……王国のこの良いたよりは，あらゆる国民に対する証しのために，人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう。それから終わりが来るのです。それゆえ，荒廃をもたらす嫌悪すべきものが，預言者ダニエルを通して語られたとおり，聖なる場所に立っているのを見かけるなら，（読者は識別力を働かせなさい，）その時，ユダヤにいる者は山に逃げはじめなさい。……あなた方に真実に言いますが，これらのすべての事が起こるまで，この世代は決して過ぎ去りません」― マタイ 24:11-34。

イエスが，弟子たちに「預言者ダニエル」のことを述べる少し前に，偽預言者が起こるという警告をなさったことは，イエスがダニエルを神の真の預言者とみなしておられた証拠です。